35.《ネタバレ》 1930年代のアメリカ。大不況で失業者があふれ、農村部では砂嵐が吹き荒れて離農者続出、格差がどんどん開いていった時代。ボニーとクライドが駆け抜けたのはそんな時代。閉塞しきった世の中を若さのままに暴走した彼らは一方では自由な魂の象徴にも見えて、あの時代にアメリカに生きていたらやっぱりちょっと憧れたかもしれません。 W・ベイティとF・ダナウェイという逸材を得て青春の無軌道を体現しながら、ピュアなラブストーリーを織り込んで2人の人物像に深みを持たせることに成功しています。 時代の徒花として散った彼らに用意された映画史に残る強烈なラスト・シーン。あの場面をもってボニー&クライドとこの映画は永遠のアメリカンニューシネマの金字塔として記憶されることになるのですね。 【tottoko】さん [映画館(字幕)] 8点(2022-07-30 23:53:13) |
34.《ネタバレ》 強さと美しさに惹かれあった2人だけど、クライドは兄貴とイチャついてばかりでボニーを素直に愛せない。困難を乗り越えるたびに少しずつ愛を確かなものにし、ついに愛しあうことができたのに蜂の巣。二人の運命はクライドが差し出した拳銃をボニーが愛撫した瞬間に決まっていたのだ。性と死の濃厚なメタファーが漂うあのシーンは本当に大好き。 【カニばさみ】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-12-12 23:43:42) |
33.《ネタバレ》 まったくの想像なんだけど、この作品はもともと、「無軌道な若者たちが、好き勝手にやってる間に収拾がつかなくなっちゃいました。さあどうなるんでしょう」というような脳天気系青春映画として作られ、また見る側もそういうスタンスで見ようとしてたんじゃないのかな。音楽からしてもそうだし、明らかに笑わせにかかっているシーンもいくつもあるし。だから、すべての予想を裏切って叩きつぶすあのラストシーンが強烈だったわけです。ただし、単に破滅ストーリーを追っただけではなく、その周りに絶妙なキャラクターの人物配置を行い(とりわけ、エステル・パーソンズ扮するブランチの物語左右力が凄い)、ラストへの展開を必然のものとしてみせたところが、この作品を他の同種の凡百のものから歴然と際立たせている。そして、あのラストシーン、目と目が合う一瞬の間に飛び交う物凄い量の感情の表現は、衝撃的であり、奇跡的でもある。思い出すだけでも怖くなるし、その後の銃弾よりもこっちの方が怖い。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2014-09-22 22:21:05) |
32.《ネタバレ》 ありきたりな映画ばかり作り続けたハリウッドに喝を入れた作品。バックが同じジョークを言うシーンで皆がしけた顔をするのがまさにそれ。当時の規制を打ち破ったあらゆる描写は冴えており、裸の女性の張り紙の上に張られているローズベルトのポスターはなかなかのセンス。大恐慌の時代に悪としての警察に対抗するボニーとクライドは、今までのハリウッドに対抗する脚本家、製作者たちの姿であり、この作品をきっかけに始まった「ニューシネマ」に終止符を打った「ロッキー」で白人困窮層や黒人によるボクシング会の席巻をロッキーが打ち破る姿が、俳優として成功していなかったスタローンを一躍スターにしたのに奇しくも似ているのは非常に面白い。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-11-17 16:40:55) |
31.お勧め作品に出てきているのでレビューしています。実話なんですよ、おどろき。 【HRM36】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-16 16:56:14) |
30.《ネタバレ》 中盤まではコントみたいな珍道中で、後半に向けて邦題のような状況になっていき・・・ 実話みたいだけど、うまく脚色されていて面白かったです。 何より、若い頃のフェイ・ダナウェイの色っぽさにビックリ! ラストは、もっとビックリ!! 今更ながら鑑賞して、2倍ビックリさせて頂きました。 【ぐうたらパパ】さん [インターネット(字幕)] 8点(2011-03-13 19:49:29) |
29.《ネタバレ》 映画史的な観点からはアメリカン・ニューシネマの最重要作であるが、現在のレベルで観てしまうと色々と稚拙な印象は拭えない。とは言え、当時としては考えられないほど過激な暴力描写とセックスの隠喩に満ちており、カウンターカルチャー真っ只中の60年代の若者たちから熱狂的に支持されたというのも頷ける。特にラストの「死のバレエ」の衝撃は今観ても色褪せることなく、その着弾効果の凄まじさは、後の『ゴッドファーザー』や『タクシードライバー』にも多大な影響を与えている。実際のボニーとクライドはとんでもない殺人狂で、警官と見るや容赦なく撃ち殺し、クライドはゲイ、ボニーは色情狂だったと言われる。映画化に際し、その辺りは相当美化されて描かれており(クライドは性的不能者で、殺される直前にボニーとはじめて結ばれる)、観客が彼らに感情移入できるよう配慮されている。配役としてはジーン・ハックマンやジーン・ワイルダー(映画初出演)が脇を固めており、C.W.モス役のマイケル・J・ポラードはマイケル・J・フォックスの芸名の「元」になったことでも有名。 【フライボーイ】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2010-09-06 07:01:25) (良:2票) |
28.私が今更言うことではないですが、歴史に残り続ける映画。ストーリー、撮影、衣装、すべてポイントを押さえていて、派手な音楽や派手なセットを利用せず、観れば観るほどセンスが輝いて見えます。 【はんにまる】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-02-06 14:16:06) |
27.ボニーの家族との出会いの場面とブランチの声以外満点。2回鑑賞。 でもこれほど身勝手で好き放題な行動は一般の若者にとって叶えられない望みであり夢である。その意味では共感を感じるが・・・。でも凄い、一気に終末へ。 【ご自由さん】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-24 17:51:53) |
