22.《ネタバレ》 シリーズ二作目は、北王子欣也=山中正治をストーリーラインのメインに据えた番外編みたいなお話しになり、菅原文太=広能昌三はいわば狂言回しのような役割となります。これはまだ抗争自体が燻っていたのに「二作目は広島戦争にしろ!」という岡田社長の号令に脚本の笠原和夫がビビったためで、いわばアリバイ稼ぎで書き下ろした感じみたいです。その為か山中正治のエピソードはかなり時期的にもずらされており(モデルの人物は昭和23年には死亡)、広能との絡みも創作みたいです。文太は出番の少なさに怒って一時降板を申し出る騒ぎもあり、文太なしでシリーズ四作が撮られていた可能性もあったのは興味深いです。 シリーズ中の最高傑作と評されるだけあり、登場キャラが立ちまくっているし群集劇としても見応えは十分です。中でもシリーズ中人気ナンバーワンのトリックスター、千葉真一=大友勝利の強烈な暴れっぷりと言動には惚れ惚れします。「あれらオ○コの汁でメシ食うとるんでぇ!」「人間うまいもん喰ってよ、マブイスケ抱くために生まれてきとるんじゃないの?」、いやはやこの倫理の欠片もない迷セリフの数々、やっぱ書いた笠原和夫を第一に褒めるべきなんでしょうね。北王子欣也も、銃を構えるところの演技が真に迫っていて、とくに最初の殺人のときのリアクションが実にリアルでした。またこの二作目は、北王子欣也と梶芽衣子の悲恋物語でもあるのですが、この梶芽衣子はシリーズ中で唯一の女性主要キャラとなります。まあこの山中正治というキャラは劇中では単なる鉄砲玉的な行動しかしてなくけっこうおバカな感じですし、梶芽衣子を婚家に戻そうとする村岡組長や若頭の考えもあながち理不尽だと断罪してしまうことも出来にくいんじゃないでしょうか。そう考えると、成田三樹夫=若頭・松永が、本作でもっともカッコよいキャラだったと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-01-02 00:18:49) |
21.《ネタバレ》 北大路さんと千葉さんの熱演に乾杯。ただ大友という役は言うほどクレイジーか?という感じで、思ったより普通という印象を受けました。あとは無駄に殺された若頭がかわいそう過ぎる笑 【なす】さん [インターネット(邦画)] 8点(2017-11-06 12:44:45) |
20.シリーズ中、主要キャストに女性が含まれる唯一の作品ですね。北大路も梶もいいけれど、印象としては「千葉真一死闘編」という感じ。ヤクザというよりはチンピラ風のチャラい声で、すっかり主役を食っています。後の作品にも「大友勝利」は登場するのに、千葉真一は今回だけ。老成した千葉チャンも見たかったなと。 【眉山】さん [インターネット(字幕)] 8点(2015-01-18 00:15:57) |
19.《ネタバレ》 他作の誰が死ぬか分からない様なヒリヒリとした雰囲気とは少し異なり、湿っぽい印象を持つ本作。それは誰もが裏切り裏切られ権謀術数が交差する他作とは違い、主人公格の山中正治にスポットを当てたからかも知れません。結構ストレートな恋愛もその印象を強めている。 但し本作には余りに魅力的な奴がいる!千葉真一演じる大友勝利です。彼の演技が特に素晴らしくもう最高。人間的にはクソ以下の様な振る舞いなんですけど、その広島弁の罵倒のリズムの良さ、迸る生命力(お前は何回撃たれたら死ぬんだ)、リアリストとしての人生哲学に惚れ惚れします。勿論、北大路欣也演じる山中正治の寡黙だが仁義を通し続けた生き様にもしびれましたが。 終盤で拳銃の残り一発の弾丸を確認する山中。彼はその一発を自分を裏切った組長に向けるのではなく、自死を選んだ。ある意味一作目と鏡合わせの様な作品であると思います。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-09-15 19:05:11) |
18.2013.03/20 鑑賞。梶芽衣子が可憐な感じでビックリ(最近、鬼の平蔵シリーズ鑑賞中)。 【ご自由さん】さん [DVD(邦画)] 8点(2013-04-24 23:35:17) |
17.《ネタバレ》 千葉真一と北大路欣也の怪演っぷりが見事だった。前作と本作を観て思ったのは、トップに君臨する親分の心中が、誰にも増して非道であること(山守組の山守、村岡組の村岡)。山中の死は、前作の坂井鉄也の死を思い出させるが、この2人は全然性格が違う。やれやれっていう表情をする広能昌三を観ると、一層やるせなさ感が漂う。相変わらず、セリフの半分くらいは何言ってるか聞き取れなかった。 【VNTS】さん [インターネット(字幕)] 8点(2012-08-04 16:17:06) |
