4.フィリップ・ノイス監督は、もしかするとブライアン・デ・パルマなんか以上に映像テクニシャンでありながら、それがあくまでストーリーテリングに埋没していることから「単なるエンターテインメント派」というレッテルを貼られて顧みられることのない、ちょっと不幸な人です。まあ、確かにその技巧派ぶりが作品のスケールを損なうといった面が、時に窺えるにしろ…。その点、本作は内容の軽妙さとノイスの持ち味が噛み合ったものとして、ぼくはとても好きな映画でした。まあ、アメリカ人にはこの作品のウィットが理解できなかったらしく、続編のハナシすら浮かびあがらなかったようだけど。ぷん。