3.《ネタバレ》 予想外に堪能させてもらいました。迫害を受ける側の視点で描かれた作品はいろいろありますが、迫害する側を語り部にしている点が面白い。それはつまり米国白人にとって自分たちの祖先の理不尽な行為を晒すことになるわけで。かの国でどう評価されたかは知りませんが、なかなか勇気のある作品かなと。
ただし、さすがに一方的に追い立てるのではなく、陸軍側の主要登場人物4人はいずれも先住民に親和的。このへんで自国史批判にならぬよう、バランスを取っている感じ。
個人的に好きなのは、中盤にジーン・ハックマン扮する准将とジェロニモが膝詰め談判するシーン。お互いに嫌悪や不信を抱きつつ、それでも戦争よりはマシという点では一致して講和の道を模索するわけで、なかなか見応えがありました。しかし結局、すべて水泡に帰すあたりがなんとも。いかに和平が難しいか、いかに強者の論理が弱者を圧倒するかがよくわかります。まあ現代人なら誰でもよく知っていると思いますが。