70.おすぎなんか、ボロクソに酷評してたし、キツイ批評が多いみたいだけど、俺は好き。 北野監督のエンターテインメントが確立された作品だろうね。酷評する人は、どうしてもオリジナルと比較して「何だこれは?」となるんだろうが、オリジナルに忠実に作ったところで、敵うわけが無い。だからこそ、まったく違う市を創造したんだろうと思う。オリジナルに畏敬の念すら持ってるんじゃないかな。でも、それをストレートに出すのは照れる。やはり東京人特有の照れの成せる業だと思うよ。照れて、照れて、照れまくって、その照れすら押し隠そうとした末の「しゃらくせえ!」の居直りが茶髪の市になったんだろうな。殺陣は「たそがれ清兵衛」と双璧を成す見事さだ。随所に出てくるリズムとテンポと音を上手く使った「遊び」も楽しいし、ラストのカーテンコールの壮大な下駄のタップは胸が熱くなる。ああ、やはりこの人は浅草を自分のルーツだと思ってるんだなと、しみじみした場面でもある。この映画の、隠れた主役は「浅草」じゃないのかな・・・・。そういえば、昔、たけしは豊臣秀吉や足軽のことを映画にしたいとか言ってたけど、是非やってもらいたい。 【ひろみつ】さん 8点(2004-06-13 11:03:40) (良:3票) |
69.北野作品初見、座頭市という物語も初見。血や日本刀がびらびらと舞うのは非常に苦手な私で、R-15になるほど他のものも飛び散りギョッとしましたが、この作品は面白くて最後までしっかり観ました。解り易い痛快な物語と、全編通して失われない軽快なリズム。この作品をひっさげてベネチアに参加した監督は終始ニコニコでしたが、浅草お笑い出身の監督が持つ、独特の「芸人エッセンス」の香りが高いところが自信の理由だったのかなと思いました。ひょうきん族で育った私です、気に入るわけですね。殺陣もダンスも、生きるもの全てが持つ鼓動のリズムに合わせて非常にテンポが良かったです。エンターテイメントとしてこれは必須項目。ああ、芸名はビートたけしでしたね。やられた。 【のはら】さん 8点(2004-04-19 07:13:01) (良:1票)(笑:1票) |
68.おもしろかったです。お友達に「みにいったほうがいいよ」と素直にすすめたい映画です。「エンターテインメント作品を撮るぞ!」という監督のことばどおり、どなたでも楽しめる作品に仕上がっていると思います。なんかもういろいろなこだわり的なものをすっかり捨てて、からっぽになって観て気持ちよく楽しんでもらえるといいなあと思います。そうじゃないともったいない。北野監督に楽しく騙されてください。 【クリロ】さん [映画館(邦画)] 8点(2003-09-30 22:55:21) (良:2票) |
67.江戸時代をこんなに暗く描いた時代劇を初めて見ました。犯罪に支配された町、疲れた表情の人々、雨ばかりの天候、ほとんど照明がない中で芸をしているお座敷・・・『ブレードランナー』や『バットマン』(第一作)を見た時を思い出した。個人的には秀作。 【あすぺん】さん 8点(2004-12-05 12:05:56) (良:1票) |
66.「七人の侍」以来の殺陣の革命かもしれない。世界に通用するチャンバラだ。北野COLORは健在の上に、今回は音とスピードに新境地を見せた。こういう映画は下手に登場人物をだらだら描いて観客に感情移入させるより、テンポよくバッサバッサとぶった切った方が気持ちいいね。そういう意味では芸姑姉弟の描き方は中途半端、どうせなら個人的には夏川結衣~浅野忠信夫婦に入れ込んで欲しかった。役者的にもこの二人の方が魅力あるでしょうが。どちらにしてもとにかく気持ちのいい映画だ!昨年の「阿弥陀堂だより」とは違った意味だが、邦画も捨てたもんじゃないね。 【つむじ風】さん 8点(2003-10-15 02:41:16) (良:1票) |
