1.七年前に亡くなった先妻が、その夫と新妻の元へ幽霊として現れ、その姿が夫にしか見えないことで展開される騒動を描いたノエル・カワードの劇作。テクニカラーで撮られた本作は幽霊の青白い感じを、灯りを点けたり消したりという明暗に巧く浮かび上がらせており、真っ暗い降霊術中に反射した暖炉の火が人物に微かに揺らめいているところなど不安げな雰囲気が良く出ておりますね~。青白い幽霊の唇の紅が異様に赤く映えるのがジェラシーっぽくてまた面白いです。ラストのブラックなオチにイギリス映画的気質を見ることもでき、重厚さはないですがリーン初期の佳作といったところです。