16.《ネタバレ》 「仁義なき戦い」シリーズ第2作。今回はシリーズ本来の主人公である広能(菅原文太)を脇に回し、元予科練志願だった山中正治(北大路欣也)の悲劇的な末路を描いていて、前作のような勢いはやや抑え気味になっているものの、山中のドラマがなかなか見ごたえがあり、集団よりも個人に焦点をあてているのもあるのだろうけど、そのおかげで前作よりも分かりやすく、ドラマとしても前作より面白かった。予科練の歌を口ずさむ山中にはどこかかつて軍国少年だった深作欣二監督自身が投影されているのではないかと感じられるし、ヒロインの靖子(梶芽衣子)が戦争未亡人というのも利いている。ラスト、警察に包囲された山中の自殺シーンと、靖子の彼を思って号泣するシーンは演じる二人の熱演もあり、印象に残る名シーンになっているし、組織に利用され、虫けらのように死んでいく男のやりきれなさがよく伝わってくる深作監督の演出も見事。しかし、深作監督が苦手としているのかこの二人の惹かれ合っていく過程の描き方がちょっと適当というか下手に思え、この部分にもっと深みがあれば良かったと思う。出演者では山中を演じた北大路欣也はもちろんだが、大友を演じる千葉真一のキレたキャラクターもいい。最初は千葉真一が山中を演じ、北大路欣也が大友を演じるはずであったらしいが、逆にして正解だったと思う。成田三樹夫も相変わらずカッコイイし、広能の舎弟として登場する前田吟は「男はつらいよ」シリーズの博役でおなじみなだけにこういうヤクザ役は新鮮に感じる。そしてやはり梶芽衣子が美しく、恋人と引き離される女性の悲しさを見事に表していて素晴らしく、山中と靖子の惹かれあっていく部分の演出が下手に感じながらも、それでも彼女の演技から靖子の女としての悲しみが伝わってくるのはすごいと思う。このシリーズは基本的には女気なんかなさそうだけど、この映画の梶芽衣子は本当にいい。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2011-02-15 14:52:51) (良:1票) |
15.シリーズの順番を違えて、第三弾「代理戦争」を観た直後に、第二弾である今作を観た分、余計に特徴的な個々人の人間描写が鮮烈に印象に残った。 何と言っても配役が凄い。 シリーズの主人公である菅原文太演じる広能昌三を脇に配し、北大路欣也、梶芽衣子、千葉真一がそれぞれ濃すぎるほどの芝居を見せつけてくれる。 それぞれが決して魅力的なキャラクターというわけではないのだけれど、台詞を発する一つ一つの息づかいや、ぎらつくような目つきに、目が離せなくなる。 特に千葉真一演じる暴徒のキレっぷりは圧倒的だった。文字通り男の血と汗がたぎる映画世界の中にあって、梶芽衣子の色香も極上。 それにしても、深作欣二が生み出した同シリーズは、オリジナル全5作品がたった2年間の間に立て続けに公開されたことに驚く。 これほどまでに濃い映画を、これほどまでに濃いキャストをもってして連発した当時の日本映画界のエネルギーは、とても今の映画界の裁量でははかれないだろう。 つくづくあらゆる面において、「圧巻」の一言に尽きる映画だと思う。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-09-12 19:52:01) |
14.《ネタバレ》 梶芽衣子の美しさ! 成田三樹夫のダンディーなカッコよさ!書くならまずそこ。 一作目の畳みかけるようなインパクトは、ここでは抑え気味になっている。 その代わり、北大路の口笛が予科練の歌だとか、梶芽衣子が戦争未亡人だとか、いわゆる原爆スラム(現地ロケだそうで)が出てくるとか、戦争の遺した重い影を感じさせるつくり。 そして千葉真一のハジケっぷり(ヤクザでなくテキヤ=神農道の出なんだけど、そういう戦前からの伝統を全否定)が、原爆以前VS原爆後の対比を際だたせている。 しかし、アクションやヤクザ演出に比べて、男女が深い仲になっていく描写や演出は相当に下手かも。 北大路の脱獄エピソードとかは、「この二人そんなに想い合ってたっけ?」という唐突感があり、むしろ「ダメな奴っちゃな」とさえ感じさせた。ラスト近くの、梶の悲痛な慟哭、北大路の絶望と焦燥の貌が素晴らしいだけに、途中をちゃんと描いていてほしかった。 そしたら(ヒドい暴力シーンはあっても)仁義なきシリーズで女性人気No.1の作になっただろうなぁ。 【せい】さん [DVD(邦画)] 8点(2010-08-22 23:20:24) (良:2票) |
