1.予告編からひしひしと伝わってくる愛すべき“B級感”から、「劇場鑑賞すべき」という嗅覚は利いていたのだけれど、結局見逃してしまったことを只々後悔。
90年代からの災害パニックムービー(ディザスター映画)ファンとして断言できるが、これは良い災害パニックムービーだ。
作り手は、この手のジャンル映画の何たるかをよく分かっている。と、思えば、監督はディーン・デヴリンか。
90年代にローランド・エメリッヒ監督とのコンビで、「インデペンデンス・デイ」「GODZILLA」を生み出したこの映画人であれば、今作の良い意味で馬鹿馬鹿しくて大仰な災害パニックの構築は激しく納得できる。
また、エド・ハリス、アンディ・ガルシアら90年代に活躍したスター俳優のキャスティングもツボを心得ている。
そして主演のジェラルド・バトラーが異常気象並みの熱波を発しつつ、剛健な主人公像を体現している。
ムンバイでの大寒波に始まり、地震、火山噴火、巨大竜巻、巨大雹害、雷災害、巨大津波、と世界中のあらゆる都市で、通常は気候的に起こりえない大災害のオンパレード。それはまさに、“天変地異”のオールスター映画である。
その一つ一つの災害シーンを決して手を緩めることなく、とことん大袈裟に、とことん絶望的に映し出してくれる。
その様を見ているだけで災害映画として満足するしかなく、更にはそこにアメリカ政府の陰謀論と、宇宙空間からの絶体絶命のサバイバル劇まで、ストーリーの具材を盛りに盛ってくる。
いやあ、これは頭を空っぽにして、映画館の大スクリーンで鑑賞すべきだったとつくづく思う。