2.この映画は、
「弾丸と弾丸がぶつかって弾けるまでの弾道を追った映像が見たい」だとか、
「弾道を自在に操って芸術的な曲線を描かせたい」とか、
そういうビジュアルに対する妄想を「実現」させようというコンセプトのみで作られた映画で、それ以上のものもなければ、それ以下のものもない。
詰まりは、コレはコレできっぱり「完成」していると言える映画だ。と、思う。
「映画」が、音と光で構築されている以上、確実な目論見をもってして作り込まれた映像世界前にしたならば、少々ストーリーがチープであろうが、整合性に欠けていようが、それはそれとして評価しなければならないと思うのだ。
すなわち、存在そのものがマンガ的に妖艶なアンジェリーナ・ジョリーが、訳も分からない主人公を強引に引き連れて、大暴走を繰り広げる冒頭の時点で、この映画の価値は確定している。
どうも回りくどくなってしまったけど、要するに「こういう映画は、嫌いじゃないよ」ということ。