47.《ネタバレ》 シュレッダーで細かくバラバラにされた写真が子供達の手によって形を成してゆく「モンタージュ」、つまり映画的なる行為はイランの人々も行っていた訳で。決して世に出る事のない偽映画をネタに展開された人質救出作戦ですが、事件から22年の月日を経た後、ここにこうして実際の映画として結実したのですから、見事なオチが付きました、としか言い様がない訳で。映画はシリアスで緊迫した状態がずっと続く、にも関わらず笑えてしまったりワクワクしてしまったり。そしてそれをもたらすのは映画という要素。最初の懐かしいワーナーのタイトルから最後の『スター・ウォーズ』『スター・トレック』まで「映画」で飾られ、事実を元にした、政治的な背景を持つ映画であるにも関わらず、つまりこれは映画についての映画。演じる事を求められる人々、1つの形を成すために陰で動くスタッフ。クロスカッティングを駆使してスリルとサスペンスを盛り上げるそれはそれは濃密な2時間。存分に映画を堪能して満足している中、突然エンディングに流れる「声」にさーっと現実に引き戻され、なんであんな「声」を入れたのだろう、あれでは国家としてのアメリカに寄り過ぎていてメチャ醒めるわぁ、と思ったものの、それもまた「映画」なのだと。映画をネタに人を騙し人を救った事を描いた映画が、映画は政治の道具として機能する事もあると示唆しているようにも思えました。見終わった後も色々と考えを巡らせられる、よ~く味わえる映画です。 【あにやん🌈】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-10-30 20:48:05) (良:3票) |
46.《ネタバレ》 ◇実話という前提の中、これは脚色かな?などと思える部分はあるものの、緊張感を保ったままイラン上空まで一気に引き込まれた。◇ベン・アフレック監督、感服です◇エンドロールの実際の映像との比較や、DVD特典映像もご覧になることをお勧めします。◇「妻が初めて、私をヒーローと呼んでくれたんだ」 【ハクリキコ】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-15 00:07:28) (良:2票) |
45.《ネタバレ》 コメディにしかなりようのない題材をシリアスなサスペンスとしてまとめてみせたベン・アフレックの演出は素晴らしかったと思います。前2作でも感じたのですが、この人は空気作りが抜群に巧い。件のサスペンスフルな演出といい、一滴の血も見せずして殺伐とした舞台を作り上げた手腕といい、ベテラン監督以上に小慣れた技を披露しています。さらには、クライマックスにおける滑走路上のカーチェイスではスペクタクルもモノにしており、その内容はかなり充実しています。かつて『パールハーバー』に主演したのと同一人物とは思えないほどの活躍ぶりです。。。 また、脚本もよく練られています。イランでの作戦行動自体はかなり地味なのですが、本国での下準備や決裁ルートでの混乱を丁寧に描くことで、映画全体のボリュームをうまく調整しているのです。その一方で、主人公・トニーの家庭環境や上司との関係など、本筋とは直接関係のない要素には深入りしすぎなかったバランス感覚も見事なものだし、あえてヒーローを作らなかったという地に足のついたキャラ造型も素晴らしいと感じました。感動的なセリフや熱い演説を排除したことにより、必死で職務をこなす役人達の誠実さがより際立っているのです。。。 地味ではあるのですが、欠点らしい欠点のない素晴らしい映画でした。こういう堅実な映画をきちんと評価して最高賞を与えるオスカーは、やはり侮れない賞だと感じました。 【ザ・チャンバラ】さん [ブルーレイ(吹替)] 8点(2013-03-27 22:52:15) (良:2票) |
44.《ネタバレ》 架空の映画スタッフに化けさせるってアイデアは突飛かもしれないけど、これといって奇をてらった演出があるわけではない。 それやのにグイグイ引きこまれてしまった。 緊迫感が半端ない。 どこでロケしてるのか分からないんやけど、1979年のイランの緊張状態と当時のアメリカの細かいところまですごくリアルに表現されていた(イラン革命に関して少し勉強したことがあるのでなおさらそう感じた)。 ラストの離陸は思わず映画館の椅子の端を握り締めてしまった。 社会派ドラマとしても楽しめるし、SF映画好きならちょっとニヤリとしてしまうネタもチラホラ。 日本人には興味ない題材やからそんな人入ってないやろな~と思ってたらほぼ満員でした。 【CBパークビュー】さん [試写会(字幕)] 8点(2012-11-15 19:35:36) (良:2票) |
