2.《ネタバレ》 ジャン・ギャバンが霧の立ち込める港町にやって来る始まりのシーンが、これから先の顛末を予見させて良いですし、登場するキャラクターたちもそれぞれが個性的で面白いです(僅かな登場では特にネリーに言い寄ってくるチンピラと一緒にいる冷静な男が印象的)。しかし本作はやっぱりジャン・ギャバンとミシェル・モルガンの映画でしょう。ミシェル・モルガンは当時なんと18歳!とは思えぬ色香がありますし、あのピカピカのコートの美しさったらないです。ジャン・ギャバンもこれが男だとばかり実に魅力的に映っていて、だからこそラストに路上で撃たれてしまうシーンではとても悲しくなってしまいます。・・・ただ一つ欲を言えば犬の使い方で、登場シーンとラストの余韻を残す部分は良いのですが、ずっとついて来るのですから中盤でも巧く使って欲しかったですね。