13.《ネタバレ》 僕は基本的に老齢世代のロードムービーには特に点が甘いです。80年代の「バウンティフルへの旅」、最近だと「ネブラスカ」も大好きな映画でした。ビル・コンティの心地良いBGMに乗せられ、極寒のNYから陽光のカリフォルニアまでの長距離ドライブ。ハリー氏とトント君に同乗させてもらい、一緒に道中寄り道しながら愉しませて頂きました。通常ロードムービーだと、出発した場所に最後は戻ってくるっていうのが定番だけど、これはNYを出発してカリフォルニアへ行ったっきりでオーラスになるんですね。ほんの短い場面での登場ながら、エレン・バースティンはやっぱり強い印象を刻みこませる良い女優さんだなあと。僕も先日めでたく?「人生50年」の区切りの歳を迎え、これからの後半生どう生きていくかを考える時期になりました。そんな時にこの作品に出会えて良かったと思います。いや、別にお手本にしたいとかいうような登場人物はいなかったんですが、だってハリー氏はどこか自己中な部分もあるしね。世の中ってホントいろんな人がいるんだなあ、と。奥さんに先立たれたとはいえ、このハリー氏、かなり恵まれた環境の老後人生ですよね、いろいろと羨ましい。 【放浪紳士チャーリー】さん [DVD(字幕)] 8点(2018-11-10 08:28:24) |
12.役者としてもいい味のある好きな監督の一人P・マザースキーの代表作。老人と愛猫の住む所さえもままならない現実に生きてゆく事の厳しさがヒシヒシと伝わってきて、とても他人事とは思えない重厚ないい映画でした。猫好きにはたまらないほどトントが可愛くいじらしい! 【白い男】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-04-26 00:08:36) |
11.《ネタバレ》 長年住んでいたニューヨークのアパートが取り壊され、ひきとられた長男の家には居ずらく旅に出る老いたハリーのロードムービー。 経済的に困窮していないのは安心感と物足りなさ半々だけれど、ニューシネマのようにただ自滅に向かうのではないのはいいと思う。 ハリーの子どものうち後からでてくる2人は有名な俳優さん(バースティン、ハグマン)、最初に同居していた親思いの長男は父親と妻の間に立たされてかわいそうだった。 キッツイ奥さんも旅の途中の電話に出た時に泣きだしたことになっていて、自分が追い出したようで良心がとがめてたんだろうな、と和む。 行く先々の様々な出会いが心をあたため、相棒の食いしんぼう猫トントもかわいくて、だからあの姿は胸にしみた。 昔語りをした友の死もハリーに寂しさと共に自分に残された時間がそう永くないのを感じさせてた。 トントに似た猫もいるあの場所で、ハリーは残された人生を心安らかに過ごしたんだね、きっと。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-03-03 00:25:40) |
10.ロードムービーってやっぱすきだなー。こういう老後っていいなー。 【木村一号】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-01-23 22:09:37) |
9.脚本と演技でここまで面白い映画ができるとは思わなかった。最近の金をかけた超大作と比べても雲泥の差、これぞ本当の映画の面白さというのを感じさせてくれました。アート・カーニーのちょい癖のある演技もそだしトントの自然な演技、っていうのは当たり前か猫が好きなんでちょっとヤバかった(笑)笑いあり涙ありのラストは胸キュンでしたが夢のある終わり方をしたのでそこは嬉しかったなぁ~。 【M・R・サイケデリコン】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-03-25 01:47:30) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 愛猫トントに振り回されることで寄り道の多い旅になるのですが、猫は別に芸をするでもなく自然体で主人公と一緒にいるだけ(出歩きが否そうにも見える)というところが極めて猫らしく好感が持てました。老人問題を軸に据えながら、様々な世代の出会う人達、フラワーチルドレンや老インディアン、実の子供たちも結婚や事業に失敗して皆さえない人生を送っているのですが、それぞれの登場人物が悩みながらも一生懸命生きていることが描かれていて、しかも不思議な優しさや暖かさのようなものが伝わってきます。これは現代のアメリカを描くことでは無理かもしれません。一生懸命生きて老人になっても死はあっけなく訪れます。とても悲しい愛猫トントの死もあっさりと描かれます。しかしラスト30秒、新しいトントの出現の予感と子供の笑顔?は、老いて死ぬ事も新しい生命と希望につながるというメッセージのように感じ、清々しさを残すラストでした。 【rakitarou】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-01-18 18:49:33) (良:1票) |
