8.《ネタバレ》 管制塔とコックピット、乗客と航空会社・・
人間関係がそれぞれ丁寧に緻密に描かれ好感が持てる。
すべてがジグゾーパズルのように繋がるよくできた秀作。
アクションシーンがあまりなくても、
これだけ緊迫感のあるそしてコミカルな暖かいジョークも忘れない。
パニックになった乗客の反応もそれぞれ面白くもさえある。
特によかったのが助演女優賞を本作で受賞した、
したたかでいい味のおばあちゃん役のヘレン・ヘイズ。
他にも出演女優が美しいのが目をひきますが、
特にスチュワーデス役のジャクリーン・ビセットがいい。
カメラワークも彼女の目線で撮られたシーンは楽しいし、
画面が切り替わるわかりやすい演出もいいです。
サスペンスはわかりにくいほどいい作品と勘違いしていませんか?
こんなに丁寧に作られたわかりやすいサスペンスもたまにはいいですよ。
なにしろ人間関係がよく描けていてこのシリーズ中一番人気なのもうなづける。
のちの映画にも影響を与えていると思われます。
おばあちゃんと爆弾犯人が並んで座るシーンは、
テリー・ギリアムの「12モンキーズ」のラストのシーンそっくりだし、
スピルバーグの「ターミナル」の中にもこの作品のいくつかのシーンが・・
サスペンスなのに人情モノ。
そしてコミカルであるけれども暖かい。
バート・ランカスターはこの役は適役であったし、
あいかわらず(このシリーズ全編出ている)ジョージ・ケネディもいい。
寒い寒い真冬のターミナルを舞台にあったかい人間ドラマ、
出会いと別れもありますし、
付近住民問題まで描かれています。
映画を観たなぁ・・という充実した後味を味わえることでしょう。