エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのシネマレビュー、評価、クチコミ、感想です。

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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス

[エブリシングエブリウェアオールアットワンス]
Everything Everywhere All at Once
2022年上映時間:140分
平均点:5.63 / 10(Review 41人) (点数分布表示)
公開開始日(2023-03-03)
公開終了日(2023-09-06)
アクションSFコメディアドベンチャーファンタジーカンフー
新規登録(2022-12-20)【Cinecdocke】さん
タイトル情報更新(2023-06-26)【M・R・サイケデリコン】さん
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監督ダニエル・シャイナート
ダニエル・クワン
キャストミシェル・ヨー(女優)エヴリン・ワン・クワン
キー・ホイ・クァン(男優)ウェイモンド・ワン
ステファニー・スー(女優)ジョイ・ワン/ジョブ・トゥパキ
ジェームズ・ホン(男優)ゴン・ゴン
ジェイミー・リー・カーティス(女優)ディアドラ・ボーベアドラ
ジェニー・スレイト(女優)デビー・ザ・ドッグ・マム (デジタルリリース時)/ ビッグ・ノーズ(劇場公開時)
ダニエル・シャイナート(男優)
塩田朋子エヴリン・ワン・クワン(日本語吹き替え版)
水島裕ウェイモンド・ワン(日本語吹き替え版)
種﨑敦美ジョイ・ワン/ジョブ・トゥパキ(日本語吹き替え版)
佐々木睦ゴン・ゴン(日本語吹き替え版)
幸田直子ディアドラ・ボーベアドラ(日本語吹き替え版)
武内駿輔チャド(日本語吹き替え版)
脚本ダニエル・シャイナート
ダニエル・クワン
作詞広瀬香美日本版イメージソング「プレミアムワールド」
作曲フェリックス・メンデルスゾーン”Midsummer Night's Dream, Op. 61 (Wedding March)”
クロード・ドビュッシー"Clair de Lune (Pied au Piano)"
広瀬香美日本版イメージソング「プレミアムワールド」
主題歌広瀬香美日本版イメージソング「プレミアムワールド」
製作ダニエル・シャイナート
ジョー・ルッソ〔監督〕
アンソニー・ルッソ〔監督〕
ダニエル・クワン
製作総指揮ミシェル・ヨー
配給ギャガ
あらすじ
破産寸前のコインランドリー店を営む中国系アメリカ人のエヴリン(ミシェル・ヨー)は、頼りない夫のウェイモンド(キー・ホイ・クァン)、同性の恋人を持つ娘のジョイ(ステファニー・スー)、かつて絶縁し今や介護対象の父親のゴン・ゴン(ジェームズ・ホン)との関係に問題を抱えていた。さらに国税庁の監査官・ディアドラ(ジェイミー・リー・カーティス)からの厳しい追及に思考回路がショート寸前の中、夫・ウェイモンドの様子が急変。夫からマルチバース(並行世界)に蔓延る悪と戦えと告げられるが…。怪作『スイス・アーミー・マン』の新進気鋭の監督コンビ×A24が放つ、超絶カオスで奇想天外なマルチバース・アクション・コメディ!
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
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1
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5.《ネタバレ》 アカデミー賞授賞式当日(平日)午前に映画館で鑑賞。観客はシネコンの小さめスクリーンに20名程度。高齢者多めだが、高校生くらいの男子グループも。自分も評判は聞いていたのですが、基本的には「中国系女性が主人公」「マルチバースらしい」「カンフー映画らしい」程度の予備知識で鑑賞。結果、大半のシーンに驚き、困惑し、呆れるばかり。でも終わってみたら、しっかりした家族の物語で、年頃の娘がいる自分としては感涙必至の大傑作でした。

『クレイジー・リッチ・エイジアンズ』のときもそうでしたが、とっ散らかった作風でも家族の軸を中心に置くと一気に普遍性を獲得してしまうのがアメリカ映画のすごいところです。本作の見所は、中国系移民家族三世代のギャップ。とくに出色は主人公の娘ジョイが抱える「虚無」の表現。「何でもできる」「何にでもなれる」と言われ続ける現代の子どもたちが、だからこそ直面する現実との折り合いの難しさ。ジョイが最も絶望した瞬間が、自分を「理解している」風の態度を見せる母親エヴリンが放った一言だったのにも納得。そんな彼女の「虚無」にどう向き合うのか。その問いに、エヴリン自身が持っていたはずの無限の可能性をマルチバースとして描き、カンフーで戦うハチャメチャなアクションで答える。最後の落とし所は、たぶん「解決」ではない。でも「虚無」に向きあうための勇気を、そこに感じることはできたからこそ、多くのアメリカの観客はこれを受け止め、大ヒットにつながったのでしょう。私もマルチバース構造と本作のメッセージを完全に理解したとはいえませんが、その勇気を受け取ったと感じたことは確かです。でも、それで正解なのかなと思います。だって、ザ・ダニエルズの監督2人もまた「家族なるもの」と「虚無」と戦ってて、本作が描いたのは、その「答え」じゃくて「戦うこと」のほうだったと思うからです。だから、あのパーティの翌日、やっぱりこの家族は、結局は夫婦の不和をかかえ、親との関係に悩み、娘の変貌に戸惑ってるんだろうなと思います。

