2.《ネタバレ》 海辺の小さな町、老人2人のひと夏の心温まる友情のドラマ。
ユーモラス、それでいてどこか哀愁漂う。このバランスが実にいい。
作品の季節は夏真っ盛りの頃ですが、作品の空気はどこか夏の終わりの寂しさのようなものも感じます。
元船乗りで人生を豪快に生きてきたリチャード・ハリス演じる男と、
元床屋で人生を地味に生きてきたロバート・デュバル演じる男。
こんな場合、映画の中で圧倒的にオイシイのは豪快なじいさんを魅力いっぱいに演じたハリスの方なのですが、
ロバート・デュバルの静かで繊細な演技があってこその作品だと思います。
人生の黄昏時を感じるコメディですが、だからこそ若さが眩しいサンドラ・ブロックの存在も効いています。
2人それぞれに思いを寄せる女性がいるけど、1人暮らしの身。1人には息子がいる。
はっきりとはさせませんが、息子との関係は微妙なよう。
2人乗りの自転車、花火大会、釣りに来たはずが素っ裸で川に飛び込み大はしゃぎ。
などなど、性格は全く正反対ですが孤独で淋しげな2人が出会い友情を温めていく描写の1つ1つが素敵です。
2人の友情の終わりは実にあっけなかったけど、最後は友人の腕に抱かれてラストメッセージ・・・。
なんてことは現実にはなかなか無いもんな、とも思えるラストでした。