1.《ネタバレ》 北野武の短編。
カンヌ映画祭で53人の監督が「3分」という制約時間で映画館をテーマに撮ったという作品の一つ。それらの作品と合わせて連続して見たらかなり面白いのだろうが、単発だと物凄く物足りない。
映画館、緑の原っぱ、道を駆けてくる自転車、見かけよりもさらに古びた館内が暗示する不安。
映画館で上映される「キッズ・リターン」の上映は度々途切れてしまう。途切れるたびに「すいませんね」という具合に謝る北野武の確信犯。煙草の数が語る待ち時間。
自転車で走るシーン、ボクシングのシーンがぶつぎり、今度はフィルムが燃えてしまう。
犬に餌をやってまた待つお爺さんの忍耐力。これがジワジワくる。
「俺たち(が出てるこの映画)もう終わっちゃったのかな?」「馬鹿野郎、まだ始まってねえよ」
すっかり夕日でえーこれで終わりかよ! 何だコレ。 怒るどころか呆れて後を去る爺さんの背中が何とも言えない。