1.《ネタバレ》 久しぶりにドキドキしながらホラーを見ました。『1』や『2』と比べても、この『3』はかなり面白いです。
病院に収容された人食い一族。言葉は話せないが、頭は良い。それを印象づける冒頭の惨劇。この導入だけで、心が釘付けになります。
そしてメインストーリー。吹雪の中道に迷った若者達が冒頭の廃病院へとたどり着く。恥ずかしくなるくらいお約束の王道パターン。でも、それがイイ!
なかなか人食い一族が出てこない。でも、冒頭の病院が舞台になっているため、緊張感のある画作りに成功しています。音楽もいいですね。
人食い一族がでてきたら怒涛の展開。ホラー映画でよくある、『主人公は知っているけれど、まわりは誰も信じない。』なんて、しけた演出は一切なし。みんなが集まっているところに投げ込まれる人体の一部。あっという間にパニックに。みんなが見ている前で吊り上げられる女性。慌てて外に飛び出し逃げようとするが、点火プラグが抜かれている。このシークエンス、無駄がなくて好きですね。
外は極寒。中は殺人鬼。どちらを選ぶか、究極の選択。
途中で女性が一人外部との連絡係として助けを呼びに行くが、結局凍死。この女性の絶望的な状況も、限られた時間の中できちんと描いて見せたのは高評価。
マイナスポイントとしては、千載一遇のチャンスに、何を思ったか『殺人鬼たちを殺すのをやめさせる』という不自然すぎるモラルが水を差す。
まあそういった気になる部分があったとしても、適度な恐怖感、ぎりぎりラインのグロ描写、スピード感、サバイバル演出、そのどれもがバランスがとれていて、一級品のホラーとして仕上がっています。