41.《ネタバレ》 すごく『男の子』で、すごく『母』だなと思った。息子がそれはそれは一生懸命についている嘘。それが嘘と判った上で『素晴らしいわ』と言える母。これは本当に愛しあっている家族だからこそ出来る技でしょう。人間も動物だから、本能としての肉親愛は備わっているけれど、そこから一歩踏み出した家族愛は、結構むずかしい。相手の幸福を想う事。感情に押し流されない事。自分よりも相手の心地良さを優先する事。これって、簡単なようでいてとてもむずかしい。この母子は、それが出来るからこんなにもあたたかい。あたたかいから、かなり毒舌なユーモアも、嫌味なく見られる。ベルリンの壁崩壊のニュースを観た時、わたしはまだ子どもだったけれど、ブラウン管を通して伝わってくる人間のパワーを凄いなと感じた。この映画も、もっと規模は小さいけれど、ひたひたと余韻を残して、あの時と同じように人間のパワーは凄いと感じさせてくれる。 【ともとも】さん 8点(2004-11-04 23:05:23) (良:3票) |
40.《ネタバレ》 今までに見たことがあるドイツ映画の中では、一番面白いと思いました。東西ドイツの統一によって、人々の生活や社会環境がどのように変化していったのかがよくわかる映画です。えてしてそのような映画はエンターテイメント性を犠牲にすることもあるのですが、この映画については多くの人が楽しめるようにコメディ色の強い演出も頻繁に出てきます。また、登場人物たちそれぞれに魅力があり、ヒューマンドラマとしても完成度の高い作品だと思います。僕の場合は、母親の命を助けるためとはいえ、ずっと嘘をつき続けることが果たして正しいことなのか、ということを深く考えさせられました。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-07-10 04:35:02) (良:2票) |
39.《ネタバレ》 『ベルリンの壁崩壊』を扱った映画が(自分の中では)あまりない上に本作は「東側」の視点から描いたものだ。正直世界史の授業では「西ドイツと東ドイツが一つになって民主化されていきました、めでたしめでたし」みたいに教えられたから、『ベルリンの壁崩壊』に対するイメージはそれしかなかった。だが、「東側」からの視点で観てみると、必ずしも彼ら全員にとってはハッピーエンドではではないことが分かった。自分が今まで信じてきた教義がある日を境に反転してしまって、いきなりマクドナルドとかが進出してくる、・・・ってなったら実際「ポカ~ン(゜ρ゜)」でしょ笑 お母さんに嘘をつき続けることを貫徹する息子。やっぱ観てる側としては正直「本当のこと教えようよ・・・」って心苦しくなってしまう。だけどそんなこときっとお母さんは分かってたんだろうな。分かってても息子が自分のために嘘をついてくれることに親孝行を感じたんだろう。そう信じたいものだ。 【たいがー】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-07-16 16:18:56) (良:1票) |
38.昨年、観た外国映画の中でこれは拾い物の1本!ドイツの国柄をきちんと描いた内容で、単なる政治ドラマでもないし、けしてお堅い映画ではありません。コメディタッチな要素も上手く取り入れて良質の映画になってます。この映画に出てくる俳優、誰一人として知ってる人はいなかったけど、映画って撮り方によっては一人も知ってる人がいなくても十分楽しめるんだということを教えてくれるそんな作品です。とにかくこの映画に出てくる人達みんながとても良い人達で温かい気持ちにさせられる。ララ、私も可愛いと思いました。 【青観】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-06-26 19:26:26) (良:1票) |
37.《ネタバレ》 ラスト近く、皆で嘘ニュース番組を観てるシーン。満足げな主人公。笑いを隠せない恋人とお姉ちゃん。何とも優しく息子に視線を送るお母さん。それぞれの表情に泣いてしまった。母親の、全てを知った上での「素晴らしいわ」は本当に良い。登場人物が皆優しくて良いやつで、それもまた泣ける。観た後、色々勉強したくなった。 【みち】さん 8点(2004-12-11 00:39:30) (良:1票) |
36.《ネタバレ》 最期の「素晴らしいわ」にはやられた。ビデオの内容にではなく、ビデオを製作する過程に対して贈られた一言。 『ベルリンの壁崩壊』なんて、ドイツから何時間も時差のある私たちには一つのニュースとしてしか伝えられてこなかったけれど、この作品を通して東側の戸惑いなど当事者の様子が少しは分かった気がする。今までに見たドイツ映画に違わず、国民性そのままに生真面目に作られたこのドイツ製コメディは、ハリウッドのアホ臭いコメディ映画では絶対に醸し出す事の出来ない物悲しい余韻を、観客の心に残してくれた良作だったように思う。 【wood】さん 8点(2004-10-23 23:00:17) (良:1票) |