65.《ネタバレ》 時代劇なのにそれを感じさせないテンポの良さがいいですね。殺陣のスピード、座頭市の圧倒的な強さもそれを盛り立てます。この映画を時代劇という括りでみるのは間違いかもしれません。ただ、随所に入る日本的情景描写のパロディ(畑の麦踏みタップなど)がそのテンポをさえぎり冗長に思えました。(適度に入る分にはスパイスになるけどちょっとくどい)ラストの祭りのタップもスタッフロールに被せた方が締まったような気がします。時代劇につきものの湿っぽい話に偏らなかったのも高評価。 【BAN/】さん 8点(2003-10-10 14:51:47) (良:1票) |
64.《ネタバレ》 勝新太郎の座頭市を知らなかったので、純粋に楽しむ事が出来た。かなりエンターテインメントに傾いていて、今までの北野映画らしい静謐な感じは薄いが、「全編リズム」と言うから、それも狙いか。北野映画の新境地だろう。最後、黒幕の目を潰して石につまづいて…と言うのは、やはり北野風味。「めくらの方が人の気持ちが分かる」と言う台詞、R指定にするのが勿体無い。 タップがどう絡んでくるのか、と言うのは観る前から興味があったが、違和感なく絡んでいたと思う。大工にあのリズムをやらせた事により、最後の大団円で「町の復活」を感じさせるものになった。 タカの「殺陣師コント」は見事だったが、もうちょっとギャグ少なくても良かったかなぁ。 【アイカワ】さん 8点(2003-09-13 18:51:24) (良:1票) |
63.《ネタバレ》 21世紀にもなって、これほど「め〇ら」というセリフが多用される日本映画が観れるとは、もう嬉しくなっちゃいます(笑)。「北野武が座頭市を撮る」と聞いてびっくりしたもんですが、観てみれば勝新太郎の『座頭市』とは似ても似つかず、“リブート”というよりも“リコンストラクション”と呼ぶのが相応しいぶっ飛びぶりでした。その強さはもう超能力者レベル、だいいち座頭市が金髪というところからしてどうかしています。自分は本作の特徴は“リズム”をとことん重視した撮り方じゃないかと思います。タップのリズムで野良仕事する百姓など時には意味不明なところもありますが、シーンが切り替わるタイミングなんかも含めて快調なリズム感はなかなか心地よい感じすらありました。まるでポリウッド・ムーヴィーみたいなラストはちょっとやり過ぎ感すらあり賛否が分かれていますが、自分は好みです。初めて観たときはまだ『踊るマハラジャ』などのポリウッド・ムーヴィーを知らなかったので、そりゃびっくりしましたよ。このセンスならダンス・ミュージカル映画を撮らせたら面白いんじゃないかな。思うにこの映画での座頭市は狂言回しみたいな役柄で、浅野忠信の浪人夫婦や盗賊一味を追う姉弟のエピソードがメインなのかなとすら思ってしまいます。だとすると、このサブストーリーの描き方(とくに浅野忠信パート)が弱いのは気になるわけで、ここが本作の最大の弱点なのかと感じます。またラストで座頭市の座頭市たる所以を否定する驚愕(?)のオチが用意されているわけですが、これなんかも勝新版『座頭市』のファンから嫌われる理由なのかもしれません。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2022-03-19 22:26:02) |
62.《ネタバレ》 この程度の「座頭市」で満足している奴らは、勝新太郎の「座頭市」を知らないからそんな事をほざけるのだ。 山中貞雄やマキノ雅弘の軽快で笑いあり涙ありの痛快さを知らんからそんな事がほざけるんです。 北野武にしたって、「キッズ・リターン」や「あの夏、一番静かな海」ほどの冴えがこの映画にあるかは不明だ。 といっても、三池崇史のクソッたれな「一命」や「十三人の刺客」よりは遥かにマシという程度のこの痛快ヴァイオレンス時代劇をどう語るべきか。 勝新ほどじゃないがその抜刀振りは深作欣二のヤクザ映画よろしくバッタバッタと斬り倒しまくりで中々良かったし、敵の懐に一瞬にして飛び込んでみせ「次会う時はテメえの胴をブッた斬る」という具合に“警告”をするシーンも面白い。 稽古シーンの皮肉も笑えた。 用心棒が痛い妄想をした瞬間、座頭の市が構えを変えてフイを付くシーンも笑いを狙っているとしか思えなかった。 このように、金髪の呂布が日本に上陸し、仕込み杖の座頭を“偽って”日本のヤクザ共をブッ転がしまくる映画である。 劇中やエンディングの盛大なタップダンスの津波。 