48.《ネタバレ》 -JSA- =Joint Security Area “共同警備区域”南北朝鮮の境界線ですね。 血生臭い事件から始まり、何故そんな事件が起きたのか、過去に遡って徐々に紐解かれる真実。何でそうなってしまったのか。先に結末を知っているだけに、話が進むにつれ悲しい気持ちになる。 南と北の兵士たちの交流。突飛に見えないように、地雷除去からタバコの交換と、最前線の兵士の意外な暮らしが描かれていて、“平時の敵国兵士との付き合い方って、案外こんな感じかもな”なんて思わせてくれる。 南北に分断されたばかりの'40年代とかならともかく、ごく最近の1999年10月の事件と考えると、さすがに監視カメラだってあった時代だろうし、無線の定期報告も入っただろう。北と南があんな徒歩で渡れる橋で結ばれた距離なのに、警備兵2人に任せっぱなしなんて、リアリティ面から考えにくい。大の男が4人集まって遊ぶとしたら、ギャンブルさせとくのが一番リアルだろう。 それがこの4人、無邪気に子どもの遊びばかりやってる。あぁそうか、これは現代版のおとぎ話なんだ。 同じ言葉を話す民族が、戦争の勝者の事情で南と北に分けられ、大人になると徴兵され、憎くもない相手に向かって銃を向け合う。その真相究明を、北にも南にも行く事を拒んだ者の子ソフィーが担う。戦争の爪痕、現代の朝鮮半島の縮図。 「双方が望んでいることは、この事件が曖昧になることだ」ソフィーの上官が言うように、事実を突き付ける事は新たな悲劇を生んでしまう。 ソンシクの死の真相。曖昧にしていた真実が、北でも南でもないソフィーの何気ない一言で暴かれる。友人を殺した事実と向き合い、自殺を選ぶスヒョク。 過去に同じ民族で殺し合った事実、今後再開するかもしれない南北戦争。双方が立ち入らない最前線の共同警備区域がクッションとなり、同胞同士、直接殺し合った過去の事実を曖昧にしているんだろう。 平時においては、曖昧にしておかなければ成り立たない現実。せめておとぎ話の中だけでも、無邪気に遊んでいてほしい。 そんな気持ちで映像化されたのかな。良い映画です。 【K&K】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-05-17 23:50:49) |
47.《ネタバレ》 この作品が優れているのは、双方の言い分がまったく違っていて、さらに調査を進めると・・・という「羅生門方式」を導入していること。単に38度線付近で兵士が交流しました、というだけでは、ここまで濃い内容にはならなかったでしょう。導入部で手際よく提示される双方の陳述書は、そのまま対立し断絶する南北構造そのものですし、そうであるからこそ手法としての必然性があります。そしてそのことが、例えば4人が打ち解ける中にも一触即発の危険性やぎごちなさを残留させ、現実の暗い影を終始落とし続け、全体を奥深いものにしています。その中でも制作側の「祈り」のトーンもあわせて持続しているのが素晴らしいです。 【Olias】さん [映画館(字幕)] 8点(2021-06-05 00:59:13) (良:1票) |
46.《ネタバレ》 そういえば、まだ見てなかった韓国映画の話題作。俳優陣はソン・ガンホにイ・ビョンホン、そして美しすぎるイ・ヨンエ。テーマは南北分断。ということで、アクション、エンタメの王道娯楽大作を期待して見始めてみたら、思ってたのと少し違う。淡々と、なんなら少しオフビート感ある、つかみ所のないキャラクターたち。そういえば、監督は今や巨匠のパク・チャヌク、一筋縄ではいかないらしい。でも物語が見えてくると、等身大を絵に描いたような4人の兵士みんなが好きになってしまう。南北対峙する国境地帯という政治的にも微妙なテーマを、ユーモアとサスペンスまぜこぜに包みこみ、そしてラスト30分では突然の緊張感MAXからの一大悲劇。この、全部盛りなのに見事な切り替えで1本の映画にしてしまう力業こそ、韓国映画の魅力でしょう。美しすぎるイ・ヨンエも南北分断後のもう一つの戦後史を背負うキャラということで、物語的な着地点はあったものの、やっぱり全体としては浮いてしまっていたのは残念。それだけ4人のアンサンブルが見事だったということかもしれない。そして、何よりも見事過ぎるラストのショット。うまい。恐れ入りました。 【ころりさん】さん [インターネット(字幕)] 8点(2021-01-20 16:38:26) |
