3.《ネタバレ》 頻繁に見る機会が無いインド映画ですが、インド映画やインドを舞台にした映画を見ると、
かなりの確率でこの人が出ている。本作の主演のイルファン・カーンです。
抑揚の無い、感情の起伏を表に出さない演技。でも、確かに感情の起伏を感じる。
さて、お話の方は冒頭から謎の展開。何だ?この弁当配達は・・・?
しかし、インドの都会で暮す人々の生活様式の一端が垣間見えて面白かった。
声だけの登場人物である「おばさん」の存在もいいアクセントになっています。
夫との仲が冷え込んでいる若い人妻。夫の元に配達されるはずの弁当が間違いで
イルファン・カーン演じる、妻に先立たれた退職間近の男の元に届いてしまう。
「全部食べてくれてありがとう」「おいしかったよ」
最初は弁当に簡単なメッセージを入れる程度だったのが、少しずつ互いの事情に話が踏み込んでいく。
もどかしくもあるのですが、この少しずつのテンポが実にいい。
やがて2人は会う約束をするのですが、男の方が身を引いてしまう。
これで終わりかと思いきや、もう1つ最後の展開が用意されています。
解釈は観る人それぞれ。こういうラストの映画も好きだったりします。