13.《ネタバレ》 仁義なきシリーズの第二作目。 全シリーズで一番役者の演技合戦が激しい作品。 北大路欣也と千葉真一の演技がよく取り上げられますが、私のイチ押しは成田三樹夫。 バクチ打ち云々の千葉真一とのやりとりがたまらない。 組織関係よりも個人々がピックアップされているのでストーリーが分かり易い。 初心者にお勧め! 「充たされず鬱屈した気持ちを暴力に開花する青春群像」 【CBパークビュー】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2009-07-24 22:40:17) |
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12.《ネタバレ》 さて、第一作で名優たちが死にまくったものでどうなるかと思いきや、続々と新キャラクターが登場。舞台は広島になり、ヒットマン北大路を主役に据えるも特濃で下品で乱暴な千葉真一が全てもっていってしまってる印象。そして、それぞれのキャラクターの真意が最後の方まで分かってこないのが仁義シリーズの巧みさなのか。組長ってのはずるくてなんぼか。仁義を重んじる奴が貧乏クジひくのか。一以上のドタバタを見せてくれたが展開の巧さと、キャストの魅力ともに僅かずつ一作目に分があるかな。邦衛がいないのもさびしい。梶さん超美人でうっとりっす。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-09-01 13:20:30) |
11.《ネタバレ》 前作と比べれば少々劣るが、なかなかの力作。今作は梶芽衣子をヒロインに迎え、作品に新鮮味を与えている。そして、やはり菅原文太さんが主演じゃないとなぁと感じてしまう。どうも、北大路欣也は印象が薄かった。それでも、千葉真一は前作の松方並みの存在感でなかなか良かった。話としては終盤まで面白かったが、警察との攻防が話を安っぽくさせてしまった。 【TOSHI】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-02-18 22:25:17) |
10.北大路欣也がものすごく良かった。千葉真一もかなりいい味出てた。やはりこのシリーズ、役者がすさまじいく良い!シリーズで一番好きな作品。 【マイアミバイス】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-04-30 00:01:39) |
9.ラストシーンの緊迫感・やるせなさはシリーズ中最高。梶芽衣子が綺麗過ぎるのはどうしたもんでしょうね。 |
8.作品として仕上がっている。主役2人がすばらしくかっこいい。口笛が耳に残ります。成田もしぶい。文太は脇ですが存在感あります。 【蘭丸】さん 8点(2005-01-03 08:39:12) |
7.今では有名男優の若く生臭い演技は必見です。北大路欣也といい千葉真一といいヤラレマシタ。今、これだけ生々しく演技出来る若い男優は居るんでしょうか。 |
6.シリーズでは一番好きな作品です。「修羅雪姫」の時よりも梶芽衣子が美しい・・・。ストーリーは前作よりもずっと切なくなって、北大路欣也が泣かせます。それにしても成田三樹夫カッコ良すぎ!!個人的には刑事コロンボの○○シーンがショックだった・・・・(別にピーター・フォークが出てた訳じゃないですよ) ところで、犬の肉って美味いんでしょうか? |
5.カッコいいなぁ、北大路欣也、いい! あと、梶芽衣子、、惚れました(笑) 【GRIN】さん 8点(2004-10-22 00:00:11) |
4.これは仁義の中でも頭ひとつ抜けてますよね。山中悲しかった。 【かじちゃんパパ】さん 8点(2004-10-04 12:34:48) |
3.寡黙なおっさんというイメージしかなかった千葉真一の若い頃がこんなんとはビックリ。シリーズ中一作しか登場しないにも係わらず最も強烈でした。さすがタランティーノのリスペクトを受ける事だけありますね。 【番茶】さん 8点(2003-12-14 03:12:14) |