9.《ネタバレ》 独特の美的センスと体感温度の低さを感じる本作、ジャンルはサイコ・スリラーになるのだそう。スリラーという言葉から連想される冷たさやミステリアスなイメージは、全てヒロインの弱冠13歳のジョディ・フォスターによって醸されていると言って過言ではないでしょう。13歳というのはロリータぎりぎり最終の年齢。幼いのか理性的なのか、どちらにも揺れる不安定さ。時には「魔性の」と称されてきたこの年頃の少女らの危うい魅力。素なのか天才的演技なのか、判別不可なほど凄い仕事をしているジョディ・フォスターです。 いろんな作品で愛でられてきたロリータたちと並んで、ジョディもあまり笑顔を見せません。意志の強そうな瞳だけど、かと思えばふにゃ、と崩れるもろさも見せて、リン・ジェイコブスもまた正統派のロリータと認定されるでありましょう。(誰に) 惨劇の舞台でありながら、家具の配置や配色が居心地よく考え抜かれた白い家の佇まいも魅惑的でした。 ああそれと、意地悪おばさんもロリコンM・シーンも、いかんなく小物ぶりを発揮してジョディとの格の違いを際立たせてくれました。ある意味グッジョブな人たちでした。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-02-12 00:04:39) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 ピンと張りつめた緊張感漂う展開と、若きジョディー・フォスターの雰囲気がとても良い。あれやこれやと盛り込まず、シンプルなストーリー構成にしたことも好印象ですね。この時期のジョディーとしては「タクシードライバー」がホント有名なんだけど、こちらもとてもいい(あんまり知られてなさそうで残念)。ある意味この若きジョディーを堪能できるのはこっちの方かもしれないね。なかなか良かった!オススメデス 【Kaname】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2015-01-22 13:48:53) |
7.《ネタバレ》 これは面白かったです。まずなんといっても、ジョディ・フォスターの魅力に尽きる。少女らしいチャーミングさと、なんともいえない冷めた目つきからくるミステリアスな雰囲気。芯の強さ、孤独と悲しさ、それらを表現する上で、彼女以外にこの役を務められる子役は考えつかないですね。もう本当に見事。そして、サスペンスの中のこのラブストーリー。これがまた魅力的。リンとマリオの、子供っぽいいたずらのシーンから見舞いにいった時に泣きながら心境を吐露するシーンまで、その全てが微笑ましく、そしてぐっときちゃいます。やってることは人殺しとその幇助なんだけど、観客はこの二人を応援せずにはいられない。犯罪を応援するのは現実にはいけないことだけど、そこを乗り越えてしまえるのが映画の凄さ面白さですよね。そして、ストーリー運びが実に巧い。全てのシーンが印象深くて記憶に残るんですよね。おばちゃんが地下室の扉に頭ぶつけて死ぬシーン、飼ってたハムスターが息子に殺されるシーン。ほとんどずっと家の中だけで起きているから印象深いというのもあるのかもしれませんが、なにより「意外性」の積み重ねがあると思うんですよね。父親はいないと観客は理解した上で、2階から父親が降りてくる(実際はマリオ)シーン、それから、無事にやり過ごした後でおもむろにリンが全裸になりマリオとことの続きをするシーン、このへんの唐突さ、意外性は素晴らしいですね。そして地下室の扉がバタンバタンと開くホラー的な展開に、そこから登場したのが変装した息子という。どのシーンもまるで往年のヒッチコック映画みたいなサスペンス要素を思わせるんだけど、そういう要素にさらに少年少女の純粋な恋愛という魅力ある要素が加わり、そしてジョディ・フォスターの役者としての溢れる魅力で全てがまとめられているという、とにかく面白い、見事な一本だと思います。 【あろえりーな】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-03-03 00:16:57) (良:1票) |
6.演技力とカメラワークが上手。DVDの謳い文句から、冷徹なジョディのサスペンスかと思ったが騙されました。本当は、自分の世界を守るジョディの闘いを描いた作品です。記憶に残るエンドロールでした。 【真尋】さん [DVD(字幕)] 8点(2008-10-18 18:47:21) |
5.《ネタバレ》 少女時代のジョディー・フォスターがとても妖艶。若く、美しく、尊大で、卑怯な位に魅力的。全篇を包むショパンの調べと、少し粒子の粗い美しくミステリアスな映像。ディテールの1つ1つ全てが印象的。丘の上の一軒家。金髪の美少女。姿を見せない父親。地下室。アーモンドの香りの紅茶。私が初めてこの作品を観た時、主人公の少女は年上だった。だからこの作品の魅力が分からなかったのかも知れない。今はあの13歳の少女が随分遠い。だからこそあの時とは比較出来ない程にこの作品が美しく、魅力的に思える。あの少女は今もあの白い家で1人、年を取ることもなく、あの姿のまま暮らしているような気がする。 【ひのと】さん 8点(2004-06-11 19:08:16) |
4.原作者自らシナリオを書いているのだからギャップが少ないのは当たり前だが、小説から喚起されるイメージがここまで裏切られないというのは極めて稀少な例と言えるだろう。少女役のジョディ・フォスターも彼女がモデルではないかと思えるほどのハマり役。美しいカナダの田舎町を舞台に、父親の死を隠して一人で暮らす少女の孤独な日々と彼女に思いを寄せる若者の幼い恋、そして彼女が自由を守り抜くために犯して行く殺人を、ショパンのピアノ曲に乗せて綴る異色サスペンス。詩的な情景、甘酸っぱい初恋の香りと、連続殺人という極めて異質な組み合わせが、何故か不思議なノスタルジーをかもし出す、どこまでも美しい映画。秋の夜長にビデオ鑑賞を決め込むには、なかなか味わい深い作品かも知れない。 【anemone】さん 8点(2003-12-06 01:14:22) |
3. 話自体は別にどうでもいいようなものではあるが、背景(風情や小道具など)と役者の演技を楽しむ類の作品です。この手の上質な作品って繰り返し見ちゃうんですよねぇ。「お父さんいるの?」「ゴードン好きか?」マーチン最高! 四方山さん青空さんのレビューは、この映画を愛している人ならではのコメントで共感を覚えます。 |
2.一流のサスペンス。瞬きするのも惜しむように画面に釘付けだった理由は、その脚本の優秀さだけではない。ジョディ・フォスターとマーティン・シーンのただならぬ存在感によるところが大きい。特にジョディについては圧倒されてしまう。それにしても、この年(1976年)のジョディの出演作(タクシードライバー、ダウンタウン物語、白い家の少女)の質は素晴らしい。 【ヒロポン】さん 8点(2002-03-19 12:52:52) |
1.深夜の枠でずいぶん前に見たんだな~、で最近気になってまた借りた。あの瞳!あれが演技だから怖い!「あら?これアーモンドの香りがする」「アーモンドクッキーのせいでしょ」これは、超~っ名セリフっしょ~。 【ちっちゃいこ】さん 8点(2001-08-29 00:10:17) |