踊るような剣戟が売りのマキノ正博(雅弘)の軽快さを彷彿とさせる。 思えば、北野武の暴力的なエネルギーは深作的流血で綴る漢のドラマ。下手なドラマはこの際いらんのです。 ただ、それを台無しにするCG演出には反吐が出る。 刀や流血までCGで“偽る”下劣さ、下品さ。フルCGなら別に気にしない。だが実写で二次元と三次元の壁を作ってしまっている時点で気分は台無しだ。ふざけんなこの野郎。 これが本当に後で「アウトレイジ」という傑作ヤクザ映画を撮る監督のやる事かよっ!? 何故たけし自身がタップダンスのような軽快さでやくざ共を血祭りにあげまくるようなシーンを撮らなかったのかが謎。俺はそれを見たかったのに・・・。 小学生の頃にtvで見事に“騙された”自分が悔しい。 その直後に勝新太郎の凄さを俺に教えてくれた地方局の再放送にマジで感謝。 【すかあふえいす】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-11-06 23:35:47) |
61.《ネタバレ》 素直に面白い映画だと思います。 北野作品の中では万人に勧められる作品だと思うし。 殺陣のシーンも迫力あって格好良いし、幾つか笑えるシーンもあるし。 素晴らしい娯楽作品に仕上がっていると思います。 タップダンスもありだと思います。 何事もリズムが大事ですからね。 【ぐうたらパパ】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-04-13 16:13:07) |
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60.《ネタバレ》 面白かった。かなりエンターテイメントしてて楽しめました。血の量も丁度良い感じです。賭博でイカサマやってる奴の手を切り落としてからの、皆殺しシーンがべらぼうに格好良かった。 【モンチョ】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-11-11 11:37:57) |
59.《ネタバレ》 浅野忠信の強さとカッコ良さが際立つ。にも関わらず、なぜあんなに簡単に負けてしまったのか。。2度も。 【山椒の実】さん [地上波(邦画)] 8点(2009-05-06 22:27:20) |
58.《ネタバレ》 当時ラストサムライと比べられていたと思いますが、個人的にはどちらも面白です。 というか、どちらも武士を扱っているものの、内容は全く別物で、比べる映画でもないでしょう。 この映画での魅力はリアルな描写でしょう。 手を切ったあとを見せるエグさもあるリアルさ、戦いのシーンの緊迫感など、俳優の演技も光っていました。 ダンスのシーンの音楽やテンポに力を入れて作られていますが、それほど必要性を感じませんでした。 陰と陽を作りたかったのでしょうか。 外国を意識して作ったようにも思えますし、なくてもよかったようにも感じます。 漫画のバガボンドの戦いのシーンを実写化しような描写ですので、ご存知で興味のある方は一度観てみてください。 北野武は映画となると、非常にかっこいいですね。 【コショリン】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-07-25 19:17:16) |
57.《ネタバレ》 最初に見たのは、アイルランドの映画館でした。いや、こう書くとなんか自慢話みたいな感じがしますが、普通に観光旅行で時間潰しに立ち寄っただけの話です。館内は意外と閑散としていました。まあ、こんなものなんだろうな、って感じもしました。私を日本人と見るや、チャンバラが好きで黒澤が好きだとかいうスペインから来たという役者志望の男がいろいろ話し掛けてきて、ちょっとうざったかったです。で、何がいいたいのかっていうと、そのチャンバラ好きを自称する彼が、映画が始まると、やたらと悲鳴に近い叫び声をあげてたんですね。いや、その反応の素直さに、かえって感動しました。確かに、これは、今までのどんなチャンバラ映画とも異なるものでしょう。もっといえば、座頭市という名前すらふさわしいのかどうかとすら思います。勝新太郎が演じ続け、築き上げていったキャラクターとはあまりに違いすぎる。しかし、北野がこの映画でやっている、自分自身の本来の路線と娯楽性とで、どうやったらおりあいがつけられるのかという実験は、成功しているのは間違いないです。 【いのうえ】さん [地上波(邦画)] 8点(2007-06-05 23:15:49) |