26.《ネタバレ》 ボニーとクライドを特集した番組を見た後に鑑賞したので、やや感動は少なくて残念。ウォーレンかっこいい。 【成田とうこ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-07-26 22:19:15) |
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25.《ネタバレ》 プロダクション・コードが崩壊、そしてフランスにおけるヌーヴェルバーグの影響による監督の美意識を押し出すという作家主義、そして当時流行った芸術への自由。 以前とは全く違う新しいシネマ、アメリカン・ニュー・シネマの登場であるが、この作品もそのカテゴリーに入れることは有名である。思想とか流派というものとは違うが、60年代という革新的で特別な時期を象徴する作品である。 この時期においては若者のシニシズムにおけるアイデンティティの探求という作品が多く見受けられるが、本作では過度の暴力と破壊を用いて描いていき、最後には“死のバレエ”という大迫力の有名なシーンを使い自己破壊での簡潔をもってその答えを導き出していており革新的で度肝をぬかれる。 また、ドキュメンタリー・タッチの手法がボニーとクライドをより身近な人間に感じ、犯罪者である彼らに肩入れしてしまう。そして、不安な未来を感じ取ってしまう。だからこそピクニックや詩のシーン、そして死ぬ一瞬前の目と目が合うシーンが美しい。 今見る人にとっては共感というこの作品の当時の最大の要素を楽しむ事は難しいが今見てもシニシズムから生れた美しさは色褪せていないと私は思う。 【きいろのくじら】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-12-26 22:42:15) |
24.《ネタバレ》 やはりラストシーンは衝撃的でした。お互いの目と目が合って、短い時間にアングルが何度も変わる瞬間、まるで悪戯を見つけられた子供のように、ニッコリと笑うのです。台詞はありませんが、「あ、見つかっちゃった」と聞こえてくるようでした。 【shoukan】さん [地上波(字幕)] 8点(2007-07-21 23:59:39) |
【たま】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-30 22:30:40) |
22.《ネタバレ》 ボニーとクライドが撃たれる前に一瞬見つめあう、あの1秒にも満たないカットとあの表情が、この映画のすべてを物語っているようにも思えた。 この1秒にも満たない一瞬のシーンがあることによって、この映画に対する評価が個人的にずいぶん変わったと思う。 あの表情に二人の人生が凝縮されている気がした。 心身ともに休まることがない荒れた逃亡生活で、母親にも満足に会う事もできず、最愛の母親からも見放されてしまっている。 この世界に足を踏み入れなければ、退屈かもしれないが平凡でも幸せな一生を送れたかもしれない。 クライドが初めて殺人を犯したときに、今すぐ俺と別れろと言われたこともあり、なんどかクライドと離れる機会もあったかもしれない。 それでもこのような生き方を選んだことに対して、まったく後悔をしていない、むしろ、ボニーとクライドの二人はお互いに感謝の気持ちが溢れているよう表情に思えた。 あの一瞬のシーンによって、前のストーリーの全てが活きてくる。そんな素晴らしい演出は見事としかいいようがない。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-07-09 23:42:12) (良:3票) |
21.実話を基にしているけど、だいぶ美化されているようですね。 でも、テンポがよく面白かった。犯罪者なのに応援してしまいました。 最後のシーンはもちろん、THE ENDを出すタイミングが最高だと思います 【erica】さん 8点(2004-11-12 15:46:14) |
20.実在のギャングを、まるで民話のように、哀惜さえ込めて描いているところにアメリカという国の不思議さ、不可解さを感じる。ラストの壮絶さは言うまでもないが、その直前ボニーが車の中でリンゴを齧る場面で、ああ聖書だな、アダムとイブを下敷きにしてるんだなとわかった。禁断の木の実を齧ったために楽園を追われた男女にダブらせてるところに、やはりキリスト教の匂いがある。青春映画として秀逸。ラストの銃弾の雨は、好き勝手にマシンガンをオモチャ代わりに、「自由」に生きてきた2人への教会の祝福の鐘の音だという、どなたかの指摘は鋭い!考えても見なかったよ。あの凄まじいラストで2人は真に結ばれたということなんだな。そんな2人への祝福であり、同時に罰でもある。「おめでとう!」と笑いながら「でもやったことは、やったことだ」という刑の宣告でもある。日本の御伽噺にも残酷な話が多いけど、それと共通する質感があるなと思った。優しく諭すように語りながら、その奥に怖く厳しい戒めを含んでいる。本当の自由なんてものがあるとしたら、それはこういう最後と引き換えにするべきものなんだという厳しくニヒルな教訓だ。 【ひろみつ】さん 8点(2004-06-19 22:04:19) (良:1票) |
19.《ネタバレ》 前半はユーモアを織りまぜたりボニーのファッションが素敵だったりで、このまま犯罪をかっこよくファッショナブルに描いていくのかなーと思っていたんですが…、後半の悲惨さがすごかった。ボニーとクライドが愛し合ってるのがとてもよく伝わったので、その分余計に切なくて痛かった。ふたりがほかの形で出会ってたらなあなどとちょっと単純に感情移入してしまいました。 【クリロ】さん 8点(2004-06-15 02:38:59) (良:1票) |
18.犯罪行為を美化してないのがいいし、ラストは衝撃的。 【PAD】さん 8点(2004-06-08 12:43:21) |
【zero828】さん 8点(2004-02-24 21:23:08) |
16.不況のさなか、生真面目に生きることに「ノー」を突き付け、自ら悪人を志願した二人! 二人が最後に浴びた銃弾と銃声は、結婚したカップルにふりまかれた米粒であり、打ち鳴らされる教会の鐘の音だ! |