1.《ネタバレ》 つきまとい、つきまとわれ、顔を接さんばかりに寄せ合い、問答する登場人物たち。
スタンダードサイズの画面の中、歪曲のエフェクトと共に
その過剰なまでに詰まった人物間の距離が息詰まるような緊迫感を醸す。
猥雑かつ殺伐としたイメージ群の中、
マルガレーテ(イゾルダ・ディシャウク)の清楚さが文字通り輝く。
教会内のシーンの厳かな光。
ファウスト(ヨハネス・ツァイラー)に真相を問わんとする彼女の
複雑で繊細な表情を包む光芒。そして雷光が劇的だ。
湖畔に一人佇む彼女がファウストを振り返る、その一瞬の表情の印象深さ。
そのまま二人がグリーンの湖中へと沈んでゆく、その静かな波紋の広がりの清冽。
ラストの峻厳なロケーションもまた素晴らしい。