3.《ネタバレ》 人間の欲深い醜悪な部分を、あるトンデモ家族を通して描いたブラックコメディの傑作です。
とにかく、登場人物が皆しょうも無い悪党ばかりで、もう滑稽すぎて笑うしかないです。
その中でも、伊藤雄之助と山岡久乃夫婦のすっとぼけたやり取りが最高にシュールで素晴らし過ぎます。
ラストも破滅を直接的に見せることなく、表情や雨に濡れるカバン等で表現していて巧さを感じましたね。
まあ昨今の「昭和ブーム」に乗って「三丁目の夕日」なんぞ観ながら、「ああ、あの時代は皆貧しかったけれども希望があったんだな!あの美しい夕日はその象徴だ!」なんてノスタルジーに浸ってしまった方に是非、この作品に出てくる夕日の破滅的な美しさを観てもらいたいですね。(誤解の無いように言うと、私は三丁目の夕日は2作とも金払って映画館で観ましたし、好きな作品です。)