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7.《ネタバレ》 頑固爺ィと愛猫の微笑ましいロードムービー。トントの自然な出し方が気に入りました。ヘンに芝居させていないところが。遠く離れた娘や息子たちを訪ね、彼らが必ずしも幸せでない現状にあると知っても、大げさに悲しむでもなく、わざとらしく励ますでもなく、大きな愛情で包み込むハリーに感慨を覚えます。こんな親だったら、子どもたちはどんなに慰められ安らぐだろうな、と。そして、だからこそ、ハリーはどの子どもの所へ行っても心からの歓待を受けているのだと思います。まあ、母親より父親の方が一歩引いて子どもに接することを心得ている場合が多いのかも知れませんが。そして、トントとも自立した関係だったわけですね。だからこそ、トントがあっけなく亡くなった後も、ハリーはその死を冷静に受け止めたラストになっているのだと思います。平坦な展開ながら、人も猫も孤独だけれど、孤独とは決して寂しいばかりじゃないんだ、ってことを教えてくれる温かい映画です。 【すねこすり】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-23 11:02:06) |
6.《ネタバレ》 変化より安定を望む老人。人よりも家につく猫。共通項を持つ「二人組」が、家を突然失ってしまいます。特にハリーは先妻を亡くしていますから、単独で行動するという点でも似通っているわけです。彼らが旅路で直面するのは、老いと、死と、大切なものとの別れ。本作を通じて、ハリーは一度も涙を流さないのですが、霊安室に横たわる友人、ぼけてしまった初恋の人、そしてトントを、悲しみながらも、慈愛を込めた瞳で見送ります。愛猫にかける最後の言葉「さようなら」はいけません。私は年甲斐もなく泣いてしまいました。お勧めの映画です。 【円盤人】さん 8点(2004-12-20 00:26:55) (良:2票)(笑:1票) |
5.人との一つ一つの出会いがどれもあっさりとしているのに、すごく印象強く感じられた。そして、相棒のトントとの別れが突然で切なかった。でもその別れさえもあっさりと流れて行き、そこでハリーが落ちこんだ姿などを登場させず、明るく終わって行ったので良い雰囲気だけが心に残って、今はとてもすっきりとした良い気分だけが残っています。 【ボビー】さん 8点(2004-07-27 19:57:20) |
4.住む場所を失ったおじいさんが相棒のトント(猫)と一緒に放浪の旅に出るという、心温まるロード・ムービー。途中でさまざまな問題に遭遇するのですが、何が起きても決してへこたれず、自分の生き方を貫くおじいさんにとても励まされました。 【きのすけ】さん 8点(2003-10-24 14:07:54) |
3.嫌な人が一人も出てこないのがいい。トントみたいな相棒は永遠の憧れ。 【mimi】さん 8点(2003-10-19 01:40:00) |
2.これも大好きなロードムービーのひとつです。大きな盛り上がりも無く、全篇にわたり淡々と物語は進んでいくのに、なぜか心にしみ込む映画です。人生の全てを見てきた老人ハリーですが、まだまだ生きて行くパワーを持っている。しかし一方では、老いの哀しみも否定できないし、していない・・・結構深いです。それにしても、やっぱり猫のトントは何も演技しません(笑)でもそれが良いところなんですけどね。犬でなく猫というのが。 【クロマス】さん 8点(2003-02-01 03:23:05) |
1.アメリカン・ニューシネマ以降の放浪の旅は、もはや若者だけの専売特許ではなくなったようで、本作を見る限りにおいてアメリカ人が家庭とか社会生活とかに、安住できない状況にすでになっていることの反映をあらわしているようだ。しかしこの主人公の老人は放浪できるだけのエネルギーが残っているし、見知らぬ娘(高級娼婦)に誘惑されるだけの艶やかさがある。こういった点でも国民性の違いというものを感じざるを得ない。老人問題という重いテーマを扱いながら、深刻にも湿っぽくにもならない。それだけにラストに深い余韻を残す。 【ドラえもん】さん 8点(2000-10-09 21:14:52) |