1.これはものすごく好みが分かれる映画だと思います。
園子温監督の作風を知らない方にはかなりキツいんじゃないでしょうか。
登場人物に「普通」の人はほとんどいません。
泥沼にはまり、ことあるごとにむせび、叫びまくる主人公の少年が最もまともと感じるほどです。
その中でもヒロインの女子中学生がかなりエキセントリックで、人によってはどん引きレベルだと思います。
展開もリアリティを追求しておらず、現実的に考えればありえないシーンに辟易してしまう人もいるかもしれません。
そして暴力、暴力、暴力。
この映画には人が殴られるシーンがとにかく多い。
これだけでこの映画が受け入れられない人もいるでしょう。
でもこの映画が自分は大好きです。
何より、この映画のメッセージはかなりストレートで、「どん詰まり」の人生を応援してくれるのです。
主人公の中学生が絶望したとき、彼を追い回すヒロインはなんと言ったのか。
その一言一言が胸に刺さります。
自分が流した涙に驚きました。
この映画で溢れたのは、「悲しい」とも、「嬉しい」とも違う、ひとことでは表現できない感情でした。
結末にも賛否はあると思いますが、自分はこの結末で、本当によかったと思います。