25.《ネタバレ》 とある契機でこの度鑑賞しました。既に製作後約30年経過している豪華キャスティングのオスカー受賞作品ながら未見でした。 法廷劇のスタイルを採っていますが、純粋に社会派ヒューマンストーリーですね。謂れなき差別と偏見の齎す害悪を訴えつつも、当時の一般大衆の基本的な捉え方を少々無遠慮に挿し込んで来る。その自然体によって逆にテーマが強調されます。 正直なところ法廷劇としての面白さはあまり感じませんでした。原告側と被告側の法廷での厳しく辛辣な闘いは勿論見応え十分なのですが、びっくりするような大どんでん返しや予測不能な展開というものは用意されておらず、激しい心理戦が交わされることもあまりありません。ある意味、実に穏やかな法廷劇だと思います。 陪審員が激論を戦わせ、大逆転で原告勝訴といった展開とも異なるような。評決の末、只管穏やかに主人公たちは勝利を手にします。要は法廷劇としての魅せ場に拘った作品ではないということだと思います。 今でこそ「多様性」をキーワードにLGBTQなどの単語が日々マスコミから流れて来ますが、つい最近まで人生や愛について語られる際には(少なくとも我が国では)タブー視されていたと思います。人権としてそのような内容を語る動き自体は、この作品の製作よりも随分と昔からあったとは記憶していますが、なかなか一般化しないそういった問題への意識がこの作品を通じて強く後押しされたという部分で存在意義は大きいと思います。 そして、豪華キャストの作品にありがちな作品が出演者に負けてしまいそうな感じは一切しませんが、特に主演の二人の強烈な存在感がこの作品をS級にしていることは間違いありません。キャスティングが本作をものの見事に名作に昇華させたという一面はあると思います。 パーティ後のオペラのシーン。トムさんの心に染み入るような独白とデンゼルさんの表情のみの微細な感情表現に感涙しました。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-11-21 15:14:56) (良:1票) |
24.デンゼル・ワシントン演じる弁護士の「独立宣言には『すべての人は生まれながらにして平等であり』と記されているのであって『すべての<普通の>人は~』とは書いていない」という言葉が非常に印象的だ。もちろん誰であれ差別などされていいわけがないことは自明だが、時として異質なものに対する嫌悪感や恐怖感、偏見を拭いきれないのが人の常である。その微妙な心の揺れをデンゼル・ワシントンは実に見事に演じ切っていたと思う。もちろん、言うまでもなくトム・ハンクスも素晴らしい。彼以外の役者が主役を演じていたなら、あるいは薄っぺらな作品になっていたのではとも思えるほどだ。いずれにしても人権問題というのは取り扱いが極めて難しいテーマだが、エイズに真っ向からゲイを絡めて彼らマイノリティーの「人権」を問うた本作の姿勢を評価したい。 【poppo】さん 8点(2003-12-23 14:33:57) (良:1票) |
23.《ネタバレ》 原因不明の新種の疾病発症が確認された時、いつの時代も人はその恐怖に無知であったことを歴史に刻む。チフス、天然痘、肺病、脚気、ジフテリアや肝炎・・・いずれ画期的な医学的進歩で投薬がなされ不治の病も治る病に。93年時にデンゼルとトム・ハンクスで作られたこの作品を私は、HIVが治る病になる日が来るまで観ずに待っていた。倦厭とも言える。嫌う人は嫌う題材で認めたくない部分もいくつかはあるが裁判ものの中でも最高傑作だと思っている。印象に残ったシーンは3つ。冒頭の出産シーンで敏腕弁護士のデンゼルがカメラを上手く扱えず、妻がさっさと用意できるところ。そして献身的なケアワーカー。そしてMRサンドマンの曲。あまりにきれいなコーラスでウッときた。1000人の弁護士を・・・ってセリフも素晴らしい。 【成田とうこ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-04-16 10:02:55) |
22.この作品は法廷モノでありながら、比較的淡々と進む。そして偏見を持たれがちなエイズ問題とその訴訟に真っ向から挑戦している、当時としては非常に画期的な作品だと思う。主演の2人、トム・ハンクスとデンゼル・ワシントンは静かながら確かな演技力を見せ付け、豪華な共演が堪能できる。特に2人の「目」や表情の演技力は本当に凄く、あれだけで訴えかけてくるものがある。 エイズを何となく対岸の火事と思っている私には、過度な泣きの演出も押し付けがましくもないこの作品を余計に客観的に観る事ができたが、これが逆にもう少しお涙頂戴モノになっていたら、イヤらしくなってしまいかねなく、そこらへんの加減具合にジョナサン・デミの演出の巧さも感じた。125分という決して短い尺ではない映画だが、展開や人物描写の丁寧さから思わず魅入ってしまうのであっという間に感じた。私見だが、この作品を観て無理にエイズ問題やHIVの方に同情をしたり深く考えない方がいいかもしれないと思った。むしろ苦境に追い込まれた時の人間の絆、逞しさ、潔さを微笑ましく感じられたら、それでいいのではないだろうか。 |