45.韓国映画にハマルきっかけとなった作品。 最後の写真の使い方が好きです。韓国映画ってラストシーンが印象的なものが多いですね。 【tonao】さん [映画館(字幕)] 8点(2020-07-17 17:12:11) |
44.今 2020年、今 この状況下において韓国映画を褒めるなどしたくない。 なんだったら まさかアカデミー賞授賞のパラサイトだって この先一生涯絶対に観ないと決めている。 だがこれはJSA。20年前のJSA。 私情を挟まずフラットな状態で見る事に徹し、南北間の緊張感を堪能す。結果、分かりにくかったところが理解したくて二度鑑賞。そんな自分が思うこと➡ これ、サスペンスとしてエンターテイメントとして かなり秀逸な出来してますやん。決して素晴らしいとか言いたくなかったんだけども 言ってしまいたくなる熱の籠り方。悔しいけども、やはり日本映画はこの時から韓国映画に負けている。 だが気になって止まないのが うちら日本人の目線なんかよりも、当時の最高指導者キム・ジョンイルは韓国一方的製作のこの映画を当時どう観て なぜスルーなされていたのか そこが知りたい。なんなら今更だが 彼の墓を掘り起こしてでも聞いてみたい。ついでに現最高指導者のキム・ジョンウンにも黒電話をかけて聞いてみたい。 【3737】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2020-06-04 19:16:30) (良:1票) |
43.《ネタバレ》 非常に男臭い、人間臭い、まるで中学校の友達とじゃれているよう。同じ言葉を話し、似たような顔。それにもかかわらず"北"と"南"というだけで敵として分断されないといけない。この不条理な現状。南北の対立は自分にはよくわからないが、将来、この映画のように仲良くお互い笑いあえる日が来ればなって思います。 【珈琲時間】さん [DVD(字幕)] 8点(2016-11-04 16:36:36) |
42.《ネタバレ》 南北朝鮮を分断する38度線にある監視小屋。ある日南の兵士が地雷を踏み動けなくなる。それを助けた北の兵士。以来南の歩哨と北の歩哨の奇妙な友情が芽生える。そして起きる事件… シュリで圧倒された私が当時その次に観た韓国映画。これまた韓国では観客動員数記録を突破する大ヒット映画になったとのこと。今をときめくT−1000もまだ若いですね(≧∇≦)なんとも言えないキュートな演技を見せてくれています、イ・ビョンホン!REDリターンでの役柄もとても好きです^ ^ そして、そして、ソン・ガンホ(≧∇≦) 渋くて切ない、ありえないけど納得させられた映画でした。好きです^ ^ 【JF】さん [DVD(吹替)] 8点(2015-08-28 22:05:47) |
41.社会派の小難しい映画と思いきや、内容は全くもってヒューマニズム溢れる切なさたっぷりのドラマだった。38度線問題に疎くとも、問題なく観れると思う。 リアリティに欠ける部分は確かにあるものの、この作品で訴えたいメッセージはハッキリと打ち出されているし、南、北どちら寄りでもないフラットな目線で描いているからこそ、より登場人物の人間性に深く感情移入させられる。 個人的にソン・ガンホ、シン・ハギュンの演技が良かったように思う。 イ・ヨンエに関しては、演じるソフィーというキャラクターがまさにリアリティに欠けるキャラクターであるからか、何だか浮いている感じがした。 まだ駆け出しの頃に、こんなに見ごたえある作品を作ってしまうパク・チャヌク監督の才能にとりあえず脱帽。 より緻密な作りが見えてくるので、2回鑑賞することをオススメ。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 8点(2011-02-03 18:15:07) (良:1票) |
40.《ネタバレ》 深い内容の映画であり、一回見ただけですべてを把握するのは極めて困難です。そのときどきの人物たちの行動と、その背景となっている心理を落ち着いて考えてみる、という作業を経ないと、自分なりのこの映画への理解を導き出せないでしょう。たとえば、なぜ最後に主人公は自殺しなくてはならなかったのか。余韻を残す映画です。あのとき何が起こったのか、というなぞ解きを軸に物語は進展していきます。中立の第三者がその全容を解明する、という構成は効果的です。徐々に真相が明らかにされていきます。事件の真相を語る映像がたぐいまれな緊迫感を持っています。 【エンボ】さん [DVD(字幕)] 8点(2010-08-01 21:59:17) |
