38.原作を中途まで読んだ時点と読破後の二回見ました。作品の優れた娯楽性のためか「12人の怒れる男」と比較することに反感を覚える方もいらっしゃるようですが私は10点をつけた「12人の…」からの減点方式で点数をつけます。同じ陪審員もので刑事訴訟を扱っている「12人の…」に対して民事訴訟を扱っているこの作品は原作では対煙草メーカー訴訟を描いています。対煙草メーカー訴訟は目下全米の多数の州で係争中で、制作者は映画が持つ影響力を勘案して被告企業を銃メーカーに替えたようです。対銃メーカー訴訟なら現実には引き受ける弁護士さえいません。この事実だけからもわかるように民事法廷の映画化は非常に困難です。また特殊な民事訴訟を除いて作品中の法廷でのやりとりや陪審員の審議過程での法的整合性を確立することは不可能で、この映画でその点に知的な関心を寄せる方はがっかりされることと思いますが、製作者の良心を評価に加味してこの点では私は一点しか減点しません。でももう一つ、謎の二人組が悪徳陪審員コンサルタントにいどむ動機が原作では金で正義を買う風潮に水を差すため、しかも合法的な行動を常習的に取っているのに映画では個人的な動機と一人が陪審員に選ばれた僥倖を利用した非合法手段にすり替わっていて、この点は被告企業の業種を替えても変える必要はなく、原作のままのほうが真面目な作品になったと思うのでさらに1点減点しました。陪審員(裁判員)制が近い将来日本で導入されるのでアメリカの法廷物の映画から学ぶことが多くあると思います。裁判員は学歴や職業と関係なく抽選で選ばれるので多くの人を教育価値のある映画に引き付けるためには娯楽性も不可欠です。弁護士資格を持つ現作者にもっとこういった小説を書いて欲しいと思いますし、ハリウッドも豪華キャストを配しながらのアカデミー賞ノミネートゼロや全米での低評価にめげずに民事訴訟版「12人の怒れる男女」を作る努力を続けてほしいと思います。(実は私、数年前に米国で顔見知りが未成年時に殺人を犯したことのある男に射殺され、その件で米人弁護士に相談しました。遺族が銃メーカーや地方公共団体を訴えることは絶対に無理だそうです。) 【かわまり】さん 8点(2004-01-22 14:09:03) (良:2票) |
37.政治的プロパガンダというかバイアスがあり、銃社会の是非についての議論が弱い(概ね銃規制容認というトーンで描かれている)ところが難点ではあるものの、多少は過剰な演出はあるんだろうが陪審制度や陪審コンサルタントというアメリカ司法制度の問題点を提起しつつ、単なる正義に留まらず復讐劇も交えたエンタテイメントとして充分に見応えががあり楽しめる。本作の教訓としては、感情的になって怒鳴り散らしたら全てを敵に回すことになるってことかな。そう仕向けるのもひとつのテクニックなんだろうけどね。 【東京50km圏道路地図】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2023-06-26 12:14:48) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 なんと見せ方の上手い映画なんでしょう!内容はまさに胸がすく勧善懲悪モノ、ピシリと無駄無くテンポ良し。登場人物も多いけれど、原告、被告、陪審員とナゾの男女の4タイプでくくればそれほど厄介でもない。J・キューザックが最初からかなりの切れ者で素人の仕業としてはうまく行き過ぎだし、コンサルタントの派手な犯罪行為が何故バレずに続けられたのかハテナですが、色々がもうしゃくにさわるくらい上手くできている。オジサン俳優たちもそれぞれ見せ場充分で、ボヤッと生きている私にとっては、どこかに愛嬌のある突っ込みどころはないもんかと考えちゃうくらいスキッと上手くできたサスペンスだった。 【のはら】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-03 03:26:54) (良:1票) |
35.《ネタバレ》 久しぶりに再見。 この映画の面白いところは弁護士とは別に「裁判に勝つためのコンサルタント」が実際に存在する事を世間に知らしめたところで、例えば陪審員を選ぶシーンなんかは映画的にちょうどいいデフォルメが入ってる事もあり興味深くかつ面白く観る事ができます。 まぁキューザック側の目的は最初から見え見えなので(だってあれ以外の理由や動機は映画的に考えてないでしょ)、そういう意味でサスペンス的な要素は非常に薄いんですが、それでも最後まで面白いですし、オチも「観客的に一番すっきりする」ところでオチをつけてくれるので納得のオチです。 それにしても銃規制については本当にいろんな映画で取り扱われているのですが、そのほぼすべてが「銃反対」のスタンスです。まぁだからこそこの映画もキューザック一派の目的は「銃規制反対派を阻止する事」だろうと想像がつくわけですが、もしアメリカの銃賛成派がもっと多いなら、プロパガンダの意味でも「修正第2条は必要なんだ」的映画がありそうなものなのにそれが存在しません。まぁいろんな理由があるんでしょうが、突き詰めれば銃規制賛成の人が多数派だからなんでしょうね。そうでなければ「銃規制賛成」を指示する系の映画は採算が取れないから作られないはず。なのに沢山作られるのは銃規制に賛成の人が多いからだとしか思えません。 一緒にしてはいけないんでしょうが、なんかNHK受信料の扱いに対する日本国民の意見の傾向に似たようなものかなぁ、と思ったり。 【あばれて万歳】さん [インターネット(字幕)] 8点(2020-09-08 15:00:37) |
