7.《ネタバレ》 壮大な負け戦映画です。よく日本人は「空気」に流されると言われますが、欧米人だって同じこと。場の「空気」に支配され決断・判断を間違えてしまうのは万国共通です。この映画に出てくる男たちは、皆、優秀です。礼儀正しく、勇敢で、部下への思いやりがあり、最後まで仕事をやりぬく不屈の精神がある。その男気が戦争の空気に支配されると、とんでもないことになってしまう、そんなことを教えてくれる映画です。しかし、空挺師団が出陣するシーンはワクワクするよなー。戦争は悪だと知りつつも、胸を躍らせてしまうんだよな。映画のラストは子供が兵隊ゴッコをしている姿で終わります。男の子の無邪気さが戦争という不幸につながることを暗示させています。 【爆裂ダンゴ虫】さん [映画館(字幕)] 8点(2010-04-25 17:31:29) (良:1票) |
6.マーケット・ガーデン作戦とは,お偉いさん達のしょーもない功名心を満足させるために,ロクな作戦も立てずに実行した結果,各所で部隊が孤立しまくって結局失敗に終わった愚劣な作戦の代名詞みたいなもの。日本でいえばインパール作戦か。レビューにあるような,長いとか,シケた作戦だとか,エピソードが細切れで繋がってない....という印象を私も持ったが,それはアッテンボロー云々より,むしろこのようなマ作戦の性質に起因するのではないかと私は思う。また,そういう印象を与える原因のひとつとして背景説明が不足しているという指摘もできそうだが,この映画はそういう部分をそぎとってドキュメント効果を狙ったわけだから,これも本末転倒か。戦争ってしょーもないんだなとか,どんな豪華俳優が演じようと,前線の将兵なんて巨大なシステムの中では所詮は将棋のコマにしか過ぎないんだな,なんて思ってしまった映画。 |
5.《ネタバレ》 映画を観る前に、コーネリアス・ライアンの「遙かなる橋」を一読することをおすすめします。そうすれば"マーケット・ガーデン作戦"の概要や地名などの位置関係が把握できます。若い頃映画館で観たときは、オールスターキャストのわりに全体のまとまりがなかったなという印象でしたが、何度も見返すウチに、アッテンボローの意図がわかってきた気がしました。「プライベートライアン」にもいえることですが、最前線で戦う兵士には、上層部の立てた作戦がわかるわけもなく、命令を受けたらその通り戦うだけのことです。また、戦場が市街地である場合、民間人を巻き込んだ、非日常的な世界が展開されるのは当然のことです。V1やV2によるロンドン空襲を防ぎたいというイギリスの政治的意図に巻き込まれた、連合国兵士やオランダ市民の悲劇として観たら、この映画の目的はある程度達成されたと思うのです。アンソニー・ホプキンス演じる前線指揮官は、作戦の無謀さのために多くの部下を亡くし最後は捕虜になります。オランダのレジスタンス一家は、ドイツ軍の存在を伝える努力をしますが、最後には少年の死という結末を迎えます。そういう悲劇が繰り返される中で、随所随所にさまざまなエピソードがちりばめられているわけです。たとえば、ロバート・レッドフォード演じるアメリカ軍の決死の渡河とその無意味さ、ジーン・ハックマン演じるソサボフスキー将軍のポーランド師団の悲劇(余談ですが、実物の写真とそっくりです!)、ジェームズ・カーン演じる下士官の話、家を接収されたオランダの老婦人の話、リブ・ウルマンとローレンス・オリビエらの献身的な看護活動などなど。戦闘車両に関しては、最近の作品に比べてしまうと、ドイツ軍戦車や装甲車の描写がものたりなくて仕方ないのですが(「プライベートライアン」のタイガーI や「レニングラード」のIII号戦車、「コレリ大尉のマンドリン」のヘッツァーなどに比べて、あのレオパルドでは、「バルジ大作戦」のM47製キングタイガー(笑)と同レベルです)、そういう脇役を差し置いても、人間ドラマとして観たとき、非常に興味深いものを感じるわけです。戦争の無意味さを描いた作品として、あらためて見直す価値があると思います。蛇足ながら、あの音楽はいいですね(微笑)。overtureなどついつい口ずさんでしまいます。 【オオカミ】さん 8点(2003-12-03 17:20:34) |
4.こないだBSでやっているのを、タイトルも知らずに、誰が出ているかとかも知らずに観たのですが、良かったと思います。一人のミスで戦況が左右される、そしてその世界では、そうですね、今、自分の知っている人が死んだらすごくパニックになりますよね。最後、市街戦に巻き込まれた父親と少年のように。でも、戦争になれば死者は「ボディカウント1」というようになってしまう。フルートを吹くための指をトリガにのせた青年、橋の爆破を注進したSS、昼食のワインは何か、と聞く将校。誰が誰、と言う事を知らないまま観たためか、物語に集中できました。個人的には、傘を持った伍長さんが好きですね。彼の役名、階級、指揮系統、俳優さんを御存じの方は、どうか教えていただけますか?長くなった上に、なんだかまとまりませんでしたが、戦争時の群像劇、として好きな映画です。 【さっしぃ】さん 8点(2003-03-02 20:59:53) |
3.史実でありながら徹底して戦闘シーンにこだわった点で「空軍大戦略」と並ぶ戦争映画の傑作と思う。大物をそろえたキャスティングや細切れのストーリー,視聴後の後味の悪さ等投稿された皆さんがご指摘の通りと思うが,単なるハッピーエンドものや戦争の虚しさ・悲惨さを訴えた(ただし連合軍側の)作品が多いアメリカ映画にあって,マーケットガーデン作戦という言わば連合軍の汚点とも言うべきものを敢えてモチーフにしたアッテンボローの慧眼を讃えたいと思う。今は亡きジョン・アディスンの「遠すぎた橋のマーチ」は名曲だ。どなたかサウンドトラックのCDの情報を教えてください。 【koshi】さん 8点(2001-08-04 01:27:53) |
2.最初に見た当時は、まあ良い映画かな、と。でも色々な専門誌を見ると間違いなくこの映画って非難されてますね。オールキャストにした割には巧く俳優たちを生かしきれてないとか。ロバート・レッドフォードあたりの使い方は仕方がないかなって気もしましたが、ショーン・コネリーあたりになってくるとちょっと苦しいような。個人的には悪いとは思わなかったのですが、史実をお金を掛けて作っただけとも観えなくもないです。かなりの大作だし、「史上最大の作戦」と比較すれば断然こちらの方が良いと思いますが、その辺は意見の分かれるところでしょう・・・ 【イマジン】さん 8点(2001-05-05 10:15:25) |
1.連合国軍の敗北を評価した映画として評価しています。アッテンボローの上手いのは、一般的に受ける方向をあえて外す度胸かな。でも、それが成功するんだから、凄い監督だよねぇ。 【奥州亭三景】さん 8点(2000-12-28 18:22:47) |