9.《ネタバレ》 タイトルと宣伝ビジュアルから、まあ寅さんのような泣き笑い映画だろうと思って鑑賞。
最初は思った通りの展開で進んでいたが、途中からどんどんドキュメンタリータッチに。そして光州事件が本格的に描かれ始めたものだからこりゃ驚いた。すっかり引き込まれ目が離せなくなり、寝る間も惜しんで鑑賞。
コメディから涙へではなく、コメディからシリアスへという展開は初めての経験。
原作や監督が途中から代わったのかと思うようなハイブリッドで不思議な感覚が良い。
それだけに最後のタクシー集結はありふれたフィクションに戻され、興ざめだったのはちょっと残念。
この映画の呼びかけでタクシー運転手が誰かわかり、(さらに興ざめかもしれないが)実は貧乏人ではなく社長で、英語にも堪能、政治への関心も強かった、という後日談があるが、そのへんわからなかったから想像たくましく描けただろうことは、かえって良かったかもしれない。