56.勝新太郎ってイメージからたけしもありかなって気分になりました。 タップダンスなども取り入れて、飽きさせない演出が面白かったです。 【甘口おすぎ】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-02-10 21:03:36) |
55.《ネタバレ》 血がとにかく,ぶるぁって出てて,おいおいとも思ったけれど,おもしろかった.ワクワクしたし,ストーリーも良かった.たけし軍団の方々も良いエッセンスになったシーンもあったし.(たまにウケを狙いすぎかな?とも思ったけれど.まぁ,それが逆に座頭市のカッコイイシーンを引き締めたのかもしれないが.)そして,二段オチ!飲み屋のじーさんが…!ってときには驚きましたな.とにもかくにも,久しぶりにお腹がいっぱいになる良い映画でした. 【紺野 忠文】さん [DVD(吹替)] 8点(2006-11-06 01:21:10) |
54.北野作品は食わず嫌いというか、難しそうで敬遠していた部分があったのですが、本作は素直に面白かった!基本的な構成は実にオーソドックスで観ていて安心感がありました。さらにテクニカル。見せ方の上手さ、構図の美しさを随所に感じました。そしてなにより意外だったのは娯楽性の高さ。これほど観客を楽しませることを意識してつくられているとは思いませんでした。流れるような殺陣も見ごたえあり。また、時折挟み込まれるベタなギャグが、いいアクセントになっていました。さしずめ牛丼における紅しょうがのよう(違うかな?)です。有名なラストのタップダンスについては、それまでの伏線(というか軽い予行演習)など、作品に溶け込ませようという工夫が見えました。これはこれでアリだと思います。ただ、娯楽性を追及しすぎたためか、物語の展開に(テレビ時代劇でみられるような)ご都合主義を感じてしまったのは、ややマイナスでした。それでも自分がこれだけ北野作品を楽しめるとは、嬉しい誤算でした。続編をぜひ観たいです。 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-08-05 19:14:00) |
53.《ネタバレ》 最初は軽い気持ちでみていたのですが、だんだんと美しい映像と躍動するリズムに惹かれてあっという間にラストシーンまで見きってしまいました。 物語自体は、勧善懲悪・仇討ちと時代劇の王道なので非常にわかりやすいのですが、結構、こちらの想像を裏切ってくれるので飽きませんし、面白いです。 【TM】さん [地上波(邦画)] 8点(2006-04-16 22:49:33) |
52.なんと言うか、感覚的に楽しめました。うーん、映像がいいですね。全体的に画面が暗いシーンが多いので、赤い番傘のアングルや、おせいの舞など、美しいシーンが際立って印象的でした。予告を見た限りでは「時代劇にタップ?えー・・」と思っていたのですが、良かったです。 【ナオちん】さん [地上波(吹替)] 8点(2005-11-07 22:36:02) |
51.カルト評価の多い北野監督の作品ではかなり良い出来に仕上がっている。 (この監督で一般受けする作品は監督らしくないとも言えるが) まぁ【座頭市】に関しては先駆者(勝新太郎)のイメージが余りにも強すぎて リメイクではないが拝借するには勇気がいった事だろう。 所々にギャグとも思しき笑いが挿入されているが これは北野監督特有の一種の照れ隠しなんであろう。 オーラスの祭りの踊りは歌劇のフィナーレにも似た演出で非常に好感が持てた。 此れを機に勝新の作品もチェックしてみたい。 万人にお奨めのエンターテイメント時代劇と評価したい。 |