34.《ネタバレ》 序盤がちょっとわかりにくいというか入りにくい印象ありましたが, 面白かった. 【RTNEE USA】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-09-23 15:51:46) |
33.途中のダスティン・ホフマンとレイチェル・ワイズがカフェで交渉するシーンが好きです。結末を知ってから観るのと知らないで観るのとでは印象が大違い。観直してみたんですが、レイチェル・ワイズ良い演技してます。良いシーンです。 【マリモ125cc】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-07-08 10:08:50) |
32.《ネタバレ》 銃社会/陪審員制度への警鐘が前面に打ち出されていますが、私は、原告が勝訴した時に自然にガッツポーズをしていました。歳を重ねるに連れ、人は惰性に身を委ね、屁理屈の塊になり、醜くなっていきますが、私の中にもまだ「人を信じる心」が少しは残っているんだなと思い、微かに安心しました。ダスティン・ホフマン演じる原告側の弁護人ローアが、自分の弱さに負けて一旦陪審員の評決を買収しようとしてしまうシーン、結局は買収は自ら白紙にしましたが、あのくだりに人間味を感じます。ダスティン・ホフマンvsジーン・ハックマンのトイレ対決は見応えがありました。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-01-27 17:19:06) |
31.先が読めるが、それでも最後までハラハラさせられる緊張感とテンポがとても良い。 【茶畑】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-09-10 23:42:31) |
30.何かが足りないキューザックの顔、ハックマンの横暴さ、レイチェルのミステリアス、ダスティンの正義感。脚本とベストキャストの勝利。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-06 18:23:58) |
29.原作は未読ですが、きっと面白いのだろうと思う。本作も十分に楽しめました。ただ、邦題は最低ランクに位置するぐらい良くない。 【クロ】さん [地上波(吹替)] 8点(2007-06-09 10:02:56) |
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28.この映画面白い。ジョン・グリシャム原作の映画化された中では一番面白いのではないだろうか。ある程度、結末は予想される。でも、面白い。一体何が面白いか。今までの法廷ものは弁護士VS検事にスポットライトが当てられていることが多かった。しかし、この映画、陪審員の意見が陪審員側でどのように動くかすか、つまりフィクサーの中のフィクサーにスポットが当てられている。通常の陪審員ものの映画ともまた違った観点から描かれている。又、時間を忘れさせるスピーディーな展開もいい。初めはこの映画のスピードについて行くのがやっとだが、そのスピーディーさもやがて心地よくなっていく。 ジーンハックマンの悪役、あいかわらず素晴らしい!! 【ぬーどるす!】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-01-21 00:42:20) |
27.《ネタバレ》 なかなか見応えがある作品だった。 豪華キャストにサスペンスらしいテンポのある演出、まずまずはずしていない一品だ。お約束のダスティン・ホフマンとジーン・ハックマンの対決場面も用意されている(トイレという最低の場所なのが皮肉。)個人的ひいきのジェレミー・ピヴェンも出ていてうれしい。 グリシャム作品は読んだことはないが、まあクレバーな作者なのだろう。マーリーとニックのあまりの手際の良さに無理があるとは誰でも思うけどね。なんで他の陪審員を操れる自信があるのか?なんで素人の若い女がプロ相手に堂々と交渉する余裕があるのか? ひとつ言いたいことはこの映画で最も重要なセリフ、ダスティン・ホフマンのローアが最初にマーリーに出会って数分で彼女の正体に感づいた時に発した「Who hurt you?」なんだけど、字幕では「過去に何が?」と訳してました。これでは肝心のところが伝わらない、ここは「誰に恨みが?」が正しい。 