少女は自転車にのってのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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少女は自転車にのって

[ショウジョハジテンシャニノッテ]
WADJDA
2012年サウジアラビア上映時間:97分
平均点:7.00 / 10(Review 9人) (点数分布表示)
公開終了日(2014-04-30)
ドラマ
新規登録(2014-03-13)【民朗】さん
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監督ハイファ・アル=マンスール
キャストワアド・ムハンマド(女優)ワジダ
リーム・アブドゥラ(女優)
脚本ハイファ・アル=マンスール
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5.《ネタバレ》 非常に優れたキッズ映画であり、女性映画。ある物(本作の場合は自転車)が欲しくて頑張る子どもの姿を描いた傑作は『運動靴と赤い金魚』など多々ありますが、本作の場合はその"自転車"に強い意味が込められており、近所で売られているちっぽけな一台の自転車に乗り少女・ワジダが駆けるシーンに爽快なカタルシスを感じられる作りになっていた思います。
サウジアラビアでは近年ではやっとこさ変わりつつあるとは言え、女性は車を運転出来ません(それだけの能力が女には欠如していると見なされている)。そんな環境の中でワジダは自転車に乗って、友達の少年と競争したいが為にあらゆる努力を尽くし、自転車に乗ろうとする。自転車に乗るワジダは見てわかるとおり女性解放のメタファーです。その対比として随所で女性の権利が失われているサウジアラビアの現状を映し出す。年頃になるとヒジャブ(体をスッポリと隠す真っ黒なスカーフ)の着用を強要され、結婚相手以外の男性に肌を見せてはならず、既婚女性は旦那を喜ばせることが至上命令であるかの様に振舞わなければならず、世継ぎを産めない体になるとお払い箱。そんな現状を淡々と描いてきた後に、ワジダが自転車に乗って駆ける姿がなんと爽快感に溢れていることか。
同時にこれからのサウジアラビアの女性の行く末も暗示させる。自転車に乗ったワジダは力強くペダルをこぐ。辿りついた先は大通り。車が猛スピードで行き交う。そこでワジダは立ち止まるがその目線は確りと前を見つめている。目線の先は暖かい光で満たされている。
今後、サウジアラビアの女性にはまだまだ困難が降りかかるでしょう。パキスタンで暗殺されかけた女性運動家、マララ・ユスフザイさんの例を取っても、イスラム教圏で長く続いてきた男性優位社会はまだ根深く息づいている。それでもワジダは自転車に乗って前を向く。その姿には茫とした不安も感じるが、それを上回る希望が見い出せる。全ての女性に贈りたい良作です。
民朗さん [映画館(字幕)] 8点(2014-03-16 12:02:41)(良:1票)
4.初めてのサウジアラビアの映画。
それだけでもう社会的に意義のある作品なんだけど
女性監督がとるリアルな状況がとてもよく、
アメリカやヨーロッパなどの先進国に観光旅行にいくよりも
ずっと世界を知ることができる良質な映画。
aimihcimuimさん [DVD(字幕)] 8点(2018-03-25 20:59:27)
3.ドイツとの合作ではあるのですが、初めて見たサウジアラビアの映画。
今でも女性の人権がイスラムの戒律の元に著しく制限されているこの国にあって、
サウジアラビアの女性監督がサウジアラビアに生きる女性たちを主人公とした女性映画です。
本作が製作された2012年のロンドンオリンピック。
それまでのオリンピックでは男性の選手しか派遣してこなかったこの国が、
初めて女性の選手をオリンピックに派遣したことがニュースとなりました。
そしてこの国の初の女性映画監督によって女性にスポットを当てた映画が撮られました。
少しずつではありますが、サウジアラビアの社会にも変化が起きようとしているのでしょう。
自転車で街を行く少女の力強い姿と、
車がひっきりなしに行き交う幹線道路を前に自転車を漕ぐ足を止めるラストの姿が印象的です。
未来への確かな希望を感じさせつつも、そのゆく手にはまだまだ多くの障害があるであろうことも感じさせます。
サウジアラビアには映画館が無いという。サウジアラビアの人々が本作を見る機会は無いのかもしれませんが、
主人公の少女を通して世界の人々にサウジアラビアの今とこれからを見ていて欲しい。監督のそんな思いを感じました。
とらやさん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-08-31 20:47:14)
2.《ネタバレ》 少女が自転車に乗りたがっているというほのぼのホームドラマの体をとっていながら、実は至る所に皮肉と反骨がちりばめられている。一番のポイントは、コーラン暗唱コンクールで優勝し、校長からも賞賛されるほどの「勉強」をしていながら、少女の内面は実は何も変化していないということ(禁止されたはずのスニーカーをはき続けているのがその象徴)。つまり、「形だけで物事を強制し、それで事足れりとすることなど、何の意味もない」というメッセージなのだ、これは。●その中で、いったんは視界から消え去り、その後母の手を介して戻ってくる自転車は、希望や意志の象徴として確実に機能している。何よりも、最初に塀の上を走っている(ように見える)ショットの、鮮烈なインパクト。これと対比されるのが、仮設的に設置されて用が終われば撤収される照明設備であり、まさにハリボテで形だけのものとしての象徴。その中で選挙運動が行われる(つまり社会の物事が決まっていく)というのが、これまた強力な皮肉。●ラスト、二人で自転車で去っていくのかと思ったら、途中からは少年はフレームアウトしてしまいます。いくら純朴に求婚をしたとしても、違う部族の彼と結ばれることはありません、という暗示。その先に待ち受けるのは、それまで見たこともないような激しい交通網。それでも前を向いて微笑む少女のアップ。これ以外にはないフィニッシュ。●制作の社会的背景がどうのこうのという前置きを抜きにして、創造の動機と表現の手法、そして芸術としての完成度という点において、すでに優れている映画です。
Oliasさん [映画館(字幕)] 8点(2015-04-10 23:59:35)
1.《ネタバレ》 女性に厳しい社会。外へ出るときはスカーフを着用しなければならないし、男が見ている所で遊んではならない、歌も歌ってはならないし、自転車に乗るなんてもっての外。
そんな背景の中にあって、この映画の主人公ワジダはなんて強い少女なんだろうと思った。少年と自転車で競争するという約束をした為、なんとか自転車を手に入れようとミサンガを作って売ったりするが目的までは程遠い。しかし、少女は諦めない。例え、親に反対されようとその意思は曲げない。この国で女性が映画を撮るなんて容易では無いことだろう。きっとこの女性監督もワジダのように意思の固い人物なのではないか。だからこそ不可能を可能に出来たんだと思う。
ワジダは最後、自転車で駆けて行く。自転車をこいでいる間は彼女は何処までも自由だ。勿論男なんかにゃ負けない。当然だ。
なんとも清々しく、希望に溢れたラストだった。
ヴレアさん [DVD(字幕)] 8点(2014-10-23 18:24:17)
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【点数情報】

Review人数 9人
平均点数 7.00点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
4111.11%
500.00%
6222.22%
7111.11%
8555.56%
900.00%
1000.00%

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