ところで、本作を「ポリコレ作品」と見る動きもあるようですが、基本的に不謹慎ギャグの連続で、どっちかといえば「正しくない」描写に溢れた一作です。そして「正しい答え」を期待してはいけない一作でもあります。まあ、移民家族の葛藤とか不和を描いたと作品なんて、あの『ゴッドファーザー』をはじめ、アメリカ映画ど真ん中じゃないですか。それを「アジア系だから評価されてる」みたいな風にみちゃうの残念だなあと思ってしまいます。むしろ、ど真ん中のテーマを堂々と描いてることが評価されてるんですよ。下ネタいっぱい詰め込みながら。

映画が終わって劇場をでたら、アカデミー賞作品賞取ってました。その後見た授賞式の動画で、実はキャストたちが語る「アメリカン・ドリーム」に感動しつつも、私はこれでまた「何にでもなれる/なんでもできる」と言われて「虚無」に陥る子どもが増えるんじゃないかとちょっと心配になりました。日本でも、これで多くの人が劇場に足を運び、驚き、戸惑い、呆れることでしょう。でも、そのなかで1人でも多く、この作品が描いたものから勇気を受け取った人がいれば、それはこの映画の勝利なんだと思います。
ころりさんさん [映画館(字幕)] 8点(2023-03-19 09:19:07)(良:2票)
4.《ネタバレ》 何でも、どこでも、いっぺんに。

本題を象徴するが如く、
マルチバース(並行世界の一種)に、下ネタ込みのナンセンスギャグに、カンフーアクションと、
おおよそオスカー好みとは対極の要素ばかりで数年前なら候補にすらならなかっただろう。

圧倒的情報量のカオス状態でそれでも空中分解しなかったのは、
現実パートを担保にしていることが大きい(これが正しい世界線とは限らないが)。
つまり、国税庁で暴れ回る世界線はエヴリンのギリギリの精神状態を表した妄想で、
アルファ世界線もアクションスター世界線も盲目のシンガー世界線もそれに付随していく。
「こんなはずではなかった、こんな未来もあったのでは」という人生の問いかけ。

反対にマルチバースで多くのエヴリンを殺し続けている娘ジョイは、
自分らしく生きることを認められていないようで希死念慮に近い虚無感を抱えている。
エヴリンは頭に溜まったキャッシュを吐き出すように倒れ、現実では店の窓を壊す。
そこからバラバラになりかけた夫と娘と父との関係を見つめ直していく。
どんな自分だって、どんな愛しい相手だって、どんな人生だって肯定していく。

スケールが大きいようでどこかこじんまりしている辺り、
どこにも飛び出せない社会の閉塞感を表しているようだ。
袋小路に迷い込んだ人には響くかもしれない。

アカデミー賞の前哨戦で圧倒しているが非常に奇妙な作風で確実に観る人を選ぶ。
SF映画が一度も作品賞を取れていない現状なので今年も無理だと思うし、受賞が想像できない。

【3/13追記】
なんと作品賞をはじめ、主要部門を総なめしてしまった。
アカデミー賞効果で多くの観客が詰め掛けるが大炎上は必須だろう。
ただ、あまりの突き抜け加減からカルトムービーとして記憶に残るのは間違いない。
Cinecdockeさん [映画館(字幕)] 8点(2023-03-03 22:58:56)(良:2票)
3.《ネタバレ》 面白かったー!よくこんな映画作ったな。しかし観てる間中「これはいったいなんなんだ」という思いが消えない。そして観終わった後もやはり消えない。なんでこんな映画がアカデミー作品賞なんだ。フルチンでカンフーバトルやる映画だぞ(笑)。

