2.この監督が描きだす世界はかなり好き。派手な色彩、チカチカキラキラと飾り立ててカモフラージュしてはいるものの、その陰には結構不器用に生きているフツーの人間の姿があったりして。バズ・ラーマンってどの作品でも電飾の使い方がうまいなぁと思うのだけど、享楽と俗っぽさとともに、夜が明けたとき、心が浮かれ立つ喧噪が終わったときに味わうもの悲しさまで感じられてしまう。この作品では、屋上でコ○・コーラの鮮やかなネオン・サインをバックにダンスのレッスンをする二人のシーンがとてもキレイで印象的。この後に続く彼の作品に比べたらこの映画は平凡な人間の生活感が一番あらわれているし、制作費もきっと比べものにならないくらいに低いのだろうけど、誰でも目にしたことのあるあのコーラの赤いネオン・サインが、それはそれは夢のようにロマンチックに輝いていたのでした。