4.SF的要素のある世界観。こういう映画の場合、近未来が舞台になっていたりするとあくまでもSFの世界という目で見るのですが、
本作の場合は見ている自分が生きてきた時代を舞台としており、少し変わった感覚で見ていました。
歴史と威厳を感じさせる、イギリスの寄宿学校の校舎の佇まいと、そこでの生活。緑豊かなイギリスの田園風景。
本作のSF的基本設定を除けば、実にイギリス映画らしい雰囲気をたたえた作品です。
ある生まれながらの宿命を背負い、1人の少年と2人の少女がともに成長していく。抗えない宿命と生、友情と恋のはざまで揺れ動き、
些細な何かがきっかけで壊れてしまいそうな、繊細な心の機微を描いた青春映画としても良かった。
キャリー・マリガンは独特の魅力と個性を持っている人だと思います。
ハッとするような美貌という訳ではないけれど、その表情で演じる彼女の魅力は本作のような静かな映画にピタリとはまりますね。