2.《ネタバレ》 モノトーンの映像で綴られるオープニングが、秀逸な音楽と併せて印象深い。
青春群像劇の様相が強かったバンド・オブ・ブラザースに対し、本作は主人公3名の独白をそのままドラマにした様な作品。
戦いの舞台が「地獄の戦場」として今尚語り継がれる南方戦線であり、敵は日本兵だ。
仕方の無い事だが、やはり見ているこちらもどうしても気が滅入ってくる。
しかしながら、本作ではバンド・オブ・ブラザースに唯一欠けていたと思える女性陣の取り扱いが鮮烈で、そこが印象的だ。
主人公の一人、ロバート・レッキーがメルボルンで出会う女性しかり、ご近所の女性ヴェラさんしかり。
あんな酷い戦争を実際に経験したのだ、帰還してから食事の前にお祈りをせず一途にヴェラさんを見つめてしまうのも痛い位に共感出来る。
つくづく、戦争などしてはいけないと言う思いを強くした次第。
追伸
ジョン・バジロンの奥様は、伴侶の戦死を知って以降も生涯独身を貫いたそうだ。これもまた泣ける話である。