2.《ネタバレ》 文部(科学)省特選間違いなし、みたいな映画でした。しかし作り自体はしっかりしていて、特に終盤指導者が楽譜を浄書してもらう場面をきちんと入れていたり、写真を撮っていたのは二人が恋仲であることを現していると思ったら、違う使われ方をしたりといったところに感心しました。全般的にユーモアにあふれているのもいいです。“モーツァルトを現代風リズムで”っていうのが楽しい。子供たちが単なるいい子ちゃんでないところもマル。登場人物の中では、主人公を最初に引き取る元船長が素晴らしい。特に最後の別れのあと、帽子を目深にかぶるあたりがよかった。この人がいるかどうかで、映画のでき自体がまったく変わってしまいそうです。
50年以上前の映画ですが、映像はそれほど傷んでなくて、当時の街並みや風景が総天然色で楽しめるのも、非常に価値があると思います。お涙頂戴の「感動名作」だと、軽く見てはいけません。ただ、毒気がないとダメという人にだけは向かないでしょう。ちなみに、8月に録画していたものをやっと見たわけですが、これは失敗。夏向きの映画でした。