4.《ネタバレ》 うわー、こんなに”シュールの完成度”が高い映画がこの時代に作られていたとは。内包する悪意が、展開が進むにつれじわーと滲み出てきて、ちょっと中毒になりそうである。観た後引きずる引きずる。
町山氏の解説どおり、バート・ランカスターの撮り方が前半と後半では全く違う。輝くような若々しい肉体美がしょぼくれた中年の姿になってしまうとは一体どういうカメラマジックだろうか。
しょてからしまいまで海パン一枚のおっさんが人ん家のプールを泳ぎ継ぎながら自宅へと向かうお話。こんなわけのわかんないあらすじを聞かされたときは中身についての予測は一切不可能でしたね。
今でいう”セレブ”たちの空騒ぎへの冷たい視線、一人の男の破綻した人生をこんな風に描くとは、この監督よほどの変人か空前絶後の天才か。いずれにしろあっぱれ。忘却不可のカルトムービーですな。