35.《ネタバレ》 なんともハートフルな映画ですねぇー。全編アレックスの嘘なんですけど、私はこの手の嘘って好きです。自分以外の為の全身全霊の嘘って素敵じゃないですか。「嘘も方便」って奴ですね。その全身全霊の嘘に快く協力する街の人々も素敵です。特にロバート・カーライルになんとなく似てたアレックスの友人が良いっすねー。自分の趣味全開で(笑)(監督はキューブリックファンなんでしょうかねー。アレックスって名前もあれからとか?)で、キーパーソンとなる、アレックスの彼女のララ。この映画ってずっとアレックスの視野で展開するんで、母上は事実を知らないままって感じなんですけど、確実にララは伝えてますね。まぁー彼女自身母へ演技を続けているのが茶番って感じてた節もありますし。で、それをあえてしりつつも、息子の愛の篭った嘘をずっと付かれ続けている振りをしている最後のシーンもジーンときますよ。テレビじゃなく、アレックスをじっと優しく見続けるシーンが何か救われた気がします。重いテーマになりそうなところを実に軽快にテンポよく撮った監督なかなかなもんですね。あとこのタイトルにもなったレーニンが吊るされてるシーン凄いっすね。あれを見た母はどう感じ取ったんでしょうか。。 |
34.《ネタバレ》 あの“素晴らしいわ”には泣けたなあ。東西冷戦も、社会主義の崩壊も、ドイツ統一も、ましてや人の一生も、宇宙から見ればすべてちっぽけなこと。でもそんなちっぽけな人生にもこんな“素晴らしい”ものはあったんだよね。おもしろうてちょっと切ないよい映画。 【馬飼庄蔵】さん 8点(2004-05-03 15:09:46) (良:1票) |
33.《ネタバレ》 国家によって台無しにされた個人の人生を描いているけれど、重たくならず場面によってはコミカルに描いているその筆致に感服する。 どの人物も(脇に至るまで)きちんと人間が描かれていることに脚本の良質なことを感じる。母のために献身的にがんばる息子ダニエル、それよりちょっと現実的な姉、彼ら家族を生暖かく見守る周囲の人々と。 お母さん、大変な人生でしたね。幼子を連れてすでに当局に目をつけられている夫のもとへ亡命するなど、怖ろしくて勇気を奮い起こすことなど容易ではなかったことでしょう。反動で共産活動に精を出す、その気持ち分からなくもないです。こつこつ貯めた貯金が価値を失くしても、こんなにも愛のある息子さんが育ったではないですか。 人生の去り際に、わが子のしたことを悟って息子を見つめる母の眼差し。世の中の真実を知っても、皆が心配したようにお母さんは壊れたりしなかった。母の愛は真に強く優しい。 統一後の東側の混乱ぶりを市民目線で知るのは初めてで、勉強にもなった。道路わきに積まれた古い家具、(それもすぐには回収に来ない)我慢に我慢を重ねてきた市民らの思いの象徴のようだった。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2016-09-03 00:05:04) |
32.面白い映画でした。 話としては、まあコントやコメディでありがちな、まだ続いています的なウソ話ではあるが、さすがにベルリンの壁崩壊を隠すという話はないので、 東と西の違いを風刺として、そしてどちらの生活が良かったのかを教育として考えさせられる、非常に価値のある映画だと思う。 【シネマファン55号】さん [インターネット(字幕)] 8点(2016-07-14 15:15:09) |
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31.単なるコメディと思ってましたが、ほんわかと感動させてくれる良作。ああいうお母さんはちょっと嫌だけど。ヒロインが可愛すぎてビックリ。名前からしてトルコ系ロシア人でしょうか。恐るべし。あと映画マニアの友人の造型もいいなぁ…。「ひょうきんなドイツ人」という、ちょっと想像しがたい難役もあの顔立ちなら納得。キャスティングの妙ですね。 【番茶】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-05-30 06:42:55) |
30.《ネタバレ》 笑えて泣ける優等生的な映画でした。最後にしてやったりとニセニュースを自慢げに見せる息子。この時お母さんは、息子の優しさに胸がいっぱいだったでしょう。幸せに満ち足りた安らかな気分で逝かれたことと思います。私も両親の最期には不安や恐怖もない落ち着いた心持ちで息を引き取ってほしいので、しっかりそばにいてあげたいですね。 |