39.シュリもそうだけどホント韓国は日本と違いレベルが高い。 見終わった後切なさでしばらく放心したようになった。 ヨンエはやはりチャングムの誓いだな。 【JK】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-11-15 00:24:17) |
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38.切ね~~~マジ泣けてくるわ~悲しすぎる 結末がわかりながら、あんな和気藹々としてる姿を見せられたら、もう見てらんねえよ!でもあの最後の締めは、すごく好き。かなり良くできてる作品だと思う。 【SAKURA】さん [DVD(吹替)] 8点(2007-05-24 01:14:42) |
37.《ネタバレ》 心に響くとても良い作品でしたが女性調査官の印象の薄さとラストがやはりああいう結末だけにこの点数にしました。韓国映画っていいですね。 【MINI1000】さん [地上波(吹替)] 8点(2006-07-08 23:28:51) |
36.最初に悲劇的な結末が明らかにされているだけに、兵士たちが友情を深めていく中盤は辛かった。そして人間を描くのが上手いからだろう、結末の理不尽さは耐え難いほどで、やりきれない思いでいっぱいになった。本当ならわかりあえるはずの人間たちが、恐怖と混乱によってあっという間にお互いに銃を向ける。もちろん、ここで描かれている問題は韓国と北朝鮮の間だけのものではない。国境を挟んで笑いあう場面が印象に残った。物理的には何もない場所に目に見えない壁があって、互いにそれを乗り越えようとはしない。壁は厚いようで薄く、薄いようで厚い。あの場面の滑稽さが、なんともいえず哀しかった。 【no one】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-06-29 15:32:34) |
35.これは構造としてはメロドラマなのかもしれないし(ただし軸は男女の恋愛ではなく男同士の友情だが)、突っ込めるところがないわけではないけれど、それにしてもこの状況は、重い。そんな重い現実を背景にしつつも、ユーモアを交えた間口の広い作品に仕上げた技量と底力には素直に脱帽します。<ここからちょっと、とりとめのない余談、てか独り言>この作品で象徴的に映し出される、韓国と北朝鮮の間の分断線を見ながら、「線」という物についてちょびっと考えた。人間は混沌とした世界の中で、物事に名前をつけ、「分類」する事によって知性と秩序を獲得した、筈なのに、自らが生み出した概念に過ぎない「線」というものに何故人は縛られ、踊らされてしまうのだろう(映画の中にも「人間には二種類しかいない。アカと、アカの敵だ」つってた軍人さん、いたよね。もっと一杯いるっつうの)。「○○人だから」とか、関係ねぇじゃん。「向こう側」の人と話しただけで極刑って、バカじゃねぇの?と思いつつ、実は日本に住んでいる自分だって、色んな概念に囚われたり縛られたり、してるんだけどねぇ。うーむ。 【ぐるぐる】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-03-27 16:28:52) (良:1票) |
34.《ネタバレ》 いやぁ、これはよかった。 政治や国家という枠組みを越えて、徐々に友情が芽生えていく過程が楽しかったし、38度線をはさんで向かい合ってクスクス笑い合う姿には嬉しさがこみ上げてきます。 確かに悲しい結末なんだけれど、国家なんていう枠組より、個人レベルでの友情というものの方が勝ってたんだという意味で、単に「戦争や民族分断は辛い」というだけの映画ではないのだと思った。 「もう一度、ここから始められませんか?」と問われているようにも思えた。 ソン=ガンホは敵国の友人を守るため、国家同士の争いを避ける行動を、彼の言うとおり「冷静に」大局を見て行動したんだなぁと。 南北問題は、これがリアリティある描写なのか、俺にはよく分からない。 