43.《ネタバレ》 ベン・アフレックは、片手間に監督を兼任する俳優などではなく、もはや一流の映画監督と言っても良いだろう。CIAによる人質救出作戦を題材としているので、これは一種のスパイ映画だと思うが、主人公は一度も銃を撃つことなく、持ち前の知恵と勇気で事態を打開する。〈偽の映画製作をでっち上げ、イラン国内のカナダ大使私邸に匿われている6名の米国大使館員を救出せよ!〉この限りなく不可能に近いミッションは、正直『007』や『ミッション・インポッシブル』『ボーン』シリーズなどよりも遥かにスリリングでエキサイティングだ。作戦前日に突如通告される中止命令、それを無視して救出作戦を決行する主人公(アフレック)。奔走するCIA局員、そしてハリウッドで密かにこの極秘作戦に協力していた二人の〈映画屋〉。空港でのあわやの脱出劇は手に汗握りすぎて思わず身を乗り出すほどだ。これが事実に基づいているというのだから、まさに〈事実は映画より奇なり〉だ。 【フライボーイ】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-11-05 13:45:36) (良:2票) |
42.バカ映画は人を救うか?という人類永遠の命題を描いた作品。と言いたかったけど、ちょっと違うか。この救出作戦のためにデッチ上げられた架空のバカ映画、その架空の製作過程をもっと、微に入り細にわたって描いてくれたらもう、さぞかし感動的なバカ映画になったのではないかと(その場合、あくまでバカ映画、ということになりますが)。 その点、本作はもうちょっと硬派な作りで、しかしクライマックスに向けては「ホントにあった話」とは思えぬ脚色でしっかりハメを外し、大いに盛り上げてくれます。正直、「実話ではココまで盛り上がらないので、ココとココにフィクションを盛ってみよう」という感じの、「盛り上げ要素無理矢理挿入感」とでもいうものが、若干、感じられちゃうのですが。しかし、それでもなお、ハラハラさせてくれるのは、さすが。 ベン・アフレックが、抑えた表情、抑えた演技で、それが主人公の不安なり覚悟なりを感じさせていく。このあたりも、うまいですね。 ラストで、モデルになった実在の人物らしき写真が登場し、どうやら本作の俳優をかなりの程度まで似せているらしいことがわかります。別に、似せたからどうちゅうっことも無いのでしょうが、おかげで、時代感覚みたいなダサい感じがよく出ており、雰囲気作りに貢献しておりました。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-05-16 23:43:38) (良:1票) |
41.《ネタバレ》 実話ベースなだけに結末はわかっているにもかかわらず、ハラハラしながら楽しめました。 大使館占拠の際の過激派の迫りくるスピード感が恐怖感を倍増させ、まずは掴みはオッケーといった感じでした。 終盤も、チケット手配、シュレッダー復元、偽事務所の電話応対…と、間一髪の連続により緊張感を高める仕掛けが絶妙。 背景やファッションを当時の雰囲気に作りこんでいたことも緊張感の高揚に一役買っていました。 6人の中には髪型や髭がわざとらしい登場人物もいて「キャラクター作りすぎだろう」と思ったのですが、エンデンィングで出た実際の写真と比べてみたらソックリ。 これはたいへん失礼しました。 派手なアクションを使わずに、実話をここまでエンターテイメントとして楽しめる作品に仕上げたことは見事だと思います。 【午の若丸】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-04 22:33:40) (良:1票) |
40.実話に基づいているとのことで地味な内容だけど終始緊張感があり、徐々に引き込まれていった。本当にこんなことがあったなんて全く知らなかった。一見の価値あり。 【ぺん】さん [DVD(吹替)] 8点(2013-05-01 12:30:30) (良:1票) |
39.《ネタバレ》 画面から終始緊張感がにじんでいるのにラストが分かっているからか、肩がこらない映画でした。<褒めているつもり。この映画のおかげで、アメリカとイランとの歴史背景も勉強できました。(そりゃ、イラン人はアメリカが嫌いだろうよ)役者としてはショッパイなぁと思っていたベン・アフレックの監督としての才能はなかなか!出演者は地味ですが、アメリカのテレビドラマをよく見る私にはなじみの人がたくさん(笑)でも、この地味さ加減がリアルな雰囲気を醸してててナイスでした。ラストの飛行機を追いかけるシーンがなければ9点でした。 【HIDUKI】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-04-02 22:01:47) (良:1票) |
