1.《ネタバレ》 言わずと知れた、あの伝説のバレエダンサーのお話。言い伝えられているエピソードにかなり忠実に作られていると思います。ニジンスキー役の俳優さんはちょっとキレイ過ぎかな・・・。でも、アラン・ベイツ演じるディアギレフは、実際のディアギレフもこんなだったんだろうな、と思わせる眼力と迫力があって見応え十分。ジェレミー・アイアンズ初映画出演作品というのも感慨深いです。監督自身がダンサー・振付師出身だけあって、写真や絵画に残るニジンスキーの姿に忠実に舞台が再現されていてこれは本作の見所(あの「牧神の午後」もアリ)。しかし、やっぱり狂っていってしまう人の話は、見ていて辛いものがあります。その始まりはほんの小さなボタンの掛け違いなのに、あっと言う間にマリアナ海溝より深く大きな溝ができ、彼の人生そのものであった「踊ること」が出来なくなってしまうという悲劇。後味はあまり良いものではありませんが、好きです。見終わった後、必ずドビュッシーが聞きたくなる作品でもあります。