6.《ネタバレ》 小学6年生の娘と観に行った、「子供に見せたい映画」という評判を聞いたからだ。ウチの子はどんな感想を抱くのだろうか、素直に「面白かった」なのか「感動した」とか「映像がキレイ」など言うのだろうか、「海に出るまで長いよ」なんてツッコミもあるのか、ひょっとしたら宗教的なことに触れて親父をビックリさせてくれるのだろうか、、、まさか「人食いコック」の話に気が付いて、、。映画が終わるや否や感想を聞いてみると「あのトラは本物なの?ウソものだよね、本物かなぁ」とそればっか質問してくる。「映画の感想は?」と言っても「あのトラが本物だったら怖いなぁ、というのが感想かな」、、、あまりにもガッカリとした感想だったので「トラは本物です」と答えてしまった。子供に見せたい映画と子供が感動する映画は違うということが分かった。 【かのっさ】さん [映画館(吹替)] 8点(2013-02-12 20:09:51) (良:1票)(笑:2票) |
5.「作者の意図を十分理解してください」みたいな隠喩的な映画に見えますが、宗教観は別として、極限状態での生存本能や食糧確保の倫理観は伝わってきます。船上で4頭の動物が絡む所や主人公とベンガルトラの駆け引きに引き込まれますが、喩えの中身より映像から溢れだす緊迫感に圧倒されます。きれいでリアルなCGの迫力は3Dでなくても見事でした。 【ProPace】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-02-14 02:39:50) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 終盤に「え?」と思わされ、その意味を一晩かけて考えさせられた久々の深遠なる作品だった。そうか虎はパイが生きるため、神と折り合うために創造した殺人と肉食の象徴だったのか。「リチャード・パーカーがいなかったら、生きられなかった」とトラの存在を全肯定しつつ、他方で神の出現に怯えるトラはつまり彼本来の菜食主義に反する現在の食事情や、人を殺めたことへの罰を怖れているということ。苛酷な試練に引き裂かれそうな心のあわいで、パイは叫ぶ。「神よ、なぜトラを怯えさせるのですか」サバイバルと信仰のはざまで、ぎりぎりのところにいた嵐の時のパイ。そこに現われたのが夜間食肉の浮島、神がパイに与えた恩寵。この島が“本当の話”では何に当たるのか、私の想像は及ばなくて残念だ。 予告を見たときは、自分も周囲も「トラと漂流?そんなばかな」程度のリアクションだった。浅瀬と思って踏み入れたら思いがけず深くてとても驚いた。 幻想的で優美な映像は息を呑むほどで、映画感のスクリーンで観なかったことがとても悔やまれる。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-08-07 00:06:21) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 ファミリー向けアドベンチャーものかと思っていたら、最後でひっくり返された。 虎との同舟、ミーアキャットの大群、夜になると水が酸性に変り動物を溶かしてしまう食人島――。 だんだんとリアリティが怪しくなり、途中でこのおじさん(主人公)話を相当盛ってるなと感じてはいたが、まさかそういうオチだったとは。 最初の疑問は、シートの下には虎もいたはずなのにハイエナが生きていたのはどうしてだろうということだったが、深く考えずに物語世界に入っていた。 見終わると、引っかかっていた疑問もああそうだったのかと腑に落ちる。
虎との漂流話で映像美とその迫力に圧倒され、それが主人公の創作だったことにはある意味拍子抜け。 突然提示された二つ目の物語に混乱し、なかなか整理がつかない。 でも、終わった後に物語に隠されていた意味を考え始める。 そして、もう一度見ていろいろ確認したくなる。 隠喩の多い映画は映像と理解にタイムラグが出るので好みではないのだが。 どんでん返しも咀嚼するのに時間がかかる。 最初は夢オチと同じような肩透かし感があったけど、哲学的、宗教的な意味もあって思ったより深かった。
すごい→何じゃこりゃ?→やっぱりすごいかも、と不思議な鑑賞体験。 人間は心の中に虎を飼う――中島敦の「山月記」がふと浮かんだ。 アン・リー監督の他の作品も幾つか見たが、なんだか印象に残る作品を撮る監督だ。 【飛鳥】さん [DVD(吹替)] 8点(2014-08-02 14:24:33) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 原作は未読であるが、理想をいえば先に原作を読み、そのイマジネーションの映像化を本作で楽しむのが適している作品といえるだろう。ご他聞にもれず、私も単純に「トラと漂流した少年の物語」と思いきや、最終盤でもう一つの物語が提示されて終わるという、なかなか憎らしい構成に鑑賞後は頭が少し混乱した。映画を見慣れている人ほど展開の意外さやテーマの深さ、また観たくなる内容であるゆえに高評価となりやすい作品ともいえる。一方で神や信仰に疎い日本人には感覚的に理解しづらい内容なため、作品の意図がどこまで理解できたか正直良くわからない。そもそも考えさせる事自体が目的なら既に達成されてるかもしれないが…。海難事故で家族を失い、太平洋を漂流してしまうという極めて特異な体験を通じて自分自身と神を再発見した物語と一応は理解してみたものの、それによって自身の考え方に変化を生じさせるところまではいかなかったのも事実。とはいえ、貨物船の難破から漂流、精密なCG技術による動物の生き生きとした動き、そしてファンタジックな自然の描写など、映像的には特筆すべき点が多い作品であり、秀作であることは間違いない。 【田吾作】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-01-12 15:16:11) (良:1票) |
1.映像は、自分が海に浮かんでいる感じがするほど美しく、怖かった。 そしてまさかこんなに深いストーリーだとは・・・ あの副題では、想像もつかなかった・・・。 しばらく余韻が引きずります。。。 【カルーア】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2013-06-09 20:58:36) (良:1票) |