ローアは今回の取引が「金目的」からスタートしたのではないということを、マーリーに出会ってすぐに気づいたのです。自分自身が金以外の目的を持っている同類だからでしょう。その証拠に、ライバルフィッチは、「金目的」であることを終始寸分疑わない。 それと、最後までローアに電話をかけて取引を進めようとしていたことが不可解ですなあ。フィッチに対する牽制目的としては、過剰に思う。自分達と変わらぬ目的を持つ弁護士から、なぜそうまでして金を引き出そうとしていたのか? それで上記の「素人なのに強すぎるマーリー」における設定の無理が、超個人的に私の共感を呼ばないんですけど。こんなシロウトの若い女いるか?いったいどこでどう訓練したわけ?レイチェル・ワイズは本当に台本どおりに演じたみたいだなあ。マーリーの葛藤がほとんど描かれていないぶん、彼女がゴルゴ13のように非情に見えてくるのだが、あの通りの可愛い系の顔で、冷酷な犯罪者としか思えないセリフを繰り返されると観客は(私は)ある種のストレスを感じる。ミスキャストかなあ。 「銃を造る会社と売ったやつに責任はあるのか」というテーマに対しては、文化の違いもあり何ともいえない。保留。 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-07-23 16:08:21) |
26.これは面白い!キャストも豪華で見ごたえあり! 【バイオレット】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-03-21 11:50:57) |
25.《ネタバレ》 最後に正義は勝つ!の定義は守りつつ、陪審員制度の裏を見事に描いた作品。最初からラストまで実にテンポ良く見れました。実際に問題になっているアメリカの銃社会の実状、陪審員制度、それを生業とする人々、裁判の裏で使われる大金・・・今現在行われている裁判のどれだけの数が公平な裁きを下しているのか? 【レッドホーク】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-03-02 02:55:31) |
24.血なまぐさいシーンがほとんどないのに、こんなにもスリリングな映画ができる。暴力によるこけおどしではなく、知性と知性がぶつかる頭脳戦の迫力が素晴らしい。陪審員制度という切り口も新鮮で引き込まれた。 また役者もいい。とくに敵役が魅力的だと話が引き締まるものだが、ジーン・ハックマン演ずるフィンチの存在感は際立っている。シャーロック・ホームズもどきの登場シーンからずっと、彼が登場するたびに画面にかじりついた。悪党でありながら、その鋭い知性としたたかさには舌を巻いた。 けっしてリアリティのある展開とはいえないものの、馬鹿らしくならない程度にうまくバランスがとれていて、ラストは爽快。非常に良質のエンターテイメントとなっている。 【no one】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-12 14:00:44) |
23.こんなことが行われているのか、と驚いてしまいました..アメリカ陪審員制度、恐るべし! 作品の方は単純に面白いです..知的な脚本、良く出来ています... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-09-28 16:50:52) |
22.かなり面白かった。ダスティン・ホフマンって背小さいなー。 【ベルガー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-23 13:59:20) |
21.まったく聞いたことも無く適当に借りてこのおもしろさはすごい。出ている役者も、弁護士側の陪審員選び人?の人の要る意味がまったく無かったぐらいで、みんな良い味出してた。内容もサクサク展開が変わり見ていて楽しく飽きさせず良かった 【マキーナ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-06 19:54:43) |
20.《ネタバレ》 陪審員制度になじみがないだけに、陪審コンサルタントという仕事があり票を取り合うといういかにもアメリカ的なところが興味深かった、ドラマが法廷の外で起きている点がおもしろい。ストーリーも善が悪をやっつける痛快系で後味も悪くなく、終わってみれば王道を行っている映画。そして、何よりも、ホフマンVSハックマン!!お互いがお互いのキャラにマッチした個性を出し競い合っているように見えた、トイレのシーンは圧巻、さすがであった。 【ぼぎー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-03 14:10:48) |
19.レンタルDVDにて鑑賞。面白かった。陪審員制度の裏側を見れてちょっと勉強になった。ラストのカタルシスもなかなか。G.ハックマン・D.ホフマンの存在感、見応えアリ!ただ、ちょっと疲れます。 【いわぞー】さん 8点(2005-01-23 21:08:31) |