2.《ネタバレ》 B級映画の巨匠サミュエル・フラーの「呪われた傑作」です。この映画は新聞記者が狂ったふりをして入院して精神病院の中で起こった殺人事件を調査するサスペンス・スリラーですが、「狩人の夜」の名手スタンリー・コルテスが陰影の濃い不気味な映像を作り上げています。精神病院の廊下が主要な舞台になりますが、キャラがたった精神病患者が低予算を逆手にとった工夫を凝らした廊下のセットを歩き回ります。中でも、自分はKKK(クー・クラックス・クラン)メンバーだと思い込んで、「アメリカは白人のものだ!」とアジる黒人青年には度肝をぬかされました。主人公の記者は電気ショック治療(短いですがこのシーンが怖い!)を受けたりして本当に狂気の世界に入ってしまいます。殺人事件の新犯人を探り当てながらも、ラスト完全に狂って廊下に立ちすくむ記者の姿が強烈です。