4.よかったです。これを見ると、フランスが旧植民地のインドシナに寄せる未練というか、ねっとりとした恋情を感じます。映画の中でもそういう表現が出てきますが、仏印の関係はちょうど愛憎相半ばする恋愛関係のようなもので、フランスが豊かで誇り高い暴力男ならば、ベトナムは、豊かさとしおらしさ、そしてそのかげに、鋼のような強さと狡猾さを併せ持った美しい女性。で、たぶん、フランスがベトナムを想っている方がちょっと勝っている。映画は冒頭から、濃厚なアジア趣味・中国趣味でして、(やっぱり文化の高い同士は惹かれあうんでしょう)ベトナム相手にこうなのですから、フランスが中国を植民地にしていたら、えらいことになっていたという感じがします。このなかで決して若くはないカトリーヌ・ドヌーブのまあ美しいこと。ばけもんですね。(ヴァンサン・ペレーズのよさは、今ひとつわかりませんが)老いていく女性の恋と諦念、一緒にいることで惹かれていく惰性の恋、こうやって恋愛を生々しく酷薄に描くところ、フランス映画はいいです。 【sophie】さん 8点(2001-12-23 02:07:04) (良:2票) |
3.これはちょっときました。個人的に好きなのですよ、時代と運命に翻弄されながらも強い意志と情熱を持ち、自ら嵐に突入してもみくちゃになる人の話しが。↓【sophie】様のレビューにこの映画の雰囲気がバッチリ書かれているので、そちらを参照頂きたいです。肌にまとわりつく湿気を感じる映像、特に船で湾内を漂う美しく幽玄な映像は頭にこびりついて離れません。取りあえず私も、今も忘れられない昔の男を探して旅をしようかな、とか年甲斐もなく考えたりして・・。 【黒猫クロマティ】さん 8点(2004-06-15 14:20:46) (良:1票) |
2.長大いや壮大なドラマだった。見ているうちに有吉佐和子の「紀ノ川」を思い出してしまった。大きな川(河)と美しい大自然、母と娘の思いが交錯するところは共通点があるし、大河ドラマ的要素も似通っている。ただ「紀ノ川」が日本伝統と因習が背景だったのに対し、こちらはフランスの植民地政策やベトナム独立運動が背景になる。冷徹だったバチストが愛によって変わっていくのにも惹かれるし、男勝りの強い女性を演じたドヌーヴも良い。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-06-15 07:32:35) |
1.深夜テレビで何気なく見たインドシナ。ちょうど大学受験で世界史を勉強していたこともあり、時代背景を読み取りながら見たので、作品がすごく奥深く感じたし、感動した。20世紀東南アジアの実情を知りたい人、歴史的感動(?)を求めたい人には、最高の作品だと思う。見て損しない一本。 【さくら】さん 8点(2001-07-10 02:28:31) |