1.《ネタバレ》 インドネシアであった大量虐殺の加害者に、当時のことを再現しながら演じてもらうというドキュメンタリー。今まであまり大っぴらにされていなかった歴史的事実にこういった形で切り込むというのはそれだけでも意義があり、興味深い。
撮影を続けるうちに、最初のうちは純粋にノリノリだった加害者アンワル・コンゴ達に、変化が起こっていく。暴動のシーンや、悪夢のシーンで、加害者がふと放心したような顔をしたりするところを捉えているので、その度にハっとさせられる。
終盤の拷問シーンに至っては、いままで自分には罪の意識なんかないと豪語していた男が恐怖に怯え、
身体に異常をきたす。そして彼は涙ながらに・・・って、どうもできすぎに感じてしまう。
カメラを回していないところで、演技指導もしくは何らかの誘導があったのではなかろうか。
そこで唐突に終ってしまうので、「大量殺人者である彼らも人間である」という結論ありきの作品だったようにも見えてしまった。
遊び半分で残酷なシーンを演じる前半の彼らには嘘くささはなく、心底ゾっとさせられた。エンドロールに並ぶ、Anonymous(匿名)の多さには脅かされた。