1.《ネタバレ》 いわゆる「忠臣蔵」オールスター映画ですが、深作欣二監督という事で一味違ったもの
に仕上がっています。吉良上野介はひたすら嫌らしく描かれていました。▼初めて気がついた事など列記してみます。吉良家の紋所が太閤秀吉と同じ五七の桐紋であったことは初めて知りました。高家筆頭と威張る訳です。最後のお茶会に山田宗偏が持参する光悦の「白雪」は、かなり本物の光悦ぽっくって良かったです。討ち入り後の殺陣はかなり壮絶で迫力がありました。剣客・小林平八郎に扮した渡瀬恒彦が2つの助演男優賞を受賞したそうですが、納得しました。その討ち入りに気づいて支度しながら「打つも武士道、打たさざるも武士道」と云った台詞は本当に印象的でした。▼赤穂浪士の最初の血判同盟者56名から47名(+1名:寺坂吉之衛門)まで8~9名の脱落者がでているのですが、この映画では、特に近藤正臣扮する男がサイド・ストーリーとして取り上げられています。江戸から赤穂へ場面展開の最初が彼らの結婚式でした。どんな集団にも必ず種々の理由で脱落してゆくものがおり、その心情は切ないものがありますが、それをかなり印象的に描いていました。瑤泉院が討ち入りの事を聞き、「殿様1人の為に、47人もの方々が命を投げ出して・・」と感歎しますが、本当にそのとおりで、浅野内匠頭は堪え性もないオボッチヤンであったが、その家来達が男の意地を通した、という事を改めて感じました。