12.《ネタバレ》 森田芳光監督の映画を初めて見たのは「家族ゲーム」で、その次が「模倣犯」。以降、森田監督の映画を見る際には「家族ゲーム」を超えるような傑作ではないかもしれないが、「模倣犯」を超えるような駄作でもないだろうという感じであまり期待していない。本作「(ハル)」は、パソコン通信を通して知り合った男女の恋愛ものだが、セリフを抑え、パソコン画面上のメールを直接字幕として映画の画面上に表示し、登場人物たちのメールでのやりとりを映画を見ている者に「読ませる」ことで展開していく構成はかなり実験的。その分、映画としては非常に淡々としていて静かである。ひょっとしたらこの淡々とした雰囲気に退屈するのではと思って心配だったが、互いに惹かれあっていく(ハル)と(ほし)に見ていくうちに徐々に感情移入していく自分がいた。確かに今見るとやや時代を感じる部分が多いのだが、森田監督の映画の中では佳作の部類に入るのではと思う。これが初主演となった(ほし)役の深津絵里、「踊る大捜査線」以外の出演作をあまり見ていないので恩田すみれの印象が強く、ちゃきちゃきした男勝りなイメージがあるのだが、この映画では寡黙な女性を演じていて、すみれとは全く印象は異なるのだが、はっきり言って深津絵里の魅力をこんなに感じられる作品を今まで見たことがあるだろうかと思うくらいにすごく魅力的だった。(ハル)役の内野聖陽も「黒い家」での異様にオドオドした主人公とは違ってとても誠実な印象で良かった。二人が初めてお互いの姿を確認する新幹線のシーンも印象的だったが、やはり二人が初めて出会うラストシーンの余韻の残し方が素晴らしく、今まで見た森田監督の映画の中では後味もよく最高のラストシーンだと思う。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-06-01 19:00:42) (良:3票) |
11.森田芳光監督って脚本さえしっかりしていれば良い映画を撮れるんだということを証明する上で最適な監督であるように思うわけで、この映画の主人公、言葉というものの意味合い、コミニュケーション、時代の一歩先を既に感じ取っていたかのようなそんな内容のこの映画を観ると言葉って大切なんだなあ!気持ちというものの表し方、相手に対する優しさやそういう人として最も大切なものをこの映画では見せてくれているようで色々と考えさせられる。この映画を観るまでは深津絵里って特に意識したことなかったけどこの映画を観てからというものすっかりファンになってしまった。顔の知らない何処の誰とも分らないメールだけの会話、やりとりなんて凄く不安だし、もし、その相手が自分の思い描いている人とはまるで別人のような感じだとしたら私にはなかなか会おうなんて勇気が湧かないけれど、でもそれが深津絵里みたいな彼女だとしたらなんて想像するという楽しみもこの映画の魅力なのかもしれない。いずれにしてもこの映画の深津絵里はとにかく文句なく可愛い。 【青観】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-03-17 22:37:18) (良:3票) |
10.あなたは会った事もない、メールをする相手に嘘を書くだろうか?それとも本当(本音)の事を書くだろうか?どちらのタイプかによってこの映画の受け取り方も違うと思う。深津絵里もいいのだが、私は内野聖陽の方の誠実さに妙な安心感を覚え、「普通の男」ってこういうのを言うんじゃないだろうか?という気がした。メル友映画なので主演男女の絡みが、最後の東京駅のみで、撮影で会うのも1-2日だったのでは?と考えると、非常に異色の作品ではある。 【東京50km圏道路地図】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-28 05:02:07) (良:2票) |
9.ハルとほし、お互いが惹かれあっていく過程が丁寧に描かれていて素直に感情移入ができました。それにしてもこの映画の深津絵里は非常に魅力的だ。ラストシーンで初めて会った二人の表情に、明るい二人の未来が暗示されているような気がします。この作品を偶然にチョイスしてよかった(こんなにいい映画なのに全く知らなかった)。森田監督に感謝。 【kainy】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-09-19 14:51:10) |
