1.《ネタバレ》 部室の窓際が映画のメイン舞台である。
タイトルバックでは画面左手の窓枠に座る志尊淳と、それを画面右手下から見上げる芳根京子の構図が
中盤から少しづつその位置関係を変化させ、ラストでそれを逆転させる。
乗り越えられる窓、揺れるカーテンと風鈴、逆光気味の白バックなどがここで活かされる。
序盤はファンタジック調の浮つき気味にみえる画面に不安が募るが、春から冬への季節の進行と恋愛ドラマの起伏に伴って
寒色系も織り交ぜた、しっとりした画面に変化していくのがいい。
背景の電車の進行方向も、手前の人物の感情に同調させる細やかさも見事だ。
外光を綺麗に反射させた学校の廊下、白い雲と空のショットなども丁寧に撮られている。
そして、ヒロイン芳根の天真爛漫な表情が魅力的だ。