3.《ネタバレ》 岩井俊二作品に漂う空気感は健在で気持ちよいが、少し長いのがネック。
必然性のある長さならいいのだけれども…少なくとも物語としては3時間も必要ない。
まぁ、この人の空気を表現しようとしたら長くなるのは仕方がないか。
当て書きだと思われるキャスト・脚本の一致が良かった。
ぼーっとしていて世間知らずで主体性のない主人公に黒木華。
心が壊れているのか、人の痛みより自らの利益を優先してそれに罪悪感を感じない男に綾野剛。
恵まれない家庭で育ち、自分を大事にすることができない女性にcocco…と、キャストのイメージに近い役柄。
雰囲気を味わう作品であって、物語として大きなテーマはない(ように感じる)が、私が感じたのは
「みんな自分の価値観でしか物事を見ていないんだなー」ということ。
自分に不利になるようなことをした相手だと知らないまま、主人公が綾野剛演じる男に感謝を表現するシーンが
印象的だった。
劇場ならまだしも、DVDで3時間集中するのは難しいので、劇場で見たかったなーと思う。(そもそも公開されていない地域