1.文化庁推薦だけあって素晴らしい人間ドラマだった。
山田孝之が子育てに奮闘する物語という事くらいしか前知識無しで観たのだが、まさにそんな映画だった。
娘がまだ小さい頃に妻を亡くしてしまい、父親が仕事と両立しながら子育てを行うという物語で、その大変さは画面を通して、また彼のモノローグによって明らかにされていく。時折くじけそうになり追い詰められもするが、彼は周りの人に恵まれていて、義理の父母や保育園の先生などほんとにいい人に助けられて日々を送って行く。ただ、小学校の先生なんかは父子家庭というだけで厄介なものを背負ってしまった感がありありで、その辺の描写はとてもリアルだったなぁと思った。
とにかく、全体的にとてもリアルな人間模様が描かれていたし、演じた役者の演技も素晴らしくて、山田孝之はもちろんの事、伊藤沙莉と國村隼の演技が特に良かった。
人を亡くしてしまってもいつも家の中に居るんだという考え方と、死を乗り越えるんじゃなくて一生付き合って行くという考え方が当たり前だけどとても心に響いた。