5.《ネタバレ》 憎い演出してくれます、ソフィアコッポラ。終始淡々と進むストーリーにもかかわらず、二人のストイックでもどかしい恋愛に見せられてしまいました。素晴しいバランス感覚の恋愛ですね。愛しているんだけど、今の生活を崩すことのできない二人の最後にするキス、、、、憎い!非現実的な恋愛映画が多い中、この設定は憎すぎます!さらに最後の聞こえない(翻訳されない)会話はまさにロスト・イン・トランスレーションじゃないですか!憎い!確かに、日本と言う異文化に慣れない外国人のつらさを、異文化のせいにする、いかにも「全てはアメリカ中心」的なアメリカの傲慢さを地で行くような感じがかなりします。しかし、恋愛映画としてのこのバランス感覚は憎いとしかいえないので8点! 【ジャザガダ~ン】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-14 22:38:46) (良:3票) |
4.《ネタバレ》 国や立場は違えども、人は誰しも言葉の通じない異国で過ごした時に何とも表現し難い寂しさ・やるせなさを感じるものです。 本作はそれがとても上手く表現出来ているかと。 また、本作のスカヨハの綺麗さ・可愛さ・透明感の有る佇まいは、齢55のオッサンである私はイチコロ(死語)でした。 ビル・マーレイとスカヨハの何とも言えない微妙な距離感と、終始プラトニックな関係で有る所がまた良く、 特にラストシーン、歌舞伎町の雑踏の中で身長差の有る二人が別れの抱擁を交わす一連のシーンは、 独り寂しげに歩くスカヨハがビル・マーレイに声を掛けられ振り返る時の表情の変化、 そして踵をチョコンと上げるその仕草含めて切なさ一杯でした。
余談 「これはソフトを手に入れるべき作品だ」と思い通販サイトを検索したら、 世に出回っているのはビル・マーレイが座っている写真のジャケット仕様のみ。 そりゃ主役だから仕方のない事ですが、スカヨハ版ジャケットのソフトはプレミアが付いている様で、 購入を躊躇している所です。 【たくわん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-01-10 17:40:44) (良:1票) |
3.日本が舞台であるのが話題にあがりやすいが、この映画は叙情詩である。日本や東京はそれの舞台でしかない。異文化と孤独感(孤独ではない)を前に、主人公二人の間にあるのは友情なのか愛情なのか。言葉にはしがたい、とても繊細な感情。ソフィア・コッポラ監督はそんな繊細な感情を描ききっている。いい意味で末恐ろしい監督だと思った。 |
2.《ネタバレ》 この映画に出てくる日本人を見ていて妙にみかついた人もたくさんいたのではないでしょうか?しかし残念。これが日本人なのです。つい先日、普通に道を歩く外人に対しおそらく修学旅行中の学生たちが「ぴくちゃー、ぴくちゃ-!」とわめきながら勝手にその人たちの写真を撮ってそのままどっかに行ってしまいました。残された外人の旅行者たちは唖然としながら一言、"What was that?(なんだあれは!?)"。代わりに謝罪いたします。すみませんでした。 「キルビル」みたいな日本人像は問題外ですが、この映画の日本人描写は巧妙かつ確かなものです。英語をしゃべれない人ほど「通じればいいねん」とか「ジェスチャーだけでも大丈夫」とか言いますが、そういう人が実際英語をしゃべらないといけない環境に置かれるとこの映画の日本人のようになります。作中、何度自分が映画の中に入って代わりに通訳してあげたいと思ったことか。と、まあ日本人批判が長くなってしまいましたが映画自体は素晴らしいの一言に尽きます。日本の中心地「トウキョウ」の繁栄の裏に隠された空虚さが滲み出ています。オレ自身、急に時間が空いて東京を一人でぶらつく時間があったことがあるのですが、全てがあるようで何もない街です。少し街を歩いてもうあとは明治神宮で時間をつぶしました。そのぐらい東京という街はからっぽです(東京にお住まいの方すみません)。そしてそんな空虚さを映画で表してくれたのが日本人ではなく海の向こうからやってきたソフィア・コッポラという名の映画監督だというこの皮肉。それだけでも充分面白い作品だと思います。日本という土地で自分自身を見つめなおすシャーロットとボブにならって、私たちも日本人として自分を見つめなおしたいものですね。強くそう感じた作品でした。 【TANTO】さん 8点(2004-12-09 18:04:55) (良:1票) |
1.お互いに分かり合っているのか、いないのか、悲しいかな、何となくで、生活は出来てしまう。何と適当に生きていることだろうか。本当に伝わったかどうかより、自分自身で伝わったと思い込むことによって、しばしば私たちは、納得しがちである。コミュニケーションが取れない異国での、男女の交流。微妙なタッチで二人の関係は描かれている。恋愛映画だと私は感じた。セックスも愛の言葉もない。でも見ている側は感じることが出来る。二人の微妙なしぐさや会話の中には、心の交流が見て取れるのだ。「愛してる」なんて台詞は出てこないが、二人の間には愛が存在している。[言葉],コミュニケーションの上でこれほど重要なものはない。しかし間違えてはいけない。言葉は言葉単体で成り立っているものではない。同じ「愛」という言葉でも、使う人、場所、状況、によって、違ってくるものだ。昨今は違う言語の人とはもとより同じ日本人でもコミュニケーション取れているのか不安になることがある。大事なのは言葉の裏側の感情なのだ。悪く言えば地味であいまいな映画。でも私は大好きだ。どんな激しい恋愛劇よりも、心に迫るものがあった。アメリカ人が撮ったとは思えない。むしろ日本人が撮ったような印象を受ける。上質。 【K・T】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-08-20 17:12:01) (良:1票) |