4.まず阪妻。
凄まじい存在感!
これぞニッポンの雷オヤジ!
息子役の森雅之が「こわぃ、オヤジだなぁ・・・」とつぶやくのが愉快、そして納得。
あの森雅之を子供扱いにする阪妻の迫力は流石。
そして次女役の桂木洋子。
本作でもやっぱり可愛いかった。
いつも思うが、桂木洋子って若い頃の「いとうまいこ」(若い頃の芸名は「伊藤麻衣子」)に声も雰囲気もソックリな気がする。
又、妻役の村瀬幸子だが、観ている間中ずっと沢村貞子に似てるなぁ、と思っていた。
そしてラスト付近で、その妹だが姉だか「おばさん」役の、当の沢村貞子が登場。
これにはビックリ。
やはり似ている。
そしてこの似ている二人を姉妹にもってきたのが、また良い。
阪妻に話を戻すと、前述した「存在感」や「迫力」といったものを前面に出しながらも、同時に「コミカルさ」や「人間の弱さ」なども滲ませている。
これは阪妻の天性のものか、それとも演技によるものか。
いずれにしても、凄い俳優だ。
阪妻の出演作には傑作が多いのがよく理解できた。
阪妻という俳優は、その一人の力で、作品全体を傑作にまで至らしめるパワーと実力を持った俳優なのだ。
傍若無人な大太鼓。
哀愁漂う破れ太鼓。
両方を見事に演じ分けた阪妻の演技に、ただただ敬服するばかりである。