1.まず冒頭、あのやたらカッコいい(その割に必ずしも頻繁に引用されている訳でもない)『ダーティハリー2』のテーマ曲が流れて、気分はノリノリ、つかみはOK。ただ、またこうやって過去の作品に寄りかかってていいんだろうか? こうやって後の作品に引用されてニヤリとさせられるようなテーマ音楽が、今の映画でも作られていってるんだろうか? ってなことも気になったりしつつ。
で、この作品、内容はというと、『ジョン・カーペンターの要塞警察』みたいな。設定もそうだし、映画開始からしばらく続く断片的な描写がある瞬間にカチリと嵌まって焦点を結ぶような印象も、ちょっと似てます。ただしこちらは過去作品の再利用というより、その発展形。『要塞警察』が『リオ・ブラボー』を下敷きにしつつ、新たな世界を切り開いたように、この作品も『要塞警察』の、その先の世界を展開してくれています。
『アサルト13 要塞警察』って、あれ、作る必要あったんだろうか? ま、いいけど。
さてこの『炎のデス・ポリス』、投げやりな邦題がまた好感の持てるところですが、このタイトルがなるほど言い得て妙、デスマッチ系の映画になってます。デスマッチの定義は何なんだ、と改めて訊かれると困りますが、凶器使い放題、敵殺し放題、どこへ話が転がっていくかわからない無制限バトルは、やっぱりこれ、デスマッチだなあ、と。
砂漠の中に孤立した警察署。冒頭の砂漠の光景からして、ヤバいものを感じさせます。実際、警察署は修羅場と化し、悪夢の一夜が繰り広げられる。
暴走を続けるオヤジどものジジイ臭さの中、その戦いの中に放り込まれるのがアフリカ系で短髪の女性警察官。こういう人物配置がまたカッコいいし、ステレオタイプなヒーロー/ヒロイン像ではないところがまた、意表をついていて、物語の自由度を高めています。転がり出したら止まらない物語、どこへ転がっていくかわからない物語。