1.《ネタバレ》 あまり馴染みのないイラン映画。しかも政治的に難しいものを抱えるアフガニスタンが舞台ということで、観る前は構えていた。しかし演技というにはあまりにも自然な子供の表情、お涙頂戴的な演出が一切無い、このふたつに心の壁は簡単に突き崩された。ほのぼの系なのかな、と、無防備になった精神にラストの「自由になるには死ぬしかない」というメッセージが突き刺さる。失礼しました。そんなに甘いもんじゃないんだね。救いのない物語のわりには後味がそれほど悪くないのは、暴力も子供のゴッコ遊びの範囲を決して出ない上品さ故だろうか。原題の元になった言葉が「仏陀は破壊されたのではない。恥辱のあまり自ら崩れ落ちたのだ」であることは押さえておいていいと思う。それにしても10代の女性がこれを監督したという事実には驚いた。