21.重い映画だと思うが、ドロドロした法廷ものではないし、主人公もある意味さわやかだと思った。後半になるに連れて息が詰まるような感じがしてなんとなく感動した。この映画のころはまだゲイやエイズについての認識不足で偏った考えが多くを占めていたことがわかる。(主人公に触れることを恐れている所や、図書館でのシーン等)。それを打破するために作られた作品かもしれないと思った。多くの人々は自分とは違う、または従来と違う意見、状態、の物事に直面したときそれを敬遠してしまうのはしょうがないのかもしれない、しかし、その物事についての多くの、または正しい知識を得ると偏見の気持ちも薄れてくると思う。そのために例えばこの映画自体や主人公のような社会への訴えが必要であるのだと思った。特に思ったことは、デンゼル・ワシントンのトム・ハンクスを見つめる表情と正義感が良かった。それから、相手の女弁護士に少しイライラしたけど途中でこういう裁判はつらいということをちょこっともらしているのを見て弁護士も大変だと思ったし、普通の感情の持ち主であると思ったのでなんとなくホッとした感じがした。 【スワローマン】さん [地上波(吹替)] 8点(2006-05-14 21:34:00) |
20.ゲイやエイズに対する偏見が少なくなってきたのは、こうやって戦ってきた人たちがいたからなんやーと思ってしみじみしてしまいました。それから、人間って生きて死ぬんだぁと当たり前のことに驚いてしまいました。うわー、人間って生きて死ぬだよ、すごいことだべさー。 【paraben】さん 8点(2005-03-10 13:08:05) |
19.《ネタバレ》 重い・・・とても重い、ずしっとくる内容。日本じゃまだまだ認知度が低かったころのHIV感染者の話でハンクスの演技は圧巻。楽しい話では無いのでもう見たいとは思いませんが実際あったであろう(今でも少なからずあるんだろう)感染者への差別意識やハンクスだけでなくデンゼル・ワシントンのうまさ、更にアメリカを象徴するシンガーの一人でもあるBスプリングスティーンの主題歌・・などなどすべてが見事に融合し、すべてが当時のアメリカの社会問題にぴったりはまった逸作ですね。売れる前のバンデラスがハンクスの恋人役で出ているのをだいぶ後になって知って驚きました。 【MK】さん 8点(2004-12-05 13:13:47) |
18.《ネタバレ》 人間は初めて会った人にでも一瞬にして優劣をつけ何かしらの差別をする生き物、なのだそうです。そうすることで自分を保つと言う所があるらしい。 この映画、主人公はゲイ・エイズにより差別・偏見を受ける事になります。それまでどんなに優秀な弁護士であろうと、周りの人は知ったこっちゃ~ありません。特に上司なんぞ難癖つけてクビにすり始末。しかし主人公は不当な解雇に向けて立ち向かうのですが・・・。もし自分にこういう事があったら立つ向かうことが出来るか?知人に同じような人がいたら主人公の家族のように温かく見守る事が出来るか? 色々考えさせられました。 輸血でも感染はOKでゲイはダメ。これは感染していない方からの精一杯の譲歩なのでしょうね。 派手なシーンはない映画ですがとても面白かったです。 トム・ハンクスってやっぱ上手いですねぇ~。 【あずき】さん 8点(2004-05-06 07:00:50) |
17.社会における差別や偏見を取り除くことが、いかに困難であるかを痛感しました。頭では判っていても、生理的に受け付けられないものは誰にでもあります。法に反するからといって、自分の常識に反して行動しなければいけない場合には、逆にそのことで苦痛を味わいます。単純にどちらが悪いとは言えない問題です。「自由」とか「平等」といった美しい言葉を実現するためには、多くの犠牲や苦痛を覚悟しなければならないのかもしれません。法律と自分の感覚との間で苦悩するミラー弁護士の気持ちが理解できます。ブルース・スプリングスティーンとニール・ヤングの音楽も映画にマッチして最高です。 【パセリセージ】さん 8点(2004-04-13 19:27:15) |
