2.前半は、敵味方関係なく負傷者を匿う誠実な医師であった主人公が、最愛の妻子をドイツ軍に殺されたことで冷血な復讐の鬼と化すというギャップが凄まじい。
いくら散弾銃を手にしたところで、小太りで丸メガネの男が鍛え抜かれた十数名のドイツ兵相手にどう戦うのかと思ったが、ドイツ兵が占拠した城は、彼の生まれ育った場所。
村に通じる橋げたを外し、地下通路や隠し扉や抜け道、知りぬいた城の隅々を利用して敵を一人ずつ倒していく。
そうしてドイツ軍を追い詰めていく中、城のそこここが妻や娘との思い出に繋がり、彼はその追想と共に闘う。
この追想シーンのロミー・シュナイダーが、大変魅惑的で美しく、戦闘シーンの凄惨さが強調される。
深く印象に残る秀作。