8.<新投稿 2006/10/16> 今も可愛いけど若き日の深津絵里がデパートの店員やって、パン屋の店員やって、着物着て、そんでもって図書館司書って。お前はオレか。森田監督は心得ている。京王線と中国語もいいな。村上春樹はちょっとやりすぎだ。後々の作品見ると、森田監督は「ハル」で自分の才能に見限ったと思う。前衛的な姿勢は健在だったけど、あざとさがでてきた。自己模倣に片足突っ込んだ程度で足を洗ったことは潔いといえる。 <旧投稿> 最初は日常生活の悩みや仕事の話から、だんだんとお互い相手を意識したメールの文面に変わっていく様子がリアルで面白い。 映画ではお互いの心の揺れをそれほどわかりやすくみせてない。そこがまた面白い。あくまで第三者的視点から描かれ、登場人物の生活を覗き見るような感じだ。 「家族ゲーム」と同じように、ちょっとした小道具の使い方やカメラアングルがとてもユニーク。 【michell】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-03-19 01:16:38) |
7.終盤からのリアリティーのない急展開に少々驚きましたが、この地味~な雰囲気は良いですねぇ。深津絵里、本当にかわいい。着物姿もよくお似合いです。こういう出会いってなかなかないけど、憧れる自分がヒッソリといるんだよねぇ・・・^^ゞ 【もみじプリン】さん 8点(2004-02-04 16:45:18) |
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6.事実は映画よりも奇なり・・・ネットが元で結婚した人σ(^^) しかも チャットで知り合って(^^; 地で行っちゃった。 【だだくま】さん 8点(2003-10-30 12:35:42) |
5.レンタルビデオで何気に見つけて借りてきました。これって95年の映画なんですよね、パソコン通信なんてホントなつかしいなぁと思ってみてましたけどミョーにはまりましたよ!深津絵里がなんといってもいい!戸田ななもかわいかった。また、映画のこういう手法も新鮮に感じました。たまには、こういうのもいいなぁ。 【たむさん】さん 8点(2003-07-25 18:04:45) |
4.TVで見た当時はもの凄く新鮮で、画面に釘付けだったような気が・・・その後、似たような映画やドラマが発表されたけど、正直やっぱりパクリかなと思ってしまった。人に薦められるかは分からないが、自分の中で思い出の映画の一つ。結構楽しめたと思う。 【こりい】さん 8点(2003-06-17 05:15:10) |
3.天気予報の文字放送であったり、父との食事の献立表であったり、文字による演出が細部まで配慮されていて素敵。森田監督に拍手!!あと、8ミリ映像の回想シーン♪あのブレっぷりもキュンとなりますね。 【J】さん 8点(2003-06-05 12:51:42) |
2.台詞も少なく、ネット上の交流がほとんどですが、主人公の二人が、とても爽やかで良かったです。ラストは心が温かくなりました。(定石ですが) 【リリー】さん 8点(2002-10-24 13:06:27) |
1.何年か前に見たものなので細かいところは忘れてしまいましたが、全体的な雰囲気が好きでした。96年頃は、まだネット恋愛がほとんど無くて、誰もがネットを楽しんでいるような時代ではなかったからこそ、ネットで知り合うということが現在よりも特別なものでしたよね(懐)。新幹線で一瞬だけの出会いでしたが、ハンカチを振りながらお互いをビデオで撮影したり、それを後で見てもブレブレなところなど、ちょっと切ない感じで好きです。戸田菜穂のネットと現実での性格の違いや、ほし(深津絵里)が最初は男性と偽っていたところなど、現在ではそれほど話題にならないような部分も、当時ならではのものだと思います。ネット環境が万全でなかった時代の、ちょうど良いときの映画だからこそハマりました。 最初のうちはセリフが文字で、物語が進むにつれてセリフが音声に変わっていくのですが、最後に(ハル)と(ほし)が会って終わるとき、またセリフが文字になり「はじめまして」で終わるところなど、面白い作り方で好きでした。 【Rachel】さん 8点(2002-03-29 15:52:57) |