16.《ネタバレ》 同性愛、エイズといったシリアスな内容で、とても考えさせられる映画でした。途中見ていてアンディの顔色の悪さが痛々しかった・・・。もし私の身近にアンディみたいな人がいたらどのような態度を取るのだろう・・やはり無意識にも避けてしまうのだろうか。最後のホームビデオの映像と、そこでかかってる曲の歌詞、かなり泣けました。同じ一人の人間なのに同性愛者というだけで白い目で見られる。たまたま愛した人が同性というだけで。さらに未だ不治の病であるエイズによる早すぎる死。悲しくて胸が詰まる映画だったけど、いい映画でした。 【ぴかちゅー】さん 8点(2004-04-09 05:40:37) |
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15.骨太な社会派の一本ですね。ただ、オペラのシーンは、デンゼル・ワシントンが家を出るシーンで切っておけば…と思いました。 【K】さん 8点(2004-03-25 01:07:20) |
14.本当に恐ろしいものはゲイとかエイズウイルスではないんだなと思った。知り合いや家族たちが病室から出て行く場面は悲しすぎるなあ。しかし最後のホームビデオは反則だよ(汗)。 【ゆうろう】さん 8点(2004-03-02 22:30:57) |
13.好き嫌いは別としても、やはりトム・ハンクスの役者としての素晴らしさは認めないわけにはいきません。最初に彼が映ったシーンで、そう言えば若かりし頃はこんな精悍な顔をしてたな、と思わず今の彼の姿と比較してしまいましたが、映画(病気)が進行して行くにつれ、マジでこの人病気なんじゃないか?と心配してしまうくらい顔に死相が滲み出てました。勿論特殊メイクの効果も大きいでしょうが、だからと言って並の俳優じゃここまで完璧な病人になりきれないでしょう。ストーリーは到ってシンプルで、粗筋にしてしまえば一文で足りるような映画ですが、その分役者の真価が問われる作品とも言えるでしょう。デンゼル・ワシントンの弁護士も良かったです。 |
12.見た後、率直に面白かったぁ・・ って言える作品。 デンゼルもトム・ハンクスもいい。 【guijiu】さん 8点(2003-11-27 02:09:31) |
11.《ネタバレ》 トム・ハンクスはやっぱりいい味出してくれますね~!あまりコメントされないのが残念なのですが、「ミゲール」役のアントニオ・バンデラスがとっても良かったです!ゲイ・パーティで二人が寄り添って踊るシーン、なんともいえないいい感じ!ベッドシーンなどの直接的な性描写がないのに、ところどころでキッチリ二人の絆や愛が見えます。(羨ましいっ!)今や、エイズは不治の病ではなくなったので、劇中でトム・ハンクスが亡くなってしまうのがとっても口惜しくて泣けました・・・!! 【まーさ】さん 8点(2003-09-06 01:54:43) |
10.この作品が公開されてから10年もたっていますが未だにエイズや同性愛者に対する偏見や差別は存在していると思います。ただ、その偏見や差別を身近に感じることがなくなかなか考える機会がないように思いますが、この作品を見て少しでも偏見や差別についての間違った考えを正すことができればなと思います。トム・ハンクスの演技も主演男優賞納得ものの演技でしたが、デンゼル・ワシントンもトム・ハンクスに負けないぐらいに素晴らしい演技でした。この二人が演じたからこそ伝わってくるものが多かった気がします。 |
9.「愛」って色々だな~、と考えさせられた作品。エイズなんて、ものすごく怖い病気になる危険があっても、愛することはやめられないんですね~。トム・ハンクスの、人生に満足しきった最期の顔が忘れられません。 【あやりん】さん 8点(2003-05-30 00:31:00) |
8.イイ作品でしたぁ。同性愛、エイズなどとそこまで馴染みのない話ですがホントいろいろと考えさせられます。 【アンリ】さん 8点(2003-05-29 11:51:09) |
7.トム・ハンクスが圧巻でした。だんだんやつれて弱っていくのはまるでホントの病人です。ディンゼル・ワシントン、いつもながら素晴らしい。トムはエイズ患者になりきって、彼らの気持ちを代弁したのですね。アカデミーはとーぜんの素晴らしい熱演です。 【キリコ】さん 8点(2003-04-29 13:54:32) |
6.かなり昔に観ましたが、もう一度観返したくなりました。トム・ハンクスが連続でオスカーを受賞していた理由がわかりました。ストーリーは悲しいし、どんどん弱っていくハンクスを見ているだけで胸が痛みました。けど、絶対一度は見たほうが良いと思いました。偏見とか、なくなるんじゃないかな?ハンクスが演じた人は、何て優しいんだと感動しましたね。見習いたいです。 【鉄男】さん 8点(2003-02-06 22:25:45) |