でも、素敵な友情物語と、南北分断への問題提起と、サスペンス的風合いと、そういうものがうまくバランスされていて、ストーリーにぐんぐん引き込まれた。 4人が一緒に映っている写真でエンディングっていうの、ほんとジーンとしましたね。 かなりナイスな作品です^^ かてて加えて。。。捜査官少佐のイ=ヨンエが美しい! いや、キレイ過ぎです(笑) もうね、美しすぎる! いやいや、リアリティがないとかの難癖をつけてるわけじゃなくてね、めちゃめちゃ可愛いんだよねぇ♪ でも、あんなにキレイだとさ、顔ばっか追いかけちゃってストーリーに没頭できないぞと。 (笑) 【とっすぃ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-19 19:16:17) |
33.シュリを見たときは「この映画が最高だ」と思ったけど、JSAは更にその上をいったハイレベルの作品。兵士たちの束の間のひと時、誰にでもある「少し位なら規則を破ってもいいかな」という心や、人情を見事に表している。ただ国家には逆らえないそれだけの悲しい話。 シュリは一方的に「北」をヒール役にしていたが、本作品は両国の融和に焦点を当てている点が評価できる。 これを見たときは、イ・ビョンホンが韓流ブームのチャラチャラ役者になるとは思わなかった。これは残念!伸びると思ったのに。 【しむいち】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-10-28 09:38:58) |
32.テーマ曲が「同期の桜」だったら10点満点だった。ところで、38度線で唾かけゴッコのくだりにはビビった。アレは韓国・北朝鮮ではジョークで済ませられるのだろうか。確か韓国側のグラサン男は唾を靴にかけられた際にぴくぴくしてたような気がするが、結局じゃれ合いで済ませて楽しそうだったし。日本だと恐らく、マジゲンカになるのではないか。 【malvinas】さん [映画館(字幕)] 8点(2005-06-12 03:12:50) |
31.日本と朝鮮の文化や歴史の違いをまざまざと思い知らされた。日本人が安易に知ったかぶりして語っていいテーマではないと思う。 しかしこの作品、単純に映画の娯楽性として見ても素晴らしいものだった。北と南の兵士達による、ギリギリの中での心の交流。作中の一風景とリンクした最高のラストシーン。シリアスながらも決してユーモアを忘れていない。このセンスには本当に脱帽するばかりだ。しかしソン・ガンホはどんな役をやらせても上手いなぁ。 【赤毛のダニー】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-05-16 11:55:19) |
30.大の大人たちが子供のようにはしゃぎながら遊ぶ姿に深い意義がある、見る人によってはあの場面に複雑な想いを感じるのではないか。 そんな些細なことすら出来ない越えられない一線が二国にはあるのだろう。 日本に暮らしている我々には少し理解できないモノがあるが、南北分断のことを考える手助けになる本作はなかなか意義深い作品である。 人間として育むことが出来る彼らの友情も、南北分断という歴史に翻弄され一瞬のうちに敵となってしまう悲劇がある。 双方が銃を容易に降ろすことが出来ないのも、二国の関係をそのまま表している気がする。 ソンガンホのように冷静に中に割って銃を降ろすように仲裁してくれる国があれば良いのだが。 そして4人のうち3人が死んでしまう結果が心に痛い、現場で死んでしまった絵が好きな彼はやむを得なかったとしても、親友を死なせてしまった他の二人は離れていてもそれぞれが幸せに暮らすことはできなかったものかと感じる。 訳の分からないうちに親友を撃ち殺してしまった結果だけは過程がどうであれ変えられない現実として自分に残る、その後悔のなかで生き続けることは出来なかったのだろう。 あの緊迫した場面の中で一人だけ冷静に行動できたソンガンホは一人、孤独の中で何を想うだろうか。 事実が公にならないよう皆が揃った部屋で暴れた彼の行動が優しい。 |
29.日本人にほ朝鮮半島の南北問題は身近ではないが、この作品は私達日本人にも緊張感を教えてくれた良作である。 【ゆきむら】さん 8点(2004-11-02 12:34:43) |