29.《ネタバレ》 展開の小説的な流れが凄く好みだった。 お母さんの病状の変遷とかスリルを引き出す小道具になっていて、良くできてるなぁ。 文章だと受け身でそう思えるところを、映像で作るのはなかなか大変だったんじゃないかと思う。 すぐ突っ込みどころがビジュアルで分かってしまうので。 良くできてる。 この映画の主張がどのあたりまで現地の人の考えと一致しているのか分からないんだけれど、少し真剣に世の中を眺めるきっかけにでもなればいいなと感じた。 この映画のキャラクター達の、どうでも良いような努力が生活の柱を作る。 その類の努力すらやってないな、最近。そう言うところを認識するとちょっと良い薬になる。 そう言う部分の活力が無ければただ仕事で人生がすぎてしまうと思う。人それぞれ違うものであろう生活の大切さを少しだけ感じられた。 【黒猫クック】さん [DVD(吹替)] 8点(2009-03-21 20:41:02) |
28.《ネタバレ》 序盤はナレーションが多くいまいちだったが、アレックスの同僚や姉のダンナ等、魅力的な人間も出てきて、気づかぬうちに入り込んでいた。あそこまでいったら最後まで・・・と思い、ララの行動にはブーイングものだったが、ラストのビデオのシーンを考えると納得。息子のあふれる程の愛を感じながら、空に散った彼女は幸せだっただろう。 【オニール大佐】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-08-04 22:29:21) |
27.《ネタバレ》 素直に感動できる映画でした。コメディと聞いていたけど、ヒューマンドラマですねジャンル的には。主人公が母親にドイツ統一のことを必死で隠そうとするのがとてもすごかったです!「そこまでするか?」みたいな感じで見ていました。でもそれは、母親のためでもあり、自分のためでもあったというのが好印象でした。最後に母親にみせたビデオに編集したものは、主人公が理想とした東西ドイツの統一だったと思います。良い映画でした。 【のび太】さん [DVD(吹替)] 8点(2008-01-22 21:31:55) |
26.《ネタバレ》 エピソード・小ネタ情報を今拝見しまして、やっぱり!と思いました・・・ なんかおかしいと思ってたんですよね 笑 これは素敵な映画ですね。キャラクターの軽さが、ちゃんと見てる人を中心まで案内してくれます。 母は聡明で強く、愛にあふれていました。いや、映画全体に愛があふれています。 暖かくなる映画でした。 しかしお母さんの前をレーニン像が飛んでいくのは、見てる方がはらはらしました・・・ 【しゃっくり】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-12-09 02:54:19) |
25.《ネタバレ》 嘘も使いようによっては、薬になるばかりでなく、人を幸福にする。愛する肉親の精神的な安定と安らかな死への旅立ちのためなら、歴史さえも変えることは苦にしない。何と言うメルヘンだろう。何と言う愛だろう。ついでに理想の世界を描いてみよう。わかる、俺もそうするだろう。想定外のハプニングにも臨機応変に対処する心意気が泣かせる。どんな事があっても、ごめん、実は・・・なんて死んでも言わない。父親が協力した場面は、さすがに笑ったが。嘘でも言い続ければほんとになる。夢もあきらめなければ実現する。全てが母親への愛なのだ。 【パセリセージ】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-07 23:41:34) |
24.まだ最近だからかもしれないが、冷戦の崩壊をテーマにした映画って少ないような気がする。西と東は同じドイツ人の国でありながら文化や価値観がまったく違くなっている。(ピクルスやトラバントが好例として挙げられているけど)日本人はまずコメディとして見てしまうだろうけど、当事国であるドイツ人にとっては、この映画は切実なものだろう。社会的メッセージ性があり、かつ程よい笑いもとれる良作だと思う。 【こまごま】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2007-01-04 11:55:43) |
23.《ネタバレ》 良かった。母を思う息子の気持ちに涙。母も息子の嘘に気づいていたんだと思う。最後の母のアップの映像が良い。発想も良い。 【あしたかこ】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-05-26 03:44:43) |
22.《ネタバレ》 母のための嘘が、いつしか己のための嘘に。 息子の母への思いが切なくも暖かく感じられた。 嘘をつくよりも良い方法があるのでは?と思われるが、 やり過ぎとも感じられるアレックスの不器用さが出ていて良かった。 真実を知る者達に囲まれ、遺灰が撒かれるシーン。 個人的に印象深く、深い余韻に浸れた。 東も西も、資本主義も社会主義もそこには無い。 ただ深い愛が・・そこにはあった。 画的に洒落たシーンが多く、深いようで重くはないので気軽に見られる。 【HIGEニズム】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-04-23 23:54:32) |