1.《ネタバレ》 H・G・ウェルズ原作の映画化といえば最近では「宇宙戦争」
オリジナル映画よりも原作に忠実です。
あの映画はリメイクがオリジナルを上回った珍しい例で、
ほとんどの映画はオリジナルのほうが面白い。
「キング・コング」もそうでした。
さてこの透明人間は誰でも知ってるようで、
この古いオリジナルを観た人はどのくらいいるでしょうか?
Yahooムービーで去年観たのですが、
PCで観た映画に(動画ですね)感動までしてしまい、
また観たくなって借りてきました。
昔の映画っていいですねぇ(笑)
説明不足観客置いてけぼりの世界観で考える自由がある。
最近の作品もそうですが難解にしようとしてるだけみたいに思う。
何のためにどうやってとか(途中で説明はされてるものの)
突っ込みどころはあるものの、
そんなことは気にしなくていいという勢いがH.G.ウェルズの世界。
透明人間役のクロード・レインズの素顔は(これがデビュー作らしい)
最後の最後に出てくるのですが、
透明でなくなったときが最期だなんてなんということでしょう。
確かに極悪非道の限りをつくしていました。
セリフ回しも取りつかれたような感じで独裁者のようです。
最初は子供の悪戯程度だったのが、
存在しないことを逆手にとって悪事をつくすことに快感を覚え、
透明人間は自己に酔いしれてゆきます。
悪のカリスマを感じることもありません。
劇中でのセリフが哀しいのです。
(階段を上るときが苦労した)そう、自分も自分の姿が見えないのです。
これは想像するとちょっと笑えないですよ。
想像も難しいかも(苦笑)
他人から見られないのは当然として、
鏡に映る自分を確認できないのだから。
鏡のシーンでは4つの合成が施されています。
この時代になんというアイデア。
ただひとつタバコを吸うシーンでは体内の煙が写らないのは??
でもまあそこまでリアルにしちゃうと怖いですから(爆)
さてこの悪戯から殺人までエスカレートしてゆく行動は、
今観てもどうやって撮ったんだろうかと感心します。
どうやって警官たちは彼を捕まえるのだろうか?
あらゆる推理もまた楽しいじゃないですか。
おかしくて笑えるようなシーンもたくさんあるし、
それでも哀しい存在・・