5.《ネタバレ》 ヒッチコック作品を観るのは、本作で24本目。
特別有名とはいえない本作ですが、今までに観た24作品の中では一番でした。
序盤から時間の経過を忘れさせる緊張感、限界まで洗練されたモノクロの映像美、冒頭で観る者に犯人を周知させた上でのジリジリする展開・・・相当にハイレベルのラブ・サスペンスでした。
しかし、他の方が書かれているように、偶然の犯行と言っておきながら、神父でない人間が法衣を纏って犯行に及ぶなど、ミステリーとして本作を捉えると不満が残るのも事実。
ただ、サスペンスとして観るならば、余りある緊迫感を持った傑作ですね。
そしてラストの法廷シーン。
これはかなり手に汗握りました。
巷で評価の高い法廷サスペンスなんかよりも、よっぽど楽しめました。
又、根底に流れるラブ・ストーリー。
これもなかなか良かったですね。
幼馴染じみ→戦争で離れ離れ→その間に片方が結婚→戦争からもう片方が帰還→背徳の逢引き
ベタな流れではありますが、ラブ・ストーリーとしても、しっかり楽しめました。
以上の様に、様々な要素を併せ持つ、非常にバランスのとれた傑作ヒッチ・ラブ・クライム・サスペンスです。