めっちゃくちゃな話をぐいぐい引っ張って観客を巻き込むテンポ感と見栄えのする映像で見せる構成は大したものだが、その中で俳優の演技がリアリティを与えている。登場人物は突然人格が入れ替わる役が多いのだが、特にキー・ホイ・クワンは一言もしゃべる前から「あ、今あっちの人になった」というのがはっきりとわかる。ジェイミー・リー・カーティスの極端な変化も凄い。この映画の成功は役者に多くを負っているのは間違いない。

ところで誰しも「あの時ああしていれば今ごろはどうなってたか」と考えるものらしいが、自分はそういうのがあまりない。だからこそこの映画のバースジャンプ、とんでもなくばかげたことをやらないと次元を移動できないという設定は腑に落ちるところがある。順調にいっている仕事を辞めたりいい歳して別の分野を学び始めるのは外から見れば狂った行動だ。実はそんなリアリティにあふれた作品なのかもしれない。
tubirdさん [映画館(字幕)] 8点(2023-03-28 20:59:53)(良:1票)
2.《ネタバレ》 根幹のテーマは誰にとっても普遍的な、ごくありふれた、それでも当事者に取っては至極深刻なもの。
それなのに、何ですかこの前衛的な描き方は(褒めている)。
Sense of Wonder, This is the Imagination!
映像芸術ここに有り。 傑作です。

余談
・個人的には指ソーセージ+オペラのシーンが一番好きです。
・石のシーンで劇場に居られた外国籍の一行が大爆笑してました。
たくわんさん [映画館(字幕)] 8点(2023-03-08 10:47:55)
1.ミシェル・ヨーさん「グリーン・ディステニー」の頃から好きで。
本作を楽しみに待っていました。
薄化粧で凡人の演技にはリアリティあり、マルチバースによりスターになり料理人になってもバッチリ決まる。
主演女優のオーラ、これが見たかった。
さすがです。

キー・ホイ・クァンさんは子役の姿を何度見たことか。
声が高く、勢いよく喋ると子供の頃と変わらないし。
立場の違いをスパっと演じ分ける名優ぶりには、大人になった立派になったと感心。
本作で一番ビックリはクァンさんの演じ分けだった。
観に行って良かった。

随所に入るアクション、ななめ回りや手を打ち合うさまはカッコイイ!
こういうアクション作品が観たかったので大満足。
笑えるアイデアも多くあり。

設定や脚本、マルチバースについては良く分からないところもあり。
しかし、理屈ではなく映像で表現しようという努力はとても感じた。
メカはショボい。
でもでも、ミシェルさんの早変わり映像は一見の価値あり。
妙に納得させられます。
脳みそにインパクト、キターって感じかな。

劇場で「体感」して欲しい娯楽秀作。
たんぽぽさん [映画館(字幕)] 8点(2023-03-03 16:08:56)
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【点数情報】

Review人数 41人
平均点数 5.63点
000.00%
124.88%
237.32%
337.32%
4614.63%
5614.63%
649.76%
7717.07%
8512.20%
937.32%
1024.88%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 4.25点 Review4人
2 ストーリー評価 5.00点 Review7人
3 鑑賞後の後味 5.85点 Review7人
4 音楽評価 6.75点 Review4人
5 感泣評価 5.80点 Review5人
chart

【アカデミー賞 情報】

2022年 95回
作品賞 受賞 
主演女優賞ミシェル・ヨー受賞 
助演男優賞キー・ホイ・クァン受賞 
助演女優賞ジェイミー・リー・カーティス受賞 
助演女優賞ステファニー・スー候補(ノミネート) 
監督賞ダニエル・シャイナート受賞 
監督賞ダニエル・クワン受賞 
脚本賞ダニエル・シャイナート受賞 
脚本賞ダニエル・クワン受賞 
オリジナル主題歌 候補(ノミネート)This Is A Life
作曲賞(ドラマ) 候補(ノミネート) 
衣装デザイン賞 候補(ノミネート) 
編集賞 受賞 

【ゴールデングローブ賞 情報】

2022年 80回
作品賞(ミュージカル・コメディ部門) 候補(ノミネート) 
主演女優賞(ミュージカル・コメディ部門)ミシェル・ヨー受賞 
助演女優賞ジェイミー・リー・カーティス候補(ノミネート) 
助演男優賞キー・ホイ・クァン受賞 
監督賞ダニエル・シャイナート候補(ノミネート) 
監督賞ダニエル・クワン候補(ノミネート) 
脚本賞ダニエル・クワン候補(ノミネート) 
脚本賞ダニエル・シャイナート候補(ノミネート) 

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