38.《ネタバレ》 前半は事の歴史も知らない私にとっては、意味が良くわからず途中で鑑賞を挫折しそうになったが、中盤からはとても面白くなり食い入るように鑑賞させて頂きました。 空港でのシーンは特にドキドキさせられ、まくしたてるように語るアラビア語をあえて訳さず、画面のこちら側にも不安さをかき立てる演出なんか素晴らしいと思った。 彼(ベン)の今後が更に楽しみになった作品でした。 【Pea Shan】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-03-29 17:15:51) (良:1票) |
|
37.《ネタバレ》 近年の映画で、ただ単に空港で出国する過程のシークエンスをこれだけ緊迫感をもったシーンに昇華させた例ってないんじゃないかな。ド派手なアクションや設定やCGを用意しなくても、その背景と登場人物が置かれている状況を丁寧に描けば、観客をドキドキさせることができるという、エンタメ映画の教科書のような佳作。もちろん、この映画にはイラン側の視点が欠けていて、アメリカ側の一方的な描き方だという、そういう前提で見るべき映画だと思う。しかし、アメリカ側の一方的な視点のなかでも、イランの人々が時々魅力的に描かれる点も付け加えたい。たとえば、ラストの空港の革命防衛隊の男。もっとも反米的なはずの彼が、映画撮影班だという一隊に最後に隙をみせてしまうところ。映画の絵コンテを興味深そうに見る男たち。もともと、すべての人たちを「公平に」描くことが難しいのであれば、今作のような方法は、ある意味、潔く、だからこそ描けているものもあると思う。ただ、アカデミー賞取っちゃったのは、ある意味、まずかったかも。この映画の潔さが、政治の文脈「のみ」で非難されるのは、ちょっと悲しい。 【ころりさん】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-03-11 06:04:01) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 私の地域では1月からの劇場公開でした。 地味な作品ですのに満席完売で、他の観客の方も驚いていました。 冒頭では、イランの人たちが何に対して怒っているのか分かりやすかったし、それによって私自身はイランの人たちの行動にも共感できました。 もちろん、アメリカ大使館の人たちにも無事であって欲しいと願いました。 ハラハラドキドキが半端なくて、とても面白い。 SF映画大好きな私には、半漁人とかスターウォーズのフィギュアとか小ネタにもにっこり。 ベン・アフレックさん演じるトニー・メンデスが寡黙と言えるほど静かに演じていたのに存在感があって良い。 日本映画の良さにも通じる味わいがあり、日本人には高評価を受けるものだと感じました。 しかしこれが実話だっていうからびっくりですね! 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-01-14 21:25:28) (良:1票) |
35.《ネタバレ》 作戦前日の突如の”作戦中止!”から、翌日、間一髪、脱出成功!スイスエアB747!に至るまで、どこまで現実に沿ってるのやらは知るべくもないが、それにしても、あのギリギリガールズの離陸劇は、あまりにもギリチョン過ぎ、超現実離れしていて、俺は思わず”なんじゃこのクソ、便所溢れっ苦!”と思わず叫び、劇場内禁止令発令中のケリを入れるしまつ。(さすがはアフレック、以前に若気のいたりで、なんとかドンや、パールなんとかに出演されていたのにも、うなずけるというもの。) し、しっしっつ、しかあああしっつ!!(うるさい)何年ぶりだろうか、この緊張感!脱出成功後の747の機内での、”機はイラン領空を出ました、アルコールをどうぞ!”のアナウンスに、本気で拍手しそうになったのは言うまでもない(涙!)。それにしても、うーーん!いまや名匠アフレック、今後も期待してるぜ!!(長髪お髭もス、テ、キ!) DVD化されたら、自宅でウイスキー煽りながら、再びみたい1本。 【男ザンパノ】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-11-01 23:16:28) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 イラン内での描写の緊張感が尋常ではなく手に汗握る二時間でした。ベン・アフレックは俳優から転向したのに素晴らしいですね。役者のアップから他の役者のアップへのパンショットや小道具を執拗に追うカメラワークは「ボーンシリーズ」のポール・グリーングラス監督の様で実に臨場感があります。その忙しなく緊張感溢れるシーンの合間にハリウッド映画界の皮肉をコミカルに描く辺りのバランス感覚もとても良かったです。役者では相変わらず棘のある爺さんをやらせると最高のパフォーマンスを見せるアラン・アーキンが大物プロデューサーを熱演。もう少し主人公が上官の命令に背き独断で作戦を実行するに至る描写や、カナダ人に扮する為に試行錯誤する描写などを加えてほしい気もしましたが、緊張感を持続させ得る上映時間としては本作の二時間程度がベストなのでしょうね。 【民朗】さん [映画館(字幕)] 8点(2012-11-01 00:20:17) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 実話モノのエンターテイメントとしてはアメリカン・ハッスルよりこちらの方が完成度が高いかな(個人的にはあちらも好きだけど)。というかかなり優等生的で手堅すぎる。ただ、テーマと表現・演出方法は合致しているので文句を言う筋合いではない。うまいと思わせるのは偽映画の製作班たちとのエピソード。特にアカデミーにノミネートされたアラン・アーキンの描き方がこの映画に深みを与えている。単なる海千山千の映画人として描かず、家庭生活の悔恨などをベン・アフレックと語らせながら、ごり押しのプロデューサーっぶりもしっかりと見せる。終盤の空港からの脱出劇のハラハラさせ方は模範的ともいえる。CIA側からハリウッド側からと多元的に描写するところも心憎い。作戦終了後のアメリカでベン・アフレックに電話で「アルゴ、くそくらえ!」とアラン・アーキンが吠えるシーンがなんか好き。 【エリア加算】さん [地上波(字幕)] 8点(2020-08-25 19:41:56) |
32.《ネタバレ》 ハラハラドキドキ、特に映画のロケハンとかすごい設定だ。途中で計画が中止にされるなど本当にそんなことがあったのかと思う。どこまで事実なんだかわからんがとにかく楽しめた。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2019-06-25 16:18:49) |
31.《ネタバレ》 面白い映画だと思う。トランプ頑張れ イランはいらん。そんな気にさせる。中東の混迷が(アメリカ)ですが ここから始まる。 【ガリペロ】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-11-09 21:45:32) |
30.切迫した状況が常に、それもメリハリの効いた描かれ方がなされ、 緊張感が物凄い。 映画のロケハンです、だなんて大使館人質立て籠りの状況でそんなのあり得るか? と思いつつ、ありえない状況を映画にしてきた歴史があっての大演出ですね。 救出に回った側、される側、ともに極限状況で 「演じなければいけない」ことを強要され、 とにもかくにも成功させた。 空港での絵コンテのシーンで心が解かれたのが、 疑う側も、「疑わしきは罰せよ」を超えて こんな映画をつくるのか楽しみだな、という表情になったこと。 バカバカしさや有り得なさを常々追求していたことが吉と出た、 逆羊飼い物語といっても良いかもしれない。 【元祖】さん [インターネット(字幕)] 8点(2018-04-11 23:01:08) |
29.《ネタバレ》 ホワイトハウスからの作戦中止命令を無視しての脱出決行、スイス航空での危機一髪の離陸シーン、ホントかよと思ったけどやっぱり脚色。緊張感を満喫できたので目を瞑ります。 【ProPace】さん [CS・衛星(吹替)] 8点(2017-03-20 15:41:19) |
28.《ネタバレ》 ところどころ事実と異なるところはあるそうですが、本当にこのような作戦が行われていたというのにはただただ驚き。ニセ映画というユルさと現場の張り詰めた緊張感とのコントラストが良い感じです。映画後半、主人公がイラン入りしてからは、のめり込んで観入ってしまいました。救出前後のやりとりやイラン兵の動きなどは、アメリカのドラマのHomelandにも似たような雰囲気のシーンがあったように思います。やはり中東とアメリカとの関係は(映画の中でですが)、今も昔も変わっていないのかな。 【